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深い傷

 

 昨日も今日も検査でした。

 治療をしてもこめかみと左腕、そして心に残った深い傷は消える事はありませんでした。


 危篤状態から戻り、リハビリをした成果が出て体はいつも通りしっかりと動くようになりましたが、気持ち的にはまだ外に出て何かをするという気持ちにもなれず、ずっと病院の中にいました。


 医師から病院の周りに散歩コースがあるからと短時間の外出を勧められましたが、『家に帰ってから散歩するので』と伝えて、特に断る理由も無いのに何故かその前向きな提案を断っていました。



 ・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・




看護師「早川さん、どう?調子は?」


 私より少し年上の、若い女性の看護師さんが毎日のように私の病室に来て、体の調子を確認されます。


早川「多分、もう大丈夫だと思います。学校も始まったってお見舞いに来た母親から聞いたし、許可が出ればいつでも帰ります。」

看護師「そっかぁ、それなら良かった。学校のことは・・・・まだ考えなくていいと思うよ・・・・。早川さんのペースでいいからね。まずは体を本調子に戻す事が一番。体が一番だからね」


 そう言うと看護師さんは紙コップにお茶を入れてくれました。私はそれを飲み、毎日恒例の検温を行いました。


早川「他のみんなは元気かな?」


看護師「うん。みんな元気って聞いてるよ。でも具体的な事はわからないのよ。ごめんね。そう言えばお母さんが引き出しの中にお財布入れたと美恵ちゃんに伝えて欲しいって。病院内にコンビニがあるから本とかお菓子とか好きな物買って来たらいいかも。少し気晴らしになるかもしれないよ」


 看護師はニッコリ笑顔でそう言って、病室から出ていきました。



 トイレに行くために自分も病室から出ましたが、財布の話を思い出し再度病室の引き出しの財布を取り出し、病室から出ました。


 洗面台で自分の顔を見ます。


 この傷・・・・・まぁ・・・仕方ない・・・。ちゃんとお化粧しなきゃ・・・・こんな顔でウロウロしたくない・・・・。

 少し気持ちに余裕が出てきたのでしょうか、自分の容姿に気を使う気持ちが私の心の中で沸々と浮かんでおります。


 トイレから出て、財布を確認します・・・。



早川「そういえばコンビニ・・・・あの看護師さんが言ってたし、気晴らしに行ってみようかな・・・・・・でも化粧してない・・・・あぁどうしよ・・・・」



 ボソッと独り言を言いながらこの階のエレベーターの方に向かいました。




「あっ・・・・・・・・・・・・・」



早川「あっ・・・・・・・」




 私はそこで顔見知りに会いました。



早川「えっ、なんであんたがここに居るの?・・・・・・」

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