呼び出し
学校の『多目的ルーム』という職員会議で使用されることが多い、あまり生徒側からしたら馴染みのない部屋に呼び出された修治、和歌、リュウ、乃蒼の四名。
全校集会が終わった後、直ぐにここに来るように担任のるみ先生に言われていたのです。
綺麗な長机がコの字になっており、映像を映し出すスクリーン装置もあります。椅子もビジネス用の椅子が設置されており、この部屋には結構なお金がかかっていることが分かります。
修治「とうとう怒られる日がやってきたな(笑)」
盛り上がってきたと言わんばかりの修治のテンション・・・・・。みんなを少し元気づけようと思ったのでしょうか。
リュウ「あぁ、まぁ素直に謝る所は謝った方がいいかもしれないな」
和歌「そうね。これから先の事を思ったら正直に言った方が絶対に良い。だって、誰の為にならないもん」
乃蒼「怒られることは慣れてるから私は全然大丈夫だよ。・・・・しっかり今朝も龍ヶ丘高校開校のニュースも流れてたし、これまでの事件の事もニュースでガッツリ取り上げられてるだろうから、もう変な事は言えないよね。・・・・ねぇみんな、マスコミが私達のこと待ち構えているよ」
乃蒼が見ていた窓の外を見ると、大勢の記者が校門付近をうろついていました。
リュウ「うわぁ・・・・俺達が出てくるまであの人達・・・ずっと居る気だろうか・・・・」
ガチャ・・・・・
扉が静かに開きます。
3年9組の担任のるみ先生と教頭が入ってきました。
手には複数の書類の束を持っていました。
修治「はじまるぞ」
リュウ「あぁ・・・・」
私達はコの字になっている長机の席の廊下側に横並びに座りました。先生達は窓際の席の方に座りました。
るみ「みんな、集まったわね」
和歌「はい、揃ってます」
教頭「・・・・まぁなかなか・・・・大変だったね・・・・ゴホン!」
咳込む教頭の一言でピーンとした空気になります。恰幅がよく、他の教員たちと比べて異様にドシッとしている為、本当にこの人は教員なのか?という疑問が私達の頭の中を駆け巡ります。
事件が立て続けにおこった関係で、文部省からも警察の方から指導が入っています。様々な対応でいつもより少し疲れ気味な様子が伺えました。
教頭「それじゃあ、はじめるけど・・・・少し体を崩そうか。全員背もたれを使いなさい。かたくならないようにしたいから・・・。・・・先ずは君・・・・名前は・・・・・」
修治「・・・・・・・・」
るみ「芹沢修治君です。」
教頭「今年で5年目か・・・・・・はぁ・・・・・なるほどね・・・・あぁ外部取締役の・・・・」
るみ「そうです、芹沢役員の息子さんです」
書類を見ながら教頭は話し始めます。
恐らく書類を見ないと、生徒の把握が出来ないタイプなのでしょう。
教頭「君が・・・首謀者だね。蛇頭ヶ丘に彼らを連れて行った生徒だね。自家用車で」
修治「ええ」
かたくならないようにとは言われたものの、重苦しい雰囲気で教頭の尋問が始まりました。
まずは年上の修治からです。
特待生で入学した和歌は面接の時に教頭と話しています。それ以外の三人は全くと言っていいほど話した事が無い相手でした。
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