暗闇の中、過去を思い出す
停電の中、『PAST』203号室玄関口で私と和歌の二人は閉じ込められていました。
ガチャンガチャン!!ガチャンガチャン!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガチャンガチャン!!ガチャンガチャン!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
扉を揺らす音が暗闇の中でコダマします・・・・・。
和歌「開かない・・・何回やっても扉が開かない・・・・」
柴田「・・・くっそ・・・・窓は封鎖されているし・・・・最悪二階だから窓からでもどうにか脱出出来ると思ったんだけど・・・・」
停電後、暫く時間が経ちましたが全く復電する様子が無く、とにかく私達はこの停電に関して私達を捕まえる為の故意的な物と思い込み、部屋から出ようと試みました・・・・。
しかし出入り口扉にはオートロックの電気錠がかかっており、停電前の施錠状態を保持していました。内側のサムターンは空回りで、現状中から手動で開けて廊下に出る事は難しそうです。
私達が知っている開ける手段としては唯一、室内にあるパネル操作で退出操作しお金を支払った後、或いは忘れ物を車に取りに行くなどで使用する一時退出のボタンを押せば扉の電気錠が動き、施錠から開錠に一時的に変わります。
しかし停電中なのでパネル自体の電源も落ちてしまっています。どうしても操作が出来ないのです。
私と和歌は暗闇の中、何か出口は無いか探しました。このままでは閉じ込められてしまいます。もし蛇島の仕業であればここに乗り込んできます。
和歌「どうしよう・・・・パネル操作しない限り、扉が開かないわ・・・・。えいちゃん、どうしよう・・・・」
私は暗闇の中、『過去』を思い出します。記憶を辿り寄せていきます・・・。
初めてこのホテルを使用したあの日の事・・・・・・。
何か突破口は無いのか・・・・・・。
早くしないとここに蛇島が乗り込んでくるぞ・・・・・。また和歌を危険な目に遭わせる気か?・・・・俺達は狙われてるんだぞ?・・・・。
柴田「・・・そういえば・・・泊まった時に大きな蜘蛛が室内に居たんだよな」
和歌も暗闇の中「あっ!」という表情でこちらを向きます。
和歌「あったね・・そんなこと・・・・よく覚えてるね」
柴田「室内にあったスリッパで叩こうにも高い場所に居たから、どうしようもなかった・・・」
そう、天井が高くてスリッパで払ってしまうと結局地面に落ちて逃げられてしまいます。
柴田「フロントに電話して、殺虫剤を持って来て貰ったんだよな」
和歌「そうだったね、そんなこともあったよね」
柴田「その時、フロントマンはどこから来た?・・・・・どうやってこの部屋に来て、俺達に殺虫剤を渡した?・・・・・」
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