将来を話すこと
長い長い全校集会は続きます。私達が居た龍ヶ丘高校は勉学が優先です。
ここまで長い全校集会・・・・二年間私はこの学校に通学していましたが、これはかなり珍しいことなのではないでしょうか・・・。
私達は別室の椅子に座ってモニター越しに全校集会を聞いていますが、現地の体育館に居る生徒はずっと立って、全員真剣に稀にしか話さない校長先生の話を聞いています。
校長「彼らは立ち入り禁止場所に入り、良くない行為をしました。そして襲われた。・・・と同時に指名手配犯を捕まえるという社会貢献をやってのけたのです・・・・・・」
そんな固い校長の話の中、乃蒼は警察官になりたいと胸の内を話します。
リュウ「乃蒼さすがだな。お前の腕っぷしならきっとなれるよ。武闘派だもんな本当は」
乃蒼「うん、ありがとう。スポーツテストとか特技ならアピール出来るけど・・・勉強は・・・・高校入学時の全力投球以来ちゃんとやってないからなぁ・・・・まだ出来るかわからないけど、とりあえずなりたい職業の為に頑張ろうと思ってるよ」
修治「しかし乃蒼が公務員目指すのか・・・驚いたな・・・」
和歌「乃蒼がそこまで話したら、私もみんなに話したい事がある」
この場で、和歌も何かみんなに伝えたい事があるようです。
リュウ「あっもしかしてバドミントンの事じゃない??」
和歌「うん、そう。大学推薦がもう決まりそうだったんだけど、バドミントン部がある就職先から去年一件声がかかっていてね。そこに行こうかと思ってる」
修治「ってことは実業団?」
和歌「まぁ・・・そんな感じかな。昔は地方リーグに出場するくらい強かったチーム。でも今は県リーグで一部と二部を行ったり来たりしてる銀行なんだけど。そこのエースの席を狙おうかと私は考えてる。でもそれをするならセレクション合格後に、もう夏か秋頃には向こうの練習や遠征に同行しないといけなくなる。・・・そこが自腹になるからなぁ・・・・バイトしなきゃいけないかも・・・・」
リュウ「それはうちの店でバイトをすれば良いけど、就職して会社に入って・・・・部活だけをずっとやるってわけにはいかないんだろ?・・・・」
和歌「勿論。昼は事務の仕事をしてから、夜中に部活があるから。」
リュウ「そりゃあマジで大変だな・・・・」
乃蒼「でも和歌ならその位の事は余裕でしょ?うちのバドミントン部はインターハイに行くくらい強いから元々環境が厳しいのよ。もう心に決めている和歌ならきっとできるよ。それを・・・こっちの人間にいつ話すの?」
和歌「今日顧問とコーチに私から言うつもりよ。先方の女性コーチから呼ばれて、こっそり何回か練習に顔出してるんだ。自分で決めたならもう、そういう事も含めて全部言わないといけない。セレクション受かったら、キャプテン降りて団体メンバーから外してもらおうかと思ってる。次の職場の事だけ考えて、専念しようと思ってる。スポーツ枠で行くなら、結果出さないと多分クビになっちゃうだろうからね」
こんな大変な事件の最中でしたが、みんなそれぞれ自分の道を見つけていました。
修治「いいなぁお前ら、やりたい事があって・・・・・」
修治は髪をかき上げて、天井を見上げていました。
リュウ「俺もどうしようかなぁ・・・・大学・・・・就職・・・・・・。うー-ん・・・・。」
リュウは未だに悩んでいます。
校長「・・・彼らは無事で四人は今日この学校に戻って来ています。有名人扱い、特別扱い、それはもう彼らからしたら終わった話、どういう思いであの場を切り抜けたのか、蒸し返して思い出させるような行為は迷惑なので絶対にやめて欲しい。同じ学校の仲間なのですから、暖かく接するのが義務なのです。・・・柴田君と早川さんはまだ治療中で、学校に登校が出来ていません。くれぐれも彼らの事を思った行動をとって欲しい・・・・。龍ヶ丘高校の生徒らしく、勉学やスポーツに励み、彼らがまた学校に再び戻って来る事を信じて待ちましょう・・・・。で・・・・・」
修治「・・・・・・・・・・・」
リュウ「・・・・・・・・・・・・」
和歌「・・・・・・・・・・・・」
乃蒼「・・・・・・・・・・・・やっぱ長いな・・・・・」
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