新訳 浦島太郎
あらすじにも書いていますが創作の話なので真に受けないでください。
浦島太郎という童話がある。
これを読んでいる読者のご存知の通りに浦島太郎という青年が子供にいじめられた亀を助けて竜宮城へ。
そして乙姫に出迎えられて歓待を受けて帰りに玉手箱を貰う。
地上に戻ると竜宮と地上の時間の感覚が違い浦島太郎の住む村は滅んでいた。
絶望した浦島太郎は決して開けないようにと言われた箱開けてしまう。
すると中から煙が出てきて老人になってしまうという
話である。
日本でも三大童話と言っていいほどに桃太郎、金太郎、浦島太郎は三太郎と呼ばれるほどに人気だ。
だが、ここに1つの疑問が浮かぶ。
童話というものは殆どが勧善懲悪である。
良い事をすれば良いことが、悪い事をすれば悪いことが己の身に返ってくるという教訓を子供に教えるためだ。
だが、この浦島太郎という話はどうだろうか?
浦島太郎は子供から亀を助けて竜宮で歓待を受けるまでは正に己の善の行為が返ってきたといっていい。
しかし、玉手箱を貰い老人になってしまう降りは勧善懲悪の観点で読むとあまりに不自然だ。
家族のことを忘れて遊んでいた為に時間が過ぎ去って実家が無くなっていたという話もある。
だが、それにしては罰が重すぎる上にそもそも亀を助けなければこのような事態にならなかったはずだ。
これは一体どういう事なのだろうか?
実は桃太郎が吉備津彦命、金太郎が坂田金時であるようにこの浦島太郎にも裏の話がある。
浦島太郎が助けたのは亀ではなく、浦島が住む村の近くの港に停戦した貿易船のクルーであった。
彼は助けてくれた浦島太郎に恩義を感じて自分たちの目的の場所で接待することを約束した。
その場所とは竜宮・・・ではなく琉球であった。
彼はそこで満足のいく接待を受けたが1つのことに気づかなかった。
それは琉球は南にあり寒くなりづらいということだ。
季節の感覚を気温で判断していた浦島は自分がどれだけの期間琉球にいるか分かっていなかった。
ある日、家族が恋しくなった浦島は帰ることを決意する。
そんな浦島に対して仲の良かった女性は贈り物をした。
「出来るならば開けないで置いてほしい。
でも、全てを忘れたいと思ったなら開けてください」
と言って箱を渡したのだ。
地元に帰ってきた浦島は驚愕する。
見慣れた光景であるはずなのに村も何もないのだ。
実は琉球で時間の感覚が狂った浦島は気づかなかったが、既に数年が経過していた。
今の時代ほど安全ではないこの時代に村は襲われ既に滅んでいた。
自宅のある場所に戻るがそこも何もなく、老いた母親も見つからない。
あまりのショックに髪が老人のように白くなってしまった浦島太郎。
絶望に打ちのめされた彼は女性に渡された箱を開けた。
中に入っていたの粉であり、舐めれば全てを忘れる事が出来るという説明書きが書いてあった。
彼は全てを忘れる事を望みその粉を舐めた。
すると今までの憂鬱な気分が嘘のように明るい気分になった。
彼は日夜その粉を舐め続けた。
次第に思考力は薄れ、記憶は無くなり物事も考えられなくなる。
ショックで髪が白くなったことも相まってその様子は正に痴呆症の老人のようであった。
賢明なる読者ならお気づきだと思うがこの粉は麻薬である。
貿易船のクルーから浦島太郎の村の様子を聞いて知っていた女性は、彼がショックを受けることを考えて麻薬を渡したのだ。
これが今日に語られている浦島太郎伝説の真実である。
ここで得られる教訓は勧善懲悪ではなく麻薬は怖いものであり、自分自身を失うことになりかねないので止めておいた方がいいということであろう。
マヤクダメゼッタイ。