11話 転生者の存在
今日は2日目のトーナメントだ。
昨日グリムと酒場に行った、もちろん酔えはしないが、雰囲気は楽しめた。
今日の試合は一応午前中に終わる予定らしい。そして明後日で優勝者まで決めると言っていたな。どうせなら優勝しよう。
我は17回戦目だ。
時間を調整してきたからか、ちょうど今16回戦目だ。
「よう!」
いきなり声をかけられた。
「誰だ?」
「お前がルクシスか?俺は次の対戦者のシブヤ・トーマだ。よろしくな。」
「あぁよろしく頼む。」
どうやらいい奴みたいだな…
「戦闘に自信があるみたいだが、勝つのは俺だ!!そして女の子といちゃいちゃと…おっとなんでもない。少し口を滑らしてしまったようだ。それじゃ!」
言いたいことを言ったから満足したのか、どこかに走り去っていった。
前言撤回、少し腹が立ったな…力差を教えてやろう。
「17回戦シブヤvsルクシス!よーいはじめ!」
『時間停止』
ほう、これがやつの固有能力か…
残念ながら効かないな。時無の極神眼のおかげか時間系の能力は一切無効化してるらしい。だいたい時間操作系は下位の存在にしか効かんというのに…
「くっくっくっこれでしまいだ!」
勢いよく剣を振り下ろす、が…
「どうした?」
「は?お前なぜ動ける?!」
「これが本物の時間停止ではないからだ。」
「そんなわけないだろう!!」
『時間操作《停止》』
「これが時間停止だ。どうせ意識があるのだろう?周りの空気や微生物の動きすらも止める、これが本物だ。」
炎魔法を超手加減し、消しとばす。そして時間操作《停止》を解除する。
「な、何が起きた…」
「一瞬で試合が終わってしまったぞ…」
「し、勝者ルクシス!」
この会場内に我達以外も動いてる奴がいた…トーマや観客は気づいていないだろうが確かにいた。
とりあえずグリムと相談だな…
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「俺の異世界チートが…女の子とのいちゃいちゃライフが…消えた…」
シブヤ・トーマは日本からきた異世界人だった。
日本で蜂に刺され、雷に打たれ、トラックに轢かれ、灯油に引火し、灰になって、異世界に転生してきたのだ。
女神に預けられたチート、と言われる能力は時間停止。
全てを止める最強の能力、のはずだった。
「だがあの男には通用しなかった…よし!弟子入りしよう。」
男は清々しいほど諦めがよかった。
「あの学校の入学試験受けに行ってよかった…これはなんとしてでも受からなくては!」
そして…
「あんた道の真ん中でうるせぇな!もっと静かにしろや!」
男の独り言はうるさかった。
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