押し問答
女性「ですから・・・操作された事が無い方がかまうと危険なので・・・精密機器ですから・・・・・」
柴田「いや・・・・あのー・・・」
和歌「・・・・入って来て欲しくないんですよ?分かりますよね?さっきからずっとこっちはそう言ってますけど・・・・職員さんであれば・・・これが分からないですか?・・・・」
私には和歌の苛立ちが伝わります。
私は停電時の動作確認をこっちでやるから、電気錠のコントローラーの場所を教えて欲しいと女性に頼んだのですが、一向にそれらしい答えが向こうから返って来ません。
柴田「ですからそっちでやっても、こっちでやっても一緒じゃないですか?結局無資格の人間が操作するわけですから。設備担当が居るのなら話は別ですけど、そんなわけないですよね」
私はだんだんと扉の向こうの女性と話しているのがめんどくさくなってきました。
職員なのに、他の部屋の対応もあるのに、ここでこんなに大幅に時間を割いて・・・・・・私から言わせるとますます怪しいです。時間がかかればかかるほど、怪しくなる一方です。
最初は話す時に私の地声が聞こえないように、わざと鼻を摘まんで話していたのですが、摘まむのを忘れて話してしまいました。
柴田「あの・・・・緊急で無さそうなら、ここは良いので、他の部屋行ったらどうですか?」
聞こえにくかったかと思い私は立ち上がって、扉の方に行きました。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「柴田ぁぁああああ!!!!!ごちゃごちゃごちゃごちゃ言いやがってぇ!!開けろって言ってんだろうがコラぁ!!!!」
男の大声と共に扉が物凄い強さで揺らされていました。
ガン・・・ガンガンガン!!
和歌「きゃああ!!!!!」
柴田「蛇島だ!!!やっぱり向こうに二人居たのか!!!」
和歌「えいちゃんの言う通りだったね!!」
扉の前にはありったけの家具を敷き詰めている為、そう簡単には開きません。
私の中では途中から茶化していたので、向こうのいかりは絶頂でした。
激怒しているのがこちらに伝わります。
和歌「私がここ押さえとくから!!えいちゃんはコントローラーを探して!!」
柴田「よし、分かった!!!」
でもどこにある?・・・・コントローラー・・・・・
今の扉越しの女性の話で、停電時でも電気錠を動かせる事が分かりました。しかし肝心な動作させる機器の在処が分からないのです。
懐中電灯を手に持ち、必死にその辺りの引き出しやテレビ台やテレビの裏を探しますが、それらしい物はありませんでした。
そんな中も再び蛇島の罵声が聞こえています。
どこだ?・・・・・・どこにある?・・・・
私は暗闇の中、頭をフル回転させて室内中を走り回りました。
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