【これなんて】魔女の憂鬱は留まることを知らない【無理ゲー?】
冤罪で婚約破棄されました。初めまして、元公爵令嬢ですわ。
当事者だけでやってくれればよいものを・・・
卒業式の真っ最中にやらかすなんて、本当に、我が国の王子は後先を知りませんのね。
正直、この国の将来が不安で堪りませんが、この件にかまけている暇はわたくしにはございませんの。
・・・お父様も、友人も、恐れ多くも国王陛下に王妃様も。
みなさまがわたくしの力になるとおっしゃってくれました。
けれど、良いのです。
だってわたくしは知っていました。
この結末を、この物語を。
そして、わたくしが絶対に―――ヒロイン様に勝ってはいけないことも。
そう、わたくしにとってはここからが本番。
世界を救うため・・・悪役令嬢によるセカンドストーリーが開幕するのですわ!
ストーリー
冤罪で婚約破棄された悪役令嬢系女子による、続編でも悪役になって世界を救う物語。
悪役がヒロインに「勝って」しまうと、続編の悪役がヒロインになってしまう。
続編の悪役は下手したら世界を滅ぼしてしまう為、絶対にそれは避けねばならなかった。
そんなこんなで冤罪を受け入れ、続編でも悪役になった主人公。
彼女はしたくもない悪役を演じ、冤罪を受け入れながら、世界を救うため奮闘する―――
題名にもあるように、絶対に何があっても「相手がバットエンドを迎えてはいけない」が条件な、
悪役回避不可とかどんな無理ゲーだwww的な話を思いついたので。
ほら、最近は悪役に爆誕→悪役回避のためにヒャッハーだぜ!が多いから。
それをしちゃダメという主人公に酷い展開に。正直すまん。でも楽しい。
無印でも2thでも、初めは主人公が孤立奮闘→次第に仲間が増える胸熱展開なものの、
相手が攻略対象者と形だけでも必ず結ばれる必要があるため、ある種の茶番劇が繰り広げられるという。
・・・いっそギャグだよね☆
ヒロイン様はちょっとお間抜けだったので、大人組などの上層部が味方(ただし攻略対象はほぼ全滅)。
聖女様はそれなりに優秀だったが、立場に溺れて過激になっていくので、徐々にバレる展開へ。
恋愛色は主人公はマイナスなのに敵の方はデロ甘とか、誰得なんだろうか・・・
聖女と魔女
教会の指定聖人にして、最高権力者。当代には胸に花の刺青が浮かび上がる。
聖女は太陽の神に愛された薔薇の乙女で、その祈りは光の守護を振り撒く。
魔女は月の女神に愛された百合の乙女で、その祈りは闇の安寧を振り撒く。
どちらも重要で、世界の安定のために必要不可欠な存在。
けれど、いつしか闇を司る魔女は疎ましがられるようになってしまう。
それは魔女が、公式の場に出ることが多い聖女を妬み、嫌がらせするようになった所為。
・・・それが真実ではないと知るのは、ほんの一部である。
主人公
元公爵令嬢、兼、現魔女。冤罪を受けて実家に帰されたところ、魔女として選ばれ教国へと渡った。
前世の知識と王妃としての教育とで、聖女と魔女の真実を知っている。
それがどれだけ重要なことか世界の誰よりも知っているので、聖女を苛める魔女としての汚名も望んで受け入れた。
全ては、愛する家族がいる、大切な友人がいるこの世界を守るためである。
ポーカーフェイスで内面を計り難いが、他者への態度は無関心が多い。
反面、懐に入れた人物は大切にし、何があっても守ろうと行動する。
誰かに頼ることがちょっと苦手。自分でできるなら全て自分で済ませようとする。
異性に対しては、長年連れ添った王子がヒロイン様とあーなったのを見ているので冷淡。
簡単に靡かないし近寄らないし、美形には悲しいことに慣れているためへーふーんそう、で?っていう。
教会内では上層部以外、魔女の真実を知らなかったため、ほぼ孤立無援の状態だった。
そこから真実が露見していくが、ゴーイングマイウェイを貫くため他人はヤキモキしがち。
自覚は薄いが人間不信で、家族と一部友人以外は信用していない。
聖女
亜麻色の髪に青と緑のオッドアイの神秘的な少女。愛らしく、その笑顔は多くを虜にする。
他者との距離を取ることが上手く、あっという間に相手の懐に入り愛されるのが得意。
就任して僅か一週間で教会中の人間から好意を持たれたのは、一種の才能でもある。
猫かぶりも上手いが、ちょっとドジで爪が甘い。
そのため、観察が得意な者や常に張り付いている護衛は真実を知ってしまう。
勿論、初めから真実を知っている者には彼女の笑顔は無意味である。
聖女であることが快感で、その行動は徐々にエスカレートしていくが・・・
聖女の騎士
公式の場に出ることも多い聖女のために集められた、身分も見目も腕も良い青年の集まり。
聖女のパートナーとして公の場に出ることもあるし、ダンスを踊ることもある。
多くは聖女に一生を捧げるが、それは名誉なこと。
そのため、貴族の三男、四男等が挙って名乗りを上げる栄誉職である。
不幸なのは聖女に憧れ騎士になったのに、真実を知ってしまった者だ。
知ってしまえば、聖女とは、その騎士とは・・・茶番にしかすぎないのだから。
魔女の騎士
嫌われ者で引き篭もりな魔女の護衛は、優秀であれば身分は問わない。
確実に仕事をこなす者が選ばれるため、選択権の無い者や冒険者が成ることが多い。
とはいえ、仕事は多くない。魔女は基本的に教会から出ないためである。
それが魔女と騎士を守るためのものだと知るのは、一握りの者だけ。
殆どの者は魔女を根暗と称し、聖女を称え、自分を哀れむのだ。
けれど、魔女が魔女である限り、彼らはいつか知るだろう。
誰から魔女を守らねばならぬのか・・・その真実を。
魔女を傷つける人物を、魔女が耐えねばならぬ理由を、教会の抱える本当を。
知った時、彼らは果たして何を選択するのだろうか―――