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友人達のメール


 『修治からのメール』


件名:大丈夫そうだな


本文:

 あれだけ大変な事があったのに、みんな生きている。正直、誰かが命を落としてもおかしくない事件だったよな。

 全員、暫くちゃんと眠れなかっただろうし、まずは何も考えず、ゆっくり寝ようぜ。


 あと嬉しいニュースだ。美恵が目を覚まして、今大きな病院で検査中らしい。医者から聞いた。それで何も無ければ退院って話だ。本当に良かった。


 結局の所、柴田が最後まで病院に残っちまいそうな感じだな。和歌が朝まで付き添ってくれてたらしいじゃないか。

 会ったらさすがに表情がお疲れ気味だったから、俺が家まで送っといた。だから心配しなくていい。


 だから何も考えずに寝よう!!また学校でな!!風邪とかひくなよ!!





 なんか・・・あんまり修治っぽくないけど・・・どうしたんだろう・・・。無理してる感じがするけど・・・。



 またみかんを一口食べて、再び未読メールに目を通しました。



 最後は和歌からだ・・・





『和歌からのメール』


件名:ありがとう


本文:

 えいちゃん、私を守ってくれて本当にありがとう。

 もしもえいちゃんがあの場に居なかったら、今頃みんなどうしているんだろうね。

 佐田さんに聞いたら乃蒼とリュウが蛇島の拠点を見つけたらしいけど、もしえいちゃんが「PAST」に居なかったらまだ蛇島は逃げて居ると思うのよ。だから、まだまだ恐怖は続いてると思うんだ。


 えいちゃんや早川は大怪我をしたけど、指名手配犯の蛇島とその関係者は捕まった。

 もっと言えば修治もリュウも怪我はしたのよ。


 『終わりよければ全て善し』とか『蛇島捕まって結果オーライ』とかっていう言葉が私達の事件きっかけて世間では流行ってて今色んなSNSで出回っているみたいけど、私達の心の中には間違いなく恐怖を植え付けられた気がするんだよね。

 それってさ、私から言わせれば、そういう綺麗に片付けるような日本語は全然当てはまらないような気がするんだよね。これって無責任だと思わない?


 実はえいちゃんが寝ている時に、雑誌の記者が私のとこに来たんだ。

 今回の事件について取材をさせて欲しいって事で私に接触して来たんだけど、さっき言ったようなそういう『綺麗に片付けるような日本語』を使ってきたもんだから、「疲れが溜まってて、またにして下さい」って言って帰って貰ったんだ。


 私が取材駄目なら乃蒼やリュウのとこに行くだろうから別にさ、私が我慢して全部一部始終を記者に話をしても良かったんだけど、なんでだろうね。出来なかった。

 なんか私達やロペやサラ、これまでの被害者の事を思うと、虚しくて凄く変な気持ちになっちゃった。表面上でも話そうと努力はしてみたけど、どうしても私はその我慢が出来なかった。

 「記者の方はお元気そうでいいですね」って最後言っちゃった。かなりムッとされたけどね。


 お見舞いに来た修治と唯一会ったんだけど、見た感じは別にいつもと変わらない感じだった。


 でも本当はもうみんな元気じゃないんだよね。修治だけじゃなくて乃蒼もリュウも早川も。全員元の高校生活にこのまますんなり戻ることが出来るのかなっていう不安がある。学校側の制裁もあるだろうし。


 何年か経って私達が大人になった時、いつか過去を思い出すことがやってくると思う。


 その時に人生って良い事が少なくて、嫌な事が多かったなぁってきっとそういう風に思ってしまうんだろうなぁって・・・・。

 大人になった私達は高校生の私達と比べてもっともっと悲観的になっているから、そういう考え方になってると思う。


 だからさ、その時が来たら、その時は私のことを思い出してほしい。

 お互いにその時は、何をしているかわからないけど、本当に嫌になってどうしようもなくなったら何年経っても何歳になっても、お互いの事を思い出そう。

 約束ね、えいちゃん。一人で悩まないで必ず私に連絡してね。近くに居れば必ずフォローするから。


 今は怪我をしっかり直して、また元気な顔でお互い学校で会おうね。

 それじゃあ、おやすみ、またね。

 好きよえいちゃん。

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