第16話 いつもの年と違う?
僕はタクシーを下りると、すぐにロッカールームへ行き看護服に着替えた。
寒い中で列を作る患者、正月休みで殆どのクリニックが休んでいるため、この病院を頼って来るしかないのだ。
医師や看護師の数も不足している。
先ずは熱を計り全身状態を診て、軽い患者と重い患者を分けて医師にまわす事が必要だ。
何故だ?今年のインフルエンザは比較的若い患者が多い。
座り込み、震えている患者を列から車椅子に乗せ、前列へ運ぶ。やはり熱が高い。医師の点滴の指示に従い、救急病棟へ移動させる。
看護師の数が足りないため、救急病棟もたいへんである。
出勤してくれた看護師は必死に患者を振り分け、医師の診察の指示に従う。
列の人数が少しずつ減り、外は寒いが患者皆が中に入り僕は少し息をついた。
救急病棟へと向かうと、やはり人手が足りていない。点滴をされた患者がまだ震えている。布団!布団!の看護師の声が響く。
一人の患者の呼吸が荒い。
丁度1階で診ていた医師が1人救急病棟へ上がって来た。
「酸素マスク、点滴が効いてきいて来ないようなら直ぐに連絡を」と言うと、また1階の患者さんたちのもとへ戻った。
救急病棟では、患者から目が離せない時間が続く。
何人かの看護師が出勤して来てくれた。
重症の患者を任せると、僕はまた1階へと下りた。
医師は殆どの患者の診察を終えていた。
僕は救急病棟へと階段をかけ上がった。
患者一人一人に「大丈夫ですか?」と声をかけながら看て歩いた。
先程の酸素マスクが必要な患者も点滴が効いて落ち着いて来ている。
ふと頭をよぎったのは「雪って白くてきれい」と言った彼女の姿だった。




