夜の公園にて
乃蒼はたった一人、公園のベンチで座っていました。
リュウと修治がここまで来てくれると言われた為、時折和歌の家の方面を気にしながら、そして警戒しながら、座っていました。
柴田と乃蒼がラブホテル・・・・・・さっき・・・・車が勢いよく下の空き地から出て行ったけど・・・・・あれは本当に偶然なのかな?・・・・・。なんだったんだろう・・・・・私としては追いかけてみたい気持ちはあるけど・・・・・先ずは自分の身を守らないとやっぱ駄目か・・・・。
乃蒼の中にある正義感がそのような気持ちにさせているのですが、こっちは一人、移動手段もありませんでした。圧倒的に分が悪い事は分かっている事でした。
乃蒼は遠くに見える川向うの隣町を眺めていました。
ブオォオーン!!!
修治が運転するセダン車が乃蒼が待つ児童公園に到着しました。
助手席からリュウが慌てて出てきました。
リュウ「乃蒼!!」
乃蒼「リュウ!!」
二人は駆け寄り、抱きしめ合いました。
リュウ「よかった!無事で!!」
乃蒼「私は大丈夫よ!それより柴田達を助けに行かなくて大丈夫なの?あっちがヤバいんじゃないの!?」
修治が車を停めてこちらに向かって歩いてきました。
修治「今、警察官が柴田と和歌が居ると思われる『PAST』に向かっている」
リュウ「柴田と和歌はきっと大丈夫だから。心配するな。とにかくお互い無事でよかった。修治が危険を承知で車を取りに行ってくれたから、助かったよ。歩いてここに迎えに来るとなると朝になっちまうから。」
修治「車庫でもし俺の事を襲ってくるのであれば、蛇島が俺を襲って来て欲しかった・・・・。俺が終止符を打つつもりではあったんだ」
乃蒼「それがまさかのロペ・・・・びっくりだわ私もさすがに・・・」
修治を襲った人間がみんな行きつけの古着屋の社長・・・・・
身近な人間までがこのように蛇島に使われているとなると、もう誰が私達を襲って来るのか自分の予想だけでは分かったもんじゃありません。
龍ヶ丘高校の友達やクラスメート・・・るみ先生まで・・・もしかしたら・・・・。学校が休校延期になったのも、今回の私達の事件に関わっている人間が学校側にも居ると考える事も出来ます。
そういう風に考えると全てが怪しい。もしかしたら私達生徒の住所とか個人情報が載ったファイルが既に蛇島の手に渡っているかもしれないのです。家族や私達の生活まで脅かされてしまう可能性だってあるのです。
修治「でも柴田は蛇島に使われているのはロペじゃないと言っていた・・・・・・。今警察署で事情聴取中だが・・・これから一体どうなる事やら・・・・」
修治は煙草に火をつけて、ドカッとベンチに座り込みました。
リュウ「乃蒼・・・その・・・・怪しい車が出発した空き地ってこの公園の下のとこの空き地のことだよね??」
二人はフェンス越しに下を覗きます。
乃蒼「うん、そう。・・・・もしかしたら警察の拠点になっていたかもしれないけど、タイミング的にこの動きは絶対怪しいよね。絶対に怪しい。調べてみる価値はあるよね」
公園から街並はとても綺麗なものでした。このまま吸い込まれてしまそうな夜景をゆっくりと眺めていました・・・・・。
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