第6話 始まった僕の恋
彼女に恋をした僕。
そうなるともちろん彼女に会いたいと思う気持ちがあふれてこぼれそうになる。
図書館に行けば彼女に会える。
2週間前に借りた本を返却するために図書館へ行った。
彼女はいるかな?
興味のありそうな棚へ行った。
そして1冊の本を手にとると、椅子に座って読むことにした。
その時、聾唖者(耳の聞こえない人)と手話で話している彼女を見た。
その人は確かに手話ができる彼女に助けられただろう。
僕は本を開き読み出した。
どれくらい時間が経ったか定かではないが、そんなに長い時間ではなかったと思う。
彼女は僕を見つけると横に座った。
手話で『こんにちは』と明るく微笑んだ顔が眩しいくらいだ。
彼女はメモ紙をポケットから取り出し『お会いできてうれしいです』ときれいで読みやすい字で僕にメモを差し出した。
僕も差し出されたメモに『こんにちは、僕も会えてうれしいです』と書いた。
『ゆっくり本を読んでいって下さい』とさらさらとメモに書いて微笑みながら立ち上がった。
彼女は筆談に相当慣れているのだろうなとメモを見ながら感じた。
そして筆談は本当に疲れるものだと痛感した。
僕は本を借り、図書館を出た。
彼女に恋をした僕はすうっと頬を撫でる風に吹かれながら筆談の大変さに参りながらも彼女に恋をしている自分自身を苦笑しながら自宅へと向かった。
どうなる?僕の恋…。