尋問と秘密
えっ、修治の親父が俺達の高校の取締役だって?・・・・・お父さん滅茶苦茶偉い人じゃねぇか・・・・・・。
リュウはチラッと修治の方を見ました。
修治は教頭の顔を無表情で見ていました。
教頭「事件後に、お父さんとは会った?何か言ってなかった?」
修治「いや父とはもう随分会ってない。母親と一緒に外国に居るので日本の仕事はほとんどパソコンを使用して済ませてる。・・・・車を二台壊してしまった。それについてメールで連絡入れたけど、特に壊したことについては向こうからは何も言われなかった」
教頭「そうか。今回の蛇頭ヶ丘事件のことは君の方から話したの?まぁ当然校長から芹沢役員に話は行ってるが」
修治「何故車が壊れたかについて、説明する必要があったからそれもメールで説明済み。もし始末がつかなければ再度連絡が欲しいとだけメールで言われていた。事件は柴田達のおかげで幕を閉じた、なのでそれからは連絡していない」
どうやら修治は父親とメールでやりとりをした様子でした。いつも連絡をよこすのは息子が困っている時か、何か一人で解決できない時に限られているようで、日常の話は禁止と言ってもそれは過言ではありませんでした。
ほとんど全ての事を一人でやれと・・・・・厳しいというかなんというか・・・修治の父親は修治の本当の親なのでしょうか・・・・・。
家庭には様々なルールややり方があるにしても、実の息子のことを全く心配しないなんて・・・・・どうかしてる・・・・・・。
教頭「お父さん・・・・・いや私が芹沢役員の代わりに言っておくが・・・修治君。君がやった事は許される事ではない。それはもう重々分かっているね?」
修治「それはそうです。俺の誘いで全員を危険な目に遭わせた。・・・それについては全員に今一度自分の言葉で謝罪して、今回の罪を全て被ろうと思っている」
ガタン!
リュウが我慢できずに席を立ちあがりました。
リュウ「修治!それはいけない!」
和歌「駄目だよ、私達だって悪いのよ?!私達の責任を取って貰うなんて友達じゃ無いじゃない!」
乃蒼「駄目に決まってんじゃんそんなの!修治を一人を悪者扱いは出来ない!」
るみ「みんな!分かったから静かにしなさい!」
状況を見て、教頭の隣に座っていたるみ先生も立ち上がり、慌てて私達を制止します。
教頭は冷静に再度資料を見直して、再び話し始めました・・・・。
教頭「仲が良いのは分かったが・・・・修治君。君がいくら謝ったとしても、それは出来ない。貴方だけの罪ではないからだ。・・・・それにもう皆さん、分かっているでしょう。修治君だけのせいにしたら正直な話、芹沢役員が黙ってはいないよ。学校はそういう措置を取らせないんだよ。もし役員の存在が無ければ、学校に長く居て一番年上の君一人の責任にするのも考えても良かったが、役員の任期は来年末まで。それまではどうにも出来ないのが現状なんだよ。」
・・・・・教頭は私達に対して、はっきりと言いました。修治の父の力が及んでいるうちは、修治を明らかな悪者には出来ないと。四人の前で包み隠さず、そう言ったのです。
修治は少し取り乱したように見えましたが、直ぐに立ち直り、更に教頭に言いました。
修治「べ・・・別に親父がそう言ったって、修治本人の意思があったのでそうしたって言えばいいんだよ。外国にはちゃんと親父の本当の家族があって・・・・・本当の家族じゃないんだから俺は。俺は親父の愛人の子だ。自殺で死んだ弟もそう。俺と同じ境遇だ。本当の家族では無いから自分から離れさせて、今のこの扱いだ。別に俺が先輩として男として、全ての責任を被りたいと言えば、親父もそこは納得するはずだ。」
和歌「修治・・・・・」
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