【悪役だって】公爵令嬢による冒険のすゝめ【冒険したい】
わたくしは努力しました。
生まれてからは、公爵令嬢として。
王子の婚約者となってからは、いつか王妃になる者として。
自国に止まらず他国の知識も作法も、必死になって勉強しました。
わたくしは努力しました。
両親にも屋敷の者にも好かれるように。
美しく、優しく、誰もが憧れる令嬢となれるように。
臣下として、また将来の妻として、王子にも厳しく、優しく接しました。
わたくしは努力しました。
・・・努力、したのです。
それこそ、死ぬほど必死で。
―――だから、もう・・・いいですわよね?
ストーリー
公爵令嬢として王子の婚約者として、それこそ「死ぬ気で」努力した少女が、やって来た逆ハーさんに全て奪われるお話・・・と言うとアレだけども、そこから諸々の重圧に苦しむ逆ハーさんを他所に、他国で冒険者となった元令嬢がヒャッハーする話。
逆ハーさんが王妃教育の辛さに泣いてるのを尻目に、ドラゴンを倒し。
逆ハーさんが他国の言葉を覚えるのに発狂しているのを尻目に、ダンジョンを制圧する。
そう、これは主人公が元自国を絶賛放置プレイして、
今までできなかった冒険を、存分に堪能する物語なのである―――
話の流れ
序章
・卒業PTで断罪というお約束シーンからスタート
・走馬燈的な誕生~今までの回想
・国外追放、ついでにBランク指定の森に置き去りに
・ペットがお出迎え&ドラゴンの出現に暗殺係逃亡→祖国には死亡したと報じられる
・実は主人公はBランク冒険者でした!ドヤァ
・母の友人繋がりで他国に知り合いもいっぱいいます!キリッ
・とりまペットと一緒にほとぼりが冷めるまで森に住むことに
第一章
・気が済んだら迷宮都市まで旅に出る
・道中なんやかんやする
・迷宮都市に到着、仲間と合流
・逆ハーさんは王妃教育で既に瀕死のダメージ!
第二章
・迷宮都市でなんやかんやする
・B→Aにランクアップ
・迷宮を攻略して世界的に名が広まる
・逆ハーさんは精神的に壊れかけている!
第三章
・Sランク試験を受ける
・色々と国を回ってなんやかんやする
・晴れてSランク!どんどんぱふぱふー
・元祖国がようやく主人公に気付く
第四章
・ここでようやくざまぁな展開へ・・・
主人公
公爵家の長女で、見た目がキツイ系美人の中身は日本人。
兄が2人と弟が1人いて、母は既に他界しているため公爵家の紅一点。
そのため、甘やかされて育つが中身が転生者なので、それらを利用して貪欲に成長した。
貴族令嬢として、王妃になる者として、ありとあらゆる英才教育を受ける傍ら、
もしもの未来のために魔法や剣、冒険のための知識も吸収するため、ハゲそうな勢いで多忙。
しかもそれら全てをノリと勢いと死への恐怖とで、文字通り必死に勉強した。
お蔭様で成長促進なるスキルを身に着けたため、努力が加速。
結果、完璧な令嬢でありながら一流の冒険者の卵という、二律背反のハイブリッドが完成。
普段のスケジュールは分刻みで忙しいが、それを感じさせない柔和な微笑みと、とびっきりの美貌、
加えて優しく面倒見の良い性格から大勢の人に人気。
だが、それらは張りぼてであり、本来は自分第一主義かつ欲望に忠実なマイペース。
元S級冒険者であった亡き母の影響を色々と(人格、行動、才能等)強く受けている。
前世からの影響で、魔法とか、冒険とか、世界の不思議とか大好き。
美味しい物とか、綺麗な景色とか、珍しい物とか大喜び。
貴族として生まれた以上役割を果たさなければという使命感はあったので、周囲の裏切りには傷付いたものの、解放されたという喜びも感じていてその反動で「もう関わらないぜヒャホーイ!」と弾けて色々やらかす予定。
ちなみに、自国も愛していたし、家族や王子、友人たちは大切だった。
・・・過去形である。
彼女は味方にはそれなりに優しいが、敵対者には苛烈であることもここに記しておく。
逆ハーさん
桃色のふんわりボブに新緑の瞳の、女神の加護持ちな異世界からやって来た聖女。現伯爵令嬢。
誰にでも優しく、親身で、身分差を気にしない気さくな少女・・・と言えば聞こえは良いが、
ただ単に世間知らずで空気を読めず、礼儀作法もなっていない凹系令嬢。
女神の寵愛による魅了系体質なので、他人が好意的に見てくれるだけ。本人は無自覚。
魅了体質と癒しの能力という特殊性以外は、まったくもって平凡。
基本的に他者が折れて許してしまうので、異世界に来てからは努力とは無縁の生活を送る。
自分を苛めていた人はいなくなったし、好きな人と結ばれて幸せいっぱい・・・
かと思いきや、予想以上な王妃教育に早々に悲鳴を上げる。
実は、王妃教育は主人公が死ぬ気で頑張った所為でハードルが爆上げ。
更に今回、主人公<逆ハーさんな構図にしてしまったので、ただでさえ高いハードルがお察しな件。
元々異世界出身というだけで常識的にピンチなのに、聖女という付加価値もあるせいで難易度はぶっちゃけヘルモードである。これは詰んだ。
王妃を押し付けられる主人公はもう、いない。
自業自得な苦しみに苛まれる日々の幕開けである―――
ちなみに、主人公は逆ハーさんの本名を覚えていない。
王子
主人公の祖国の第二王子。まだ王太子ではないが、次期国王として優秀な王子。
婚約者のことは若干コンプレックス(優秀すぎたので)だが、パートナーとして相手を信用はしていた。
ちなみに、好みから外れていたため親愛はしていても恋愛感情はなかった。
そこに好みドンピシャな逆ハーさんが現れ、身も心も虜になってしまう。
王子としては優秀だったが、異性を見る目はなかった様子(しかも初恋という泥沼感)。
逆ハーさんの言う事を鵜呑みにして、主人公との婚約を破棄するばかりか国外追放を言い渡す。
そして主人公がいなくなってから、彼女がどれほど重圧に耐え、努力してきたのかを知る。
オマケに、逆ハーさんの言っていた虐めは全て冤罪だったことも発覚。
国王と王妃、二人三脚でやって行くところを、お荷物を背負って一人で奮闘する羽目になる・・・
ざまぁwww( *´艸`) をデフォでいく王子の明日はどっちだ!
母
主人公の実母で、序章時点で既に故人。だが、主人公に並々ならぬ影響を与えた人物。
元平民だがS級冒険者で、ものすごく強くて人気があった人。
影響力が強すぎて公爵家との結婚すら許された(ちなみに、恋愛結婚)。
性格は明るく強くマイペースなドS。大事なことなのでもう一回言う。ドS。
彼女のスパルタ教育のお蔭で、主人公は神が操る運命や因果をぶち破って好き勝手できた。
神の加護持ちで努力を怠らない超ド級の天然チート。
1人で国を相手取れるとかどこぞの勇者様ですか貴女は・・・
破天荒ではあるものの母として主人公を支え、前世の件や聖女の件を唯一相談されている。
そのため友人知人(他国の王族貴族含む)根回しは万全。
むしろなんかやらかすようなら、滅ぼしちゃって良し☆とまでのたまった。
自己愛が強く敵に苛烈なのは、確実にこの人の血である。
ペット
もふもふが欲しいと主人公が零した呟きで、色々母がやらかしてペットとなった神獣。
その事件の所為で主人公は死にかけ母は大笑いした(酷ぇ)が、それは置いておく。
本来は3メートルほどの白銀の狼(ものの○姫のモ○的な)なのだが、普段は黒く禍々しい雰囲気のモンスター風を装っている(テイマーに擬態するため)。
性格は冷静かつ温厚で、時に主人を窘めることがあるほど賢い。
元々のスペックと師匠(鬼チートの母)のお蔭で、比喩表現でなしに最強レベルに成長した。
主人公よりも強くなっちゃったが、主人公の事はお気に入りなので問題無い。
常に主人公に寄り添い、助け、支えるパートナーというか、恋愛色がほぼないこの小説内ではぶっちゃけヒーローポジにいる重要人物(?)。
毛並みは主人公が整えているためもっふもふで、良い匂いもする。
ちなみに、師匠と主人に似たので敵対者にはお察し下さい。
祖国逃げて超逃げてー!