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混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ  作者: ラット
ブロウクン・ナイトメア編
46/86

作戦始動!グレン過労!

「さて、もうそろそろいいだろうか?」


 そう言ってリリスとシェリーは客室へと入って来る。


「改めて諸君に頼む。どうか共に人類を救って欲しい! この通りだ!」


 リリスとシェリーは深々と頭を下げた。


「……まぁ、いいんじゃねぇの? 最初は急に連れられてきてムカついてたが、要は人類の危機なんだろ?」


 クレアが言う。


「ええ、それなら私達『教会』は助力を惜しみません。今回ばかりはクレアとの喧嘩も一時休戦とします」


 メリアーナが答える。


日本組(コッチ)も同意見よ、どうあれ人の脅威となる邪神はほっとけない。全力を尽くすわよ!」


「「「「「「応!」」」」」」


 アキル、ケイト、雪奈(せつな)光美(ミツミ)、クリス、グレンは揃って答える。


「そうか……ありがとう諸君! では、早速移動しよう。君達が話している間に『ノア』の第二層から第五層(まで)を対邪神決戦仕様に変化させた。全員中央の巨大エレベーターで移動してもらう。着いてきてくれたまえ」


 そう言うとリリスはみんなを先導して施設中央にある巨大な円柱……巨大エレベーターに案内し、乗せた。


「とりあえず、光美と『教会』の結界奇蹟(きせき)使い達で構成する結界担当班は第三層で降りてくれ。そこからは『ダアト』の指示に従ってくれ」


 リリスの指示に対して光美達は「了解」と答えた。


「残りは全員、最下層の第十層に一旦移動してもらう。その方が話が進めやすい」


 そう言っている間に第三層へと着く。


「では、私達はここで一旦失礼します。皆さん、また後で!」


 光美がそう言うと結界担当班は降りて行った。


「さて、では我々も行こう」


 エレベーターが再び下降する。

 しばし無言の時間が続いた後、最下層である第十層に辿り着いた。




 ———地下超巨大施設『ノア』第十層 高次元万能設計機『アイン・ソフ・オウル』制御室にて




「さて、窓の外を見てくれアレが今回の作戦の重要兵器、その名を『アナンタ』と言う」


 そう言ってリリスが窓の外の全長25メートルほどのロボットを指差す。


「おい、グレン? あれやったのアンタでしょ?」


 突如アキルがグレンに対して威圧感に満ちた声で語りかける。


「いや、そうだけど! お嬢が問題視してたことは全部解決してるじゃん! 現に『アナンタ』が無かったら人類は詰んでたかもしれないんだぜ?」


 グレンは必死に弁明する。


「……まぁ、一理あるわね。こっちに維持費はないわけだし。まぁ、いいでしょう」


 アキルは意外にも普通に矛を収めた。


「さて、君達にここに来てもらったのは他でもない、武器のアップデートの為と『アナンタ』の存在を知ってもらう為だ。クレア、静葉(しずは)、ケイト、雪奈、君達の武器を邪神にも効くようにアップデート……即ち邪神特効の魔術式を付与させてもらう」


 そう言ってリリスが指をパチン、と鳴らすと4つの大きめのカプセルが現れた。


「ここに武器を入れてくれ。あぁ、後、安心して欲しいために言うが武器自体に変化は起こらん。あくまで対邪神特効の魔術式を組み込むのと武器の耐久力を上げる魔術式を組み込むだけだ」


 リリスがそう言うとクレアと静葉は首にかけていた待機状態の聖装を、ケイトは魔改造二丁拳銃と複数本のナイフをカプセルに入れた。

 しかし、雪奈だけはカプセルに武器を入れるのを躊躇(とまど)っていた。


「どうした?」


 リリスが問う。


「この刀は母の形見なんです。だから……」


 雪奈はどうしても刀を手から離せない。


「なるほど、わかった。なら、こうしよう」


 リリスが指を弾くと全てのカプセルが再度収納される。武器が入れられたカプセルは淡く光っていた。


「私自ら君と共に魔術式を組み込む! それでどうだ?」


 リリスが放った言葉に雪奈は困惑する。


「……出来るんですか?」


 雪奈は怪しみながら質問した。


「出来るとも、これでも私は職人(クリエイター)気質なところもあるんだ。なにより、君が納得できる条件でやりたいんだ!」


 リリスが雪奈の瞳をまっすぐ見て答える。

 そこに嘘偽りは無いことを雪奈は魂で理解した。


「……わかりました! 一緒にやりましょう、リリスさん!」


 雪奈はリリスの手を握る。


「よし、だが少し待ってくれ。残りの配置を決めてからだ。アキルとクリスはこの後第五層へ向かってくれ。クリスは『アナンタ』の操縦練習並びに実戦練習をシュミレーターでやってもらう。アキルは私と一緒にある修行をしてもらう」


 その一言に対してアキルは質問する。


「リリスは雪奈と武器を強化するんでしょ? 私とは無理じゃ無い?」


 ふふ、とリリスは笑いながら指を鳴らす。

 瞬間、リリスは二人に増えた。


「「私達はこう言うことも出来るのさ! 無論他人も増やせるがね」」


 アキル達は絶句した。

 最初の激怒の際にリリスが地球人類でないのは確信していたが、まさかこんな芸当ができるとは思わなかった。


「さて、アキル、クリス行くぞ」


 そう言うと増えた方のリリス……リリスBは二人を連れてエレベーターへと向かっていった。


「さぁて、後はグレンお前だ。さっき『ダアト』から仕事内容は聞いただろ? そしてわざわざ()()までして分体が作れることを見せた。後はもうわかるよな?」


 リリスの言葉を聞いてグレンの顔が青白く染まる。


「お前を10人程度に増やすから5人で邪神研究、残り5人で『アナンタ』を対邪神決戦仕様にアップデートしろ。それと()()()()も作ってくれ」


 サディスティックな笑顔でリリスは告げる。


「ぜってぇ嫌だ‼︎」


 グレンは叫ぶ。


「貴様の意見は求めていない。やれ」


 パチン、とリリスが指を鳴らすとグレンが10人に増える。


「安心しろ、10人全員オリジナルだ再統合(とうごう)時は混ざり合うから誰がオリジナルかなんて気にしなくていいぞ! ただ、その際にひどく負荷がかかって死にかけるかもしれんからメリアーナ、彼の回復を頼む。それと3時間おきに1時間、統合兼休息とする様にしておいた。それならギリギリ死なん。と言うことで頑張ってくれたまえ、グレン」


 グレン達は絶叫する。

 何故いつもクライアントがクソみたいなんだと。


「鬼! 悪魔! 人でなし!」


 グレンはリリスに対して暴言を吐くが……


「そりゃ、私は異星人(エイリアン)だからな。だが、君を信頼してのことだ。頑張りたまえ」


 そう言うとリリスはグレンF〜Jをエレベーターに詰め込み第二層へと送っていった。

 しばらくしてリリスは第十層へと戻って来る。


「さて諸君、仕事を始めようか!」


 皆が各々やれることを必死に始めた中、グレンだけは泣きながら仕事を始めた。


「あら、グレンちゃん! 泣くほどお仕事が楽しいの?」


 シェリーがグレンに茶々を入れる。


「んなわけ、あるか! こちとら『ダアト』に仕事内容見せられた時「あれ? 明らかに人員足りなくね?」とはなったが、こんな酷い仕打ちを受けるとは思ってなかったよチクショウメ‼︎」


 キレながらもグレンの指先は止まることなく新しい『アナンタ』の設計データを黙々と作り上げていた。


「仕方ないだろ、ここの技術を使えるのは私とグレン、君しかいないんだから。それに私が無理に増えて倒れでもしたら、せっかく弄った時間の流れが元に戻り詰んでしまう。私は3人までならどれだけ無理しようと問題ないが今はもう既に上限まで増やしてしまったからな」


 リリスの答えにグレンは疑問を投げる。


「3人? 今2人しか増えてねぇじゃんか!」


 そう、今ここにいるリリスと第五層にいるリリス、グレンが確認しているのはその二人だけだ。


「第二層に追加で一人置いてきたんだよ。いかんせん邪神研究は君の苦手分野だろうからね。まぁ、そう言うことでこれ以上私は増やせない。理解したかね?」


 リリスはそう告げた。


「そうかよ、チクショウ‼︎あぁ‼︎こうなったらやれるだけやってやるよ‼︎グレン様を舐めるな‼︎」


 一気に火がついた様にグレン達は『アナンタ』の再設計を進める。

 細く痩せこけた様な長身のマネキン人形然とした見窄(みすぼ)らしい見た目の鉄人形だった『アナンタ』を邪神さえ凌駕する最強の黒鉄(くろがね)の機神へと生まれ変わらせるために……

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