天井
自分の頭の上に点検口があります。これはどうやって登ろう・・・。玄関の天井は高いです。普通に背伸びをして手が届きそうにありません・・・・。
このままではどうしようも無いので私は直ぐに部屋の方に戻り、部屋中を見回しました。和歌が必死で扉を開かせないように、体で家具を押し返していました。
・・・・・和歌・・・・頼む・・・・絶対になんとかしてやる!!
もしかしたらこれが使えるかもしれない・・・。とにかく今の状況で使用出来そうな物を使用するしかもう手がありません。
とっさに部屋の中で目に入ったのは、ポットが置いてある台、これに更にコンセント抜いた冷蔵庫を乗せます。
これで私の身長だと天井に手が届くのには、充分な高さになったと思われます。
冷蔵庫に足をかけると点検口の蓋が見えました。ズボンのポケットの中に在った10円玉を取り出し、マイナスドライバーのように、入り口のフックを外します。
パカンと、簡単に蓋が開きました。
開いた蓋から身を乗り出します。
ミシミシ・・・・・ミシミシ・・・・
冷蔵庫の上に更に私の体重が載った事で台がどうやら限界の様子です。一番下の土台が悲鳴を上げています。
点検口を開けて、懸垂の要領で、点検口内に入ります。怪我をした右腕が痛みますが、気にしていられません。
どこだ・・・・・どこだ・・・・・。どこに操作機があるんだ・・・・。どこかにパネルと繋がっている操作機がある筈だ・・・・。
ぼんやり・・・・真っ暗な天井裏の中で光っているものがありました。とにかく急がなくては・・・・。
柴田「これか・・・・・これがそうなのか・・・・」
私はその光る四角い機械を手に取ります。素人なので機械を見てもさっぱりわかりません。しかし光っているという事は、この機械が停電時であるのに『通電』していることを表しています。
停電中なのに・・・・通電してる・・・・。これは一体どういうことだ・・・・。他に電源が入る何かがあるのか・・・・・。
天井裏に入りその機械の蓋を開けると、基盤とボタンのようなものがありました。
・・・もしかしてここで操作するのか?・・・・・
蓋の内側に『強制開錠』のボタンがありました・・・。
柴田「よし!ビンゴ!!・・・あっ!」
バキ!!!
天井の板を踏み外して思い切り転んでしまいました。ここの天井の板は軟弱で、私の体重であっても簡単に穴が空いてしまうようです。
柴田「いってて・・・・・」
私は転びながらもそのボタンを強く押しました・・・・・。頼む!!開いてくれ!!私は心の底から願いを込めて押しました。
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