影の力
修治は堂々と言い放ちました。
確かに修治がそう決めたのであれば通りそうな気がするのですが、修治一人が悪いという事にはどう考えてもしたくありませんでした。
教頭「そういう風に思っているという意向は伝えるにしても、先程私が言った通り、お父さんが納得されない限りは君の意見は通らないと思って欲しい。退学処分になるかどうかはお父さんの裁量だ。いいかい?君が一番分かっているだろう?」
和歌が慌てて会話に入り込みます。
和歌「きょ・・教頭先生。そんなこと・・・・・私達が居る前で言っても良いんでしょうか?」
確かに、先程から極秘レベルの話を教頭と修治は淡々と当たり前のように話しています。和歌達三人はその話題であればはっきり言って部外者のようなものなのです。修治のプライベートな話まで首を突っ込んでしまっているような気がして、なんだかここに居てはいけないような気分になっていたのでした。
教頭「なぁに、教え子に真実を話したまでだよ。嘘を教える教師がどこに居る??・・・彼は特別であるという事を全員に知って貰う為に私は話したんだ。詳しく言わなくてももう君達は分かっているだろう、元々は全員優秀な成績をおさめて龍ヶ丘高校に入学してる。頭が悪いわけじゃない。・・・普通に考えて・・・・・車通学を認めている学校なんかどこにあると思う?大学なら許可を取ればまだしも、高校生だぞ」
修治の父親の力は強大なものであり、覆すも何も本人の、いや息子の意見まで通らないと教頭は言います。
修治「ちょっと待て・・・・みんなに制裁があって・・・・俺だけ無し・・・・まさかそんな事にならないよな・・・・俺は・・・・・俺はみんなを守る事は出来ないのか?・・・・・」
修治はどうにもならない状況を打開しようと考えを巡らせていましたが、父親の力の事を誰よりも知っています。この教頭までも修治の父親の手中でした。
教頭「次は・・・・小日向和歌さん・・・・・。あぁ・・・覚えがある・・・。貴方が関わっている事に私は非常に驚いた。まだまだスポーツ選手として良い悪いの判断が出来ていないようだね」
和歌「はい、仰る通りです。未熟者で申し訳ありません」
教頭「私立鷲山中のエースで、相棒の怪我で途中棄権したもの全中ベスト8の好成績。うちの高校にはバドミントン推薦で入ったんだったな。ダブルス県一位で大会最優秀選手、地方大会では三位。二年生時にはエースの先輩と組んで地区予選を優勝、特別枠でインターハイ出場。団体もベンチ入り」
乃蒼「和歌すご・・・・・・」
リュウ「そんなに凄い選手だったんだ・・・・」
知りませんでした・・・・。和歌って凄い選手・・・・・。
誰が聞いても華々しい成績を残していました・・・・・。そりゃ学業の成績が多少落ちても文句は言えないでしょう・・・・。
教頭「君にはこの高校の看板を背負って貰うつもりでしたが・・・・協議の結果、キャプテンは降りて貰う。大学推薦については顧問、担任と相談して決めさせて貰います。何か言う事はありますか??」
和歌「・・・・・・・・・・・・」
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