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思わぬ出会い


 ようやく私は病室のベッドから動けるようになっていました。佐田さんと話してから、少しずつ元気になっていました。


 病状としては熱が上がったり下がったり、もうその繰り返しでした。下がったと思えばそれは薬の効果であり、また夜になると昼間元気だった自分が嘘のようにぐったりとしているのです。


 時間と共に徐々に本調子の体に戻りつつあり、その大きかった体温の上下が徐々に小さくなってきていました。一時は最高で40度を超えていたものの、今では高くても38度前後です。日にち薬とはまさにこの事でしょうか。本当に少しずつではありますが、落ち着いてきました。


 学校も始まっているので、早く家に戻りたい気持ちがありますが、病気を悪化させてしまった自分が悪いと反省し、夜は熱を出したまましっかりと眠っています。


 私にとって地獄であったこのサイクルに慣れるとは・・・・慣れとは非常に恐ろしいものなのです。


 特に何もする事が無い私は、廊下に出てみました。

 行き交う看護師さんも顔見知りになっている為、気軽に声をかけてくれる人も増えて来ました。



 エレベータの前を通りかかった時、そこには見慣れた顔の女性が居ました。


 向こうもこちらに気付いたようです。




柴田「あっ・・・・・・・・・・・・・」



早川「あっ・・・・・・・」




 私はこんな所で顔見知りに会いました。




早川「なんであんたがここに居るの?・・・・・・」



 向こうはかなり驚いた様子でしたが、こっちはこっちで驚いていました。



柴田「は・・・早川?!元気になったんだな!」



 友人との久々の再会を喜びました。



早川「・・・柴田、検査終わって暇だしコンビニ行かない?」


柴田「いいねぇ、行こうか」


 私達は病衣を着たままエレベーターに乗り、コンビニがある1階で降りました。


早川「担当医から散歩薦められたんだけど、なんか一人だと行く気にならなくてね」

柴田「分かる・・・・昼は元気なんだけど、俺もあんまり出たくなくてね・・・・。家に早く帰りたい気持ちはあるんだけど・・・」

早川「二人なら行けるかな??」

柴田「だな・・・。飲み物でも買って外行ってみるかぁ」


 私達はコンビニに入り、欲しい物を選びました。



柴田「早川・・・・・・これ見てよ・・・・・」

早川「ん?・・・・・・」


 ゴシップ雑誌のような週刊誌・・・・の表紙に『高校生蛇頭ヶ丘事件』、デカデカと書いてありました。


早川「え?ちょっと・・・・これって私達のことだよね?」


柴田「多分俺達の事だ・・・・読んでみる?」

早川「読むって・・・あんた今お金持ってないじゃん。柴田が読むのなら買ってあげる。私は読まないけどね。その代わり荷物持ちをお願いね」


柴田「ありがとう、早川先輩」

早川「こういう時ばっかり(笑)」


 早川は留年しているので年齢的には1つ上でした。

 この雑誌代は・・・またいつか返そう・・・・・。

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