気晴らし
病院で治療中の柴田、早川の二人は、どうやら同じ病院で治療を受けていたようです。
病院の外にある散歩コースに出る私達。
早川「近くで大きい病院って言ったらここくらいしか無いもんねぇ。そりゃ同じ病院になるかぁ」
柴田「だよね。俺も会った時にそう思った。でも入院している階層まで一緒って凄いよな」
早川「みんなからメール貰ってて。あっそういえば心配ありがとね、柴田」
柴田「いや、俺も貰ったんだ。なんだかんだで優しいよな、俺達の友達みんな」
早川「修治のメールには驚いた。・・・なんかいつもと人が違うじゃん(笑)」
柴田「俺も俺も(笑)無理しているのがなんとなく分かるけど、元々そういう人なのかもしれないな。俺達が知らなかっただけで」
早川「そうねぇ、修治からしたら柴田とかリュウは弟みたいなもんだもんね関わり方が。・・・まぁあの人も知っての通り色々あったからなぁ。人と関わる事に対して臆病になっていた部分もあったかもしれないね」
早川が居てくれたおかげで、久しぶりに何を気にする事なくおしゃべりが出来ました。
苦楽を共にした友人との偶然の出会いに感謝し、私達は散歩コースを歩きました。
本当にとてもいい天気でした。これまでの空はずっと空が淀んでいるように見えたのです。
早川「改めてこんないい天気久しぶりよねぇ」
柴田「ほんとほんと、天気なんか暫く悪くて・・今日は本当にいい天気だわ。散歩日和だね」
病院の近くが大きな公園があり、遠くに子ども連れの家族が遊んでいるのが見えます。自然環境がとても良い病院でした。
二人で毛伸びや体操をしながらゆっくりと歩きます。
柴田「太陽光線を久しぶりに浴びてる感じがする・・・・・あぁ、気持ちがいい・・・そこのベンチで休憩するか?」
早川「そうだね、ちょうどいいかも」
私達は散歩コースの途中にある憩いの場で休憩を取る事にしました。
買ってきたコーヒーやジュースをそれぞれ開けて、ゆっくりと足を伸ばしました。
早川「そういえば、警察の末広さんが安否確認ついでにお見舞いに来てくれたわ」
柴田「あっそうなの?なんか言ってた??」
早川「とくには何も。事故して怪我をした私に気を使ってくれているのよきっと。見てよこれ・・・・・だいぶ良くなったけどね・・・・。」
早川は私にこめかみの傷と左腕の傷を見せてくれました。
柴田「早川って白いなぁ・・・・・」
早川「えっそっち?!(笑)」
当然ながら傷に目が行きましたが、本人が気にしているといけないので冗談だとしても敢えて触れずにおこうと思いました。
柴田「部屋で読もうと思ったけど・・・・・」
先程買った雑誌がどうしても気になります。
早川「あー別にどっちでもいいよ。あんたが読みたい時に読んだらいいじゃん」
そう言うと早川は立ち上がって、散歩コースに戻り一人で体操を始めました。
柴田「読みたい時・・・それなら今読んでみよう・・・・。」
私は、先程早川先輩に甘えてコンビニで買って貰った雑誌を開きました。
まだSNSなどの情報は一切見ておりませんが、かなりの騒ぎになっていると噂で聞きました。実際にこの雑誌の表紙にもデカデカと書いてあるくらいなのでそれは間違いないでしょう。
R高校・・・・・私達の学校の龍ヶ丘高校のことか・・・・・。
高校の校門の写真と蛇頭ヶ丘のフェンス入り口の写真がカラーで載っていました。
この写真はかなり気合いが入っています。確かに何年も捕まっていなかった指名手配犯が先日捕まったのです。そりゃ編集者もネタとして書かざるおえないネタなのでしょう。
六人組の高校生・・・・・そうか、俺達のことか・・・・・。
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