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部屋の神  作者: CLLK
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22

「さて…と、それでは始めますか、あぁ…へんに手加減したり、時間切れを待つなんて事はしないで、全力でいくから安心していいよ」


そうシグルドに告げる夕は、先程までの自分が散々考えていた"騎士道"とやらに、内心(何それ、装備に侵され過ぎぃ)等と思っていたりもするが、体育会系だった頃の名残りか、自らの命を賭けて迄戦う相手を弄ぶつもりは無く、どちらかというと、"受けて立つ"という感覚の方が強かったりもする


しかし、夕の言葉を聞いたシグルドが[安心と言うなら、さっさと負けて貰えませんかね…]等と、あくまでマスターを救う事を目的としいて、夕自身に拘っている訳では無いと思っているとは、夕には思いもよらない事だった


[…?!、……どういうつもりですか]


そんな詮無き事を思考しながらも、攻撃の準備をしつつ油断なく夕の一挙手一投足をつぶさに観察していたシグルドは、夕が手を払う様な仕草と共に周囲に展開していた兵装を消し去った事に、一瞬[まさか…通じた?!]と思うが、直ぐに[何を馬鹿な…そんな事を期待するなど、随分人らしい思考になったものです]と内心自笑しながらも怪訝な風に夕へ問いかける


「え?、あぁ…別に舐めてる訳ではないから、ただ…」


問いかけられた夕は、どう説明しようか迷う様な仕草を見せたあと、おもむろに浮遊するシグルドの真下を人差し指と中指の二指で指差すと、掌を上に向け指していた二指をシグルドの方へ"クンッ"と曲げる


[ナッ!?]


"ドン"


夕の指の動きと同時に起きた真下からのいきなりの衝撃に、吹き飛ばされたシグルドだったが、衝撃を受ける前に予め用意しておいた圧縮したエーテルを夕に向け放っていた…のだが


「ついでに!」


"パンっ"


"クンッ"と曲げた指を夕がそのまま"ピッ"とエーテル弾へ向けるだけで、其れは簡単に破裂して消えてしまうと


「…こんな感じなので武器を使う必要がない…というかこの状態で活かせる武器の方がまだ無いというか……」


夕は、そう言ってちょっとがっかりした様子を見せたのち


「そんな訳で、武器を使わないのは決して貴方を舐めてる訳じゃないからっ」


拳を打ち合わせてシグルドを見つめると


「ではっ、時間も限られている事ことだし…行くよ!」


"ドンっ"という音を残して消える


[…きャぁ!]


"何処に?"と言う間もなく、眼の前に現れた夕の拳に因って、左手を装甲ごと粉砕されたシグルドが初めて悲鳴をあげる


「随分と可愛らしい声を上げるのねっ!」


[クゥゥ!まだっヤラれません!]


肩を押え、左手を一撃で持っていかれた事に驚愕しながらも、微笑を浮かべた夕が引き戻した拳を構えこちらへ向けて繰り出そうとするのを、全力でシグルドは回避するが、制御を無視した出力で回避した為、無意識に抑えていたドライブが臨界を暴走を始める


「いけません!シグルドっ!「ヨイっしょぉ!」クッ…このっ!」


異変に気づいたフレイアが紅子の猛攻に晒されながらも掛けたの静止の声も、暴走したドライブのせいでこれまで身体の一部一部で起きていたエーテルの変換が身体全体で起こり始め、そのショックに耐えるシグルドには届かない


[あぁァァァ……!それでもっ…!]


コアや焼き切れる程の演算を用いて、なんとかエーテルを制御下に収めたシグルドは、夕に向い既にエーテル化しオーラブレードの様になったアロンダイトを振り降ろす


[崩壊が止められないならっ!せめてお前だけでもっ]


「ハッ、なんのッ!」


力任せに振り降ろされるオーラブレードを、夕が白刃取りに受ける


「くぅぅ…やるぅ、これは…紅一さんに匹敵するかも…」


自らの身体に掛かる圧力から、誰かさんの兄との模擬戦を思い出す夕だったが


「でもまだ、負けた事無いんですけどねっ、私!」


そう言って、挟んだままのオーラブレードを斜めに倒し、がら空きになったシグルドの身体へ蹴りを叩き込む


"パンッ"


[ぐっ…今更ダメージのひとつや2つッ、どうせ…既にほとんどが変換済み…なのだから!]


シグルドは胴体を破壊された事などお構いなしに、貫通した夕の足を、そのまま素早くエーテルで固定すると、失った左腕の部分へエーテル化したエクスカリバーの砲塔を暴走状態で召喚するとその砲塔を夕へ向け


「うえッ?!」


エクスカリバーの事などすっかり意識の外に追いやっていた夕は、意識外の物が現れ、しかも現れたソレが既に臨界状態っぽい様子に、おもわず間抜けな声を上げる


[一緒に死ねぇぇ!]


ブレードを離した手で砲塔を固定し叫ぶシグルドと、


「硬気功(極)!」


自由になった両手をクロスガードに構えた夕の間で、エクスカリバーの暴走に因るエーテルの爆発が起り、シグルド諸共、夕は爆発に飲み込まれるのだった


・・・・


「くっ…シ…グルドぉぉ!」


眼前に六角形に配置したビットに因って増幅された紅子のメガ粒子砲の様な攻撃を、崩壊するシグルドと同程度のエーテルを纏ったフレイアが、盾にエーテルを更に集中させる事で耐えきってみせる


「えぇぇ…コレも耐えるの?!……コレって、あの爆発より強力な筈なんだけど…」


紅子は「ハァハァ……見事です…シグルド」等と、こちらを警戒しつつもシグルドの起こした爆発を視界におさめてそんな事を呟くフレイアが、そこまでのダメージを負ってない事を見抜くと多少げんなりした様子を見せると、爆発の方へ向く


「……範囲を絞ってあるのかな?…それに…アレはエネルギーが尽きるまで断続的に続く感じ?…まぁ…こっち迄影響が無いならナンでもいいけど……っていうか、アンナマリー…」


そう言って、爆発の考察をしながら何にツボッた紅子は肩を震わせていた


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