必要不可欠な物
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柴田「和歌ぁ!!大丈夫か?!・・・・俺の声は聞こえてる?!・・・・」
和歌「くっ・・・聞こえてる!!・・・・・さっき使ってた爪切りなら私のカバンの中に在るよ!!あの玄関のとこに置いてない?!・・・てかこんな時にそんな物・・・何に使うのよぉ?!?!」
私も必死ですが、和歌も訳の分からない事を私に言われて必死です。今にも扉は壊されそうです。
私は言われた通り、慌てて天井裏から玄関を懐中電灯で照らしました。
足場にしている台の付近に和歌のカバンが見えます。
柴田「あった!!」
和歌「えいちゃん!・・・やるなら急いで!!もう耐えられないかもしれない!!」
「開けろこのやろぉぉぉ!!!!」
蛇島の罵声と、和歌の苦痛な叫びがこちらまで聞こえてきます。
そもそもの扉が頑丈で、家具をバリケードにしているから助かっているものの、もしそれらが無ければ、間違いなくあっという間に蛇島の突入を許していると思われます。
急いで天井裏から飛び降り、和歌のバッグを開けます。
和歌「内部の小さいポケットだよ!!何に使うのよ!!言ってる意味が分かんない!!」
和歌の叫び声で私は爪切りを発見しました。
再度天井裏に登ります。
ミシミシ・・・・・バキッ!!!!!
乗っていた台が完全に壊れました・・・・。
天井4メートル近くの所で宙づりになってしまいました。
なんとか手だけは天井口を掴んでいます。
柴田「おらぁあああ!!!!」
最後の力を振り絞って天井裏に登ります。先日怪我した右腕が悲鳴をあげています。
先程の電気錠コントローラーの蓋をもう一度開けて、切れた配線を目視で確認します。
和歌の爪切りで、切れた配線の被覆を剥こうとします。何度も失敗して、銅線ごと切ってしまいます。
柴田「くっそ!なんて不器用なんだ俺は!というか・・・爪切りだと切れ味が良すぎて、切れすぎてしまう!!」
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機械内で繋ぎあわせられるギリギリの長さの所で、被覆を剥くことに成功しました。
柴田「よ・・・よし!!で・・・出来た!・・・出来た!・・・・出来たぞ!・・・やった!!・・・・」
被覆を剥いて出て来た銅線同士を無理矢理手でねじり込ませました。
和歌「えいちゃん!!急いで!!!バリケードがもうダメになりそう!!扉が完全に壊れてる!!」
頼む!!開いてくれ!!!開いてくれ!!!
私は再度願いを込めて、『強制開錠』ボタンを強く押し込みました。
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