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終末のアポカリプス〜ラグナロクと目次録と終焉と〜  作者: クラスの保冷剤
第1章 巫女の予言
9/20

8、人も機械も探索中②

 探索を始めてからはや一週間が経過した。


 ついでにまだ中心部にはたどり着いていない。

 うん? 遅いって? でも考えていただきたい。

 普通に考えればこれでも早い方だと思う。

 指定Sランク――天災級モンスターの好宝竜(ファフニール)滅竜(デストリードラゴン)がいるんだぞ。

 そんで、もしばったり会ったら終わる。

 ジ・エンドって、怖すぎるわ!

 いや、好宝竜(ファフニール)は巣穴のお宝をくすねようとしなきゃ大丈夫だけど。

 でも、滅竜(デストリードラゴン)はやばい。

 一回会ったが百年目。

 一瞬でコロリだ。


 それ以前にまだ出会っていないといえ魔法対策もしとかないとまずい。

 逃げには自信があるけど――たまに足も速くて魔法が使える、って感じのバランスブレイカー的なやつがいないとも限らん。

 転ばぬ先の杖、というやつだ。



 とはいっても、だ。

 実際魔法対策といえ、何をすればいいのかわからなければ、話は始まらん。

 俺もまだ魔法を使えないわけだし。

 原理とかが解らんと無理、だな。

 ラノベでは「魔力をねるねるねる、ポーーン!!」的な感じだけどな。

 実際はどうなのか。

 魔力を分散させればいいか?

 な、なら早速、


「魔力よ、散れ〜、散るのだ〜」


 ………

 ……

 …


 しかし何も起こらなかった。


 ……だせえ。


 ・

 ・

 ・


「散れい! はーー!!」


 ――サワア


 おお!?

 今、なんか手応えがあったぞ!?


≪確認。〈魔力分散〉を獲得しました≫


〈天啓〉さんの声が聞こえた。

 どうやら成功したようだ。

 魔力分散――その名の通り周辺の魔力を四散させる。

 うーーん、まあ上々だな。


 さて、他にも現状で練習すれば獲得できるスキルはあるだろうか?


 色々と試してみた。

 結果、獲得したのは――


〈魔力集中〉

〈魔硬停止〉

〈魔装反射斬〉

〈紫流魔眼〉

魔力凝縮衛星軌道砲(サテライトカノン)〉。


 一つ一つ、説明しよう。


〈魔力集中〉

 広範囲から魔力を集め、周辺の魔力濃度を上げる。

 これをすることで魔力剣(ソリッドソード)の硬度が上がる。

 高濃度の魔力に揉まれれば魔物みたいに人間も強くなるんだろうか?

 知らないが。


〈魔硬停止〉

 実体化した魔力を空中で固定できる。

 これを駆使すれば某赤いM帽子のおっさんが出てくるゲームと同じものが作れるんだ。

 ただ、疲れそうだし別にやりたくないからやらない。

 次!!


〈魔装反射斬〉

 これは魔力剣(ソリッドソード)を適当に振ってたら、いつのまにか獲得していた。

 剣を振ると斬撃が飛んで、空中で曲がり相手を捉える。

 理屈は……空中の魔力を利用しうんたらかんたら。

 よくわかんない。

 ただ、使用条件があって、これは魔力剣(ソリッドソード)使用中にしか使えないという。

 まあ多分強いんだろう。

 多分な。


〈紫流魔眼〉

 魔力の流れが見えるようになるらしい。

 何故らしいかというと、まだ試してないからだ。

 魔物除けにと使った魔力分散で散っていった魔力がまだ戻ってきていない。

 一体、いつまで続くんだ?


魔力凝縮衛星軌道砲(サテライトカノン)

 ……いや、名前からして怖すぎるだろ。

 なんだよ、これ。

 周辺の魔力を喰らい尽くし、超凝縮魔力弾を打ち出し、また遠距離からの措定座標への弾道型軌道の打ち込みも可能って。

 やばすぎるだろ。

 こんなの封印だ封印!!

 逆になんでこんなやばいスキルがこんな直ぐに取得できるんだよ!?

 理解に苦しむわ!



「と、いうことで――」


 長くなったがそろそろ中心部【奈落の底(セカンドヘイム)】へ向かおう。

 既に準備は整った!!


 ##########


「ピッ……索敵妨害(ジャミング)されました」


「はあああ!?」


 〈濁流の制覇者〉ことコウセイ=センロウは、今日も今日とて、あの厄介な転生者(フォーリナー)のせいで頭を抱えることになる。


「〈亜竜倒せます騒動〉の次は〈富岳〉のシステムを撒くとか……。あいつ、一体何者なんだよ」


「ピッ……周辺の魔力を分散させ、広範囲索敵(フィールドサーチ)を無効化しています。電波索敵(エコーサーチ)が修復すればそんなもの関係ないのですが」


「ほーー、よく解らんが凄いらしいな」


「ピッ……ですが移動速度など様々な情報の確認が終了したので、推定ですが、一応の現在地を表示することができます」


「ついでに……あの、正確さはどれぐらいなのか聞いても……」


「ピッ……98%、自信を持って!!」


「Wow……」


 あの転生者(フォーリナー)もそうだが〈富岳〉も大概化け物だな。

 そう思った瞬間だった。


「ピッ……どうやら対象は中心部【奈落の底(セカンドヘイム)】に向かっているようです」


「あ、あーー……」


 【奈落の底(セカンドヘイム)】に進んで向かう……か。

 ただの馬鹿なのか? それとも勇者か?

 どちらにせよよっぽど少々オツムが足りないのは変わらない。


「ピッ……どのような対応を取れば宜しいですか?」


「引き続き索敵を続けろ。Sエリアから出たらあの〈重力使い〉、えーと……」


「ピッ……フウカ様です」


「そうそう、そいつを送れ」


「ピッ……了解、機関車へ準備を要請。いつでも動けるように」



「了解デス」


 これは〈富岳〉の声ではない。

 これはコウキ=リサンの力作No、2(No、1は〈富岳〉)である魔導機関車からの応答だ。

 なんでも車輪の下の魔力を一瞬だけ実体化させて空中を進むんだとか。

 そんなスキルもあるようだが、スキルを機械で再現するのは大変なんだって。

 さらに〈富岳〉よりはワンランク落ちるが人工魔導頭脳(コンピューター)を搭載しており自立思考が可能、というクオリティーだ。


「機関車、調子はどうだ?」


「良好、イツデモ発着可能デス」


「よし、メンテが必要な時はコウキに言ってくれ。俺にはとてもじゃないが理解できない」


「了解シマシタ」


 よおーし、じゃあ後はみんな〈富岳〉に任せるか。

 もう俺は寝る。なんかこう、精神的に疲れた。

 こんな日は睡眠に限るな。

 それにしても、〈富岳〉相手に索敵妨害(ジャミング)か……

 どうしてなかなか、面白そうな奴じゃないか。


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