蒼葉アキルの秘密
———一ヶ月後 蒼葉邸 地下一階 大図書館
「暇くさぁ……」
蒼葉邸に来てからと言うものバカみたいに平和だ。
アタシの仕事は特になくただ報酬を貰うだけ。
別に悪くは無いけど暇だ。
結局はこの地下図書館でコミックを読み漁る日々だ。
にしても擬似的な家族ごっこねぇ……最初は嫌悪感が強かったが悪くは無い、か。
朝食をみんなで食べるなんて何年振りだっただろうか……
それはさておき、蒼葉アキルが気になる。
あいつの母親であるオウカは心情が全く読めなかった。
しかしアキルはある程度読めたアイツはアタシじゃ無い何かに怯えてる。
今のアキルはアタシからしたら去勢を張っているように見える。
気になる。
アタシ以上に怯える存在ってなんだ?
……ちょっと探りを入れるか。
暇つぶしがてら1日アキルを尾行してみることにしてみる。
と、言ってもアキルは基本屋敷の外に出ない。
故に屋敷の中でひたすらアキルを尾行する。
気配を殺し、静かに後をつける。
しばらくするとアキルは地下一階の図書館の本棚の本をスライドさせる。
すると本棚がスライドし、その先に通路が見えた。
本の位置は記憶した。
暫くして私は本を動かした。
先程の通り本棚がスライドしその先には近未来的な通路が見え、そこに入って行く。
「研究施設か何かか? 扉は3つ……一番奥の扉だけあからさまに厳重な警備システムっぽい物あり、っと」
なら、当たりは一番奥だ。
お手製のクラッキングデバイスを扉横の認証装置に接続する。
が……
「はぁ?! エラー?! アタシの作った最高傑作でエラーってどんだけ硬いシステムしてるのよ! あ! と言うかクラッキングし返されてる!? ちょ……やめろ! 作るの大変だったんだから!」
「なら最初っからやるなや」
不意に後ろから男の声が響く。
振り返るとそこにいたのは白衣を纏った酷いクマを作った十代の少年……グレン・フォスターだ。
「げぇ……アタシナニモシテナイワヨー」
「どう見てもやってるじゃねぇか! ったく、見つけたのが俺でよかったなさっさと戻って大人しく……
「何をしているのかしら? ケイト?」
最悪だ扉の先から現れたのは蒼葉アキルだ。
この状況で一番見つかりたく無いやつに見つかった。
「ちょっとした出来心でつい……てへ♡」
「とりあえずケイトは今月給料無しね」
「はぁ? なんの権限があってそんなこと
「権限も何も、この館の最高責任者は今は私です。それにクラッキング行為は館の物に対する破壊行為とみなします。以上」
「ケッ、可愛げねぇなぁ……で、なんでそんな怯えてるんだい?」
不意にアキルにそう呟く。
アキルは一瞬目を見開いた後、すぐにいつもの冷徹な表情に戻った。
「なんのことやら、それより私は今から出かけます。着いてきなさいケイト」
「へいへい、護衛ですからねぇ着いていきますよぉ〜」
そんなやり取りをしてアキルに着いて町の商店街にいく。
正直アタシはアキルが苦手……と言うかムカつくタイプだ何でもかんでも秘密主義で常に何かに怯えながら表情一つ変えない……助けを求められない。
そんなイメージがアタシの中にはある。
コイツはなんと言うか、弱かった頃のアタシに似てる。
それが気に食わない。
そうぼんやり考えながら商店街で買い物を終え帰路に着く。
馬鹿みたいに平和なこの町でアタシの仕事なんざあるわけがない。
そう油断しきっていた。
「久しぶりじゃねぇかケイト」
その声にふと振り向く。
そこには大柄の男とそれに捕まえられたアキルがいた。
「ジェン、久々ねぇ。知らないうちにロリコンにでもなった? 死にたくなけりゃその娘から汚ねぇ手ぇ離しな!」
「おお、怖い怖い。クールに行こうぜケイト? とりあえず後ろにある車に乗りな! じゃねぇとお前の護衛対象の頭が吹っ飛ぶぜ?」
「……ッチ! いいじゃねぇか、クールに行こうぜジェン?」
そう言ってアタシたちは車に乗り込む。
案の定だが、車の中にはジェンの部下が乗っており武器の類は全部持ってかれた。
まぁ、簡単に言えば状況は最悪。
アキルを人質に取られた以上下手に動けないし。
武器がなくともコイツらは殺せるがその前にアキルが殺される。
思考を回しているうちに車は予玖土海岸付近にある古びた倉庫で止まった。
アキルは奥の方にある柱に手錠で拘束され、アタシはジェンと一対一の形になるように立たされた。
「さぁて、世界最強の殺し屋が死ぬ世紀のショーの始まりだぜぇ! アッハハハ!」




