プロローグ
このあくむを、あなたに差し上げます。
そうとなえると夢に夢くいバクがあらわれ、あくむだけを丸ごときれいサッパリ食べてくれるという物語。
さて、今日はお前さんの大好きなバクの話を読んでやるから、ちびちび泣いてないでさっさと寝るんだよ。
バクが食べたあくむはどうなったのか。
バクの腹のなかで、チリのように積もったあくむは、やがてバクのからだを中から少しずつ少しずつ壊しはじめる。
ゆっくりと、時間をかけてあくむがバクのからだを支配してゆく。
バク・・・バクバク・・・
それでもなお、バクはあくむを食べることをやめはしない。
バク・・・バクバク・・・
一つあくむを食べたら、目が見えなくなった。
二つあくむを食べたら、口がきけなくなった。
三つあくむを食べたら、手足が動かなくなった。
それでも、バクはあくむを食べつづける。
バク・・・バクバク・・・
・・・とうとう、体内にあふれんばかりに満ちたあくむは、バクをからだごとカケラも残さずにすべてのみこんでしまう。
そうして、たくさんの人を幸せにしたバクは、ひとりだれも知らないところで永遠のあくむという眠りにおちる。
愛しい愛しいバクの物語。
読んでくださって、ありがとうございます!!
未熟者ですが、感想、酷評、何でもお待ちしております。
・・・・ドキドキ