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部屋の神  作者: CLLK
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20


「グおぉぉぉ!ギィィィざまぁ!」


「ヒヒッ!その装置なぁ……漂う魂魄の力をとり込めば怨念の黒炎に因って焼かれる様に、ウチが呪ってやったんだよ!」


機体の各所から黒炎を吹き出す呂布と共に、自身も呂布の吹き出す黒炎に巻かれている筈の詩乃だったが、自分と相性の良い死霊術をメインで用いた術であったせいか、吹き出す黒炎からは何の影響も受ける様子の無い調子で正宗を保持し続けていた


「ソレが集める力が魂由来ってのは、死霊術を極めたウチには直ぐ解ったけぇな、あそこの男とやってる最中から対策立ててたん…だよっ!」


そう言った詩乃が、正宗を引き抜くと同時に呂布の背部にある推進機の一つを切り裂くと、距離をとる


「グおっ!」


「チィィ!かてぇんだよ…クソ眼鏡…」


本当は肩ごと片腕を持って行こうとしたのだが、術の定着にリソースを回してた正宗では、呂布のバーニアを1基切断するのがやっとだった


「何にせよ、アレだけじゃあコアをやるまでには至んないじゃろうし…やるか…」


切断した場所から新たに吹き出す黒炎を見て、其れでも呂布の融合したコアを破壊するには至らないと見て取った詩乃は、確実にソレを為すための準備に入る


刀を担ぎ左手をかざした詩乃の前に、空間を歪め黒玉が現れると「擬態しろ」左手に自らの魔法で付けた傷から流れる血を黒玉に与え、そう命令する


詩乃の血を取り込んだ黒玉は、その命令に従いその姿を黒一色に塗装された詩乃のフィギュアの様に変える


「チッ…まだ因子が残っとる」


正宗を含めた装備までをも詩乃を模した黒玉だったが、唯一、胸だけが本人と違いローブを押し上げるほど大きく主張しているのを見た詩乃は、黒玉の素材の素になった変態の映像を思いだして一瞬苦虫を噛むが、構わず黒玉の額の中へ指先を潜り込ませる


「……コアは…大丈夫、汚染はない……シッ…並列思考……同調完了」


黒玉と自身の並列思考との同調を終えた詩乃は、指を額から抜き去るとチラリと呂布を見やり「まだ、大丈夫……んじゃ、やるよ…」片膝を突き此方を睨んで動けずにいるのを確認してそう呟くと、纏っていた霊魔を収め目を閉じる


「さて…問題は、ウチに五郎のおっさん程の素養があるか…どうかじゃけど…」


隣で黒玉が、膨大な魔力を纏い出すのを感じながら深く集中した詩乃は、「フゥゥゥ」と息を吐き体内に慣れない気を練り始めた。


「くぅぅ…久しぶりにやるけど…やっぱ、慣れんな…」


普段、相性の良い魔力と霊力を用いて戦う詩乃は、本人の意識として、自分の気質が陰気な魔術師的な何かという感じの認識が強いのか、気というなんとなく陽な感じのする力を使うと、嫌悪感の様なものを感じてしまうのだった

ちなみに仙という職業とスキルを高レベルで取得している為、素養という部分に関しては詩乃は五郎を超えているのだが


その素養に裏打ちされる様に、高密度の気を身体に纏う事に成功した詩乃は、次に、今の状態の気に霊力を混ぜ合わせ始めるが


「おぉ…!おぇ…これ、無理ィィ……」


霊力を混ぜ合わせ始めた瞬間、一瞬感じた全能感の直後に訪れた耐え難い悪寒に詩乃は霊力を収める


「がはッ……ヤバい、ヤバい、ヤバい…今のはちょーヤバかった……やっぱぶっつけ本番は……けどっ、どう……!?これなら…」


2つの力を混ぜ合わせるにの掛かる脳への負荷に因って感じる悪寒と、融合が進むにつれ希薄になっていく自我を思い出し冷や汗をかく詩乃だったが、魔力を纏い佇む自分の義体を見て何かを思い付くと、左手の気力をなくしその手で義体を掴むと霊力を注ぎ始める


「イケるっ……けど…補充はできんから…一っ、いや…二回が限度か…」


充分な霊力を注いだ詩乃が手を離すと、黒玉に繋いだ並列思考に因って魔力と霊力が融合する


「よし、よし……っ!チッ、時間かけ過ぎた。まぁ案の定、同化を選んだみたいじゃけど…ちょぉとっ遅かったなぁ!」


左手の気力を戻し、今度は霊力では無く魔力を気力と混ぜ合わせた詩乃が前を向くと、黒炎を二対の翼に変え四つん這いになった肥大化する胴体が頭部を飲み込もうとしている呂布の様子が目に入る


「フフッ、残念ッ、でした!」


呂布の変化中の姿を確認した詩乃は、素早く正宗に魔気を纏わせ駆け出すと、自身の間合いの外から刀身沿いに伸ばした魔気で二対の翼を根元から斬り裂いた


"ギィィィィ"


斬り裂かれた根元から、詩乃が魔気に込めた概念が光となって翼を侵食すると、"カッ"一際強く光った後、キラキラと残照を残して消え去った。一方、胴体の方にも同様に光が侵食しようとするが、肉体の危機に一時的に変体を止めた呂布が、取り込む怨念の量増やし生成と消滅のせめぎ合いが起きている


「フゥ、上手くいった。さしづめ…ニフラムスラッシュってとこかな。おっと、あんまり時間無かったんじゃった」


技の効果に満足した詩乃だったが、並列思考に依る黒玉の霊魔の保持に限界がある事を思い出し、動きを封じた呂布を一気に屠ることにする


「先生と五郎のおっさんも生き残ったし、多分イケるっしょっ!」


霊魔を武器に纏わせ担ぐ様に上段に構える黒玉と、呂布を挟む位置に移動した詩乃は脇構えに正宗を構え、霊魔に合わせる様に魔気を纏わせると、黒玉とタイミングを合わせて呂布へ斬り掛かった


「はあっ!」


せめてもの抵抗に呂布のビットが斬撃の軌道上へ割り込むが、ソレを容易く斬り裂いた二本の刀身はそれぞれが呂布を斬り裂き、やがて融合したコアと取り込んだ魂魄ドライブの在る胸部付近で衝突した


「しゃあ!………って、やば…」


衝突した魔気と霊魔が、詩乃の予想通り対消滅の様なエネルギーを生み出し、物質と共に怨念等の霊的な存在を消滅させる様に、詩乃は歓喜を上げるが、予想外というか予想通りそのエネルギーに自身も巻き込まれたのだった………



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