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転職しました

この村の冒険者ギルドでは、春に新人募集を行う。

対象は満8歳以上の希望者。


冒険者ギルドの新人研修の日、私は8歳児にわらわら囲まれていた。

「おばちゃん、大人なのにギルド研修に参加するの?変なの」

「おばちゃんじゃなくてお姉ちゃん。アレク兄ちゃんのお嫁さんなのよ」

「アレク兄にお嫁さんが!?ホントに良いの?お姉ちゃん、いじめられてない?」


アレク…あんた子供たちにいったい何をしてるんだ…と前を見ると新人研修担当のアレクがニコニコ笑って手を振った。


「あのアレク兄ちゃんがデレデレだ」

「今だったら、ズボンの中に虫を入れても気付かないかも」

「やべーぞ、また村中追いかけられるぞ」


私の同期は相当な悪ガキたちらしい。


「これから全員で村の外に出て神殿まで歩いていく。半日の距離だ。水と弁当は持ったか?」

「ハーイ」と元気のよい返事が聞こえる。


村の入り口で2列に並んで、隣の子と手を繋ぐように指示をされるが私の隣には誰もいない。

アレクがやってきて、私の手をとった。

「みんな、わかってるな。周りを守るコングラ達の外にでるんじゃないぞ。」

「わかってる。魔獣は友達!」と最初に私をおばちゃん呼ばわりした男の子が元気よく返事をする。


子ども達の後ろからアレクと手を繋いで歩く。周囲は私の身長を超えるサイズのでかい猿…コングラに囲まれ…ファンタジーだ。


神殿に付いたら、全員、魔獣使いのジョブを付与された。

私の剣士のジョブが…レベル30まで行ってたのに。


その日は神殿の宿屋に泊まる。

宿屋初体験の子供たちはそわそわしてなかなか眠れないようだ。

腕白な男の子たちは集団でアレクに襲い掛かっては、投げ飛ばされてキャッキャと喜んでいる。


私もあの子たちの年頃で剣士になり、初めての魔獣退治に参加した。

剣を持ち始めてからはずっと負け知らずだった。魔王討伐の旅でこの地に来るまでは。

子ども達が疲れて寝てしまったのを確認したアレクが隣に戻ってきた。

「そういえば、あの時の私の剣、どうしたの?」とアレクに聞く。

「あの後、俺の剣と合わせて打ち直した。今は勇者の剣と言われ王宮の宝物庫にある」

「え?あれが勇者の剣?」

「良い剣だったな。俺とお前の剣は王都の達人と呼ばれる鍛冶師が作った双子剣でさ。俺の剣には岩も砕く攻撃力、お前の剣には強力な守護の祈りがかかってたんだ。それを一つにすると強固な攻守を併せ持つ勇者の剣になったんだぜ」

「じゃあ、最後の方になると全然使えなかったのは…」

「強い魔獣に襲われても怪我ひとつしなかっただろ。すげぇ守護だよな」

「はわわぁ…」


喜んだら良いのか、怒っても良いのかよくわからない。

旅に出る前に父に貰った剣にそんな仕掛けがされていたとは…

アレクがニコニコ笑いながら私の頭をポンポンするので、考えるのをやめて眠る事にした。

目が覚めると、一晩ぐっすり寝て、更にパワーアップした子供達に囲まれていた。

8歳の元気な同期達とアレクと一緒にコングラに守られて村に帰る。


王都一番の剣士ルーシェから、最弱の村人になったあと、

最弱の村人から最弱の魔獣使いになりました。 ← イマココ

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