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部屋の神  作者: CLLK
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日本の某地区に有ると聞いたダンジョン…と言うには普通の施設だったけど…において一週間の研修を受けた後、自宅に転送された僕は早速言われてた事を確かめる事にした


「ふぅん…あそこの人?達が言ってた程は感じ無いけど結構制限されるんだね、いきなりこっちに送られてたらもっと其れを感じてた訳か…でもまぁ…成長してるからか強化しなくても素の儘で元の身体よりは動けてるし……アイツ等に感謝は絶対しないけど……」


ひとまず魔力を使わず素の力だけでいろいろ動いて見ると、説明されていた通り向こうに居た時に比べると全然動けない事が分る


「さて…次は魔力を…って……ぐぬぬ、此れは厳しい、でもっ」


暫くいろいろ試していて気づいたけど、こっちでは気を使って身体強化したほうが効率が良いことに気づくけど…


「そう言えば紅一さんが確か……拓真殿、気や霊感なんかの地球の人が元から備えている能力に関しては魔力に比べて制限がだいぶ緩いんで御座るよ……って言ってたんだっけ……はぁ浮かれ過ぎてたよ、いやいやっ、実際にやってみて気づくって事にぃ意味がある訳だし」


ウンウンと頷きながら気持ちを入れ替えた僕は、「ウハっ!規模チっさ!」等、言いながら今度は魔法をいろいろ試して此地での感覚を掴んで行った


「ふぅ、だいたい解ったかな……クックック…負荷十倍の修行パートって思えば……ククっ、向こうに行った時が楽し……ん…えっ?クマ…のぬいぐるみ?」


テンションが上がって少しトリップしていた僕は、視界の端にドアの隙間からコチラを伺う様にして佇むクマのぬいぐるみが映った事で現実に引き戻された


[お兄ちゃん……動画で分かってたけど重症だね…]


「えっ、夢愛?……でも…クマ?」


ぬいぐるみから聴こえる久しぶりの妹の声に、混乱から僕が固まっていると、トテトテと二足歩行でぬいぐるみが部屋の中に入ってくる


[お兄ちゃんが帰って来るのは聞いてたから、今日はお休みにしてみんなで待ってたんだよ。

でも、お兄ちゃん全然帰って来ないから、心配で様子を見に来たの!そしたら家族に会いに来もせずあんな……夢愛…悲しいよ、グスン]


「……嘘泣きはいいよ、それより、その格好は何?」


妹の声で喋るぬいぐるみを眺める内に思考が復活した僕は、現状の限られた情報から素早く仮説を組み立てると嘘泣きを続けるぬいぐるみに話し掛けた


[グスン、グスン、えっコレっ?凄いでしょ!名づけて傀儡の術カスタムっ!]


僕の問に、そう言って胸を張るぬいぐるみ…


「いや…端折りすぎ……まぁいいや、って事は術名からしてそのぬいぐるみは今、夢愛が操ってるって事だよね?……それにしては滑らかに動くよね?…だとすると何処から………」


[ちょっと、お兄ちゃん!自分の世界に入らないでよっ]


傀儡と聞いて、自分の思うイメージとは合わないぬいぐるみの動きについて考え始めた僕に文句を言って妹は説明を始めた


[戻ってきた?んっ、では説明…フギャ!お…お母さん…いきなりヒドい…ひッ、分かりましたっ!…あ〜お兄ちゃん、お母さんが直ぐ降りて来いだって……じゃあ、そういうことでっ!]


そう言ったきりパタリと倒れて動かなくなったぬいぐるみを見てこのあとの事を考えた僕は、自分の頬が引き攣るのが分かった………


・・・・・・


「はぁ…まさか夢愛だけじゃなく家族全員が職業持ちに成ってるなんて……しかも、母さんに至っては僕より強い可能性まであるし……なんか納得いかない」


僕は今、久しぶりに登校した高校の教室にて、机に突っ伏したまま昨日の事を思い出していた


あの後、僕の鼻面に包丁を突き付けたまま微笑む母さんに謝り倒した後、僕が居ない間の事を聞いた


母さん達が言うには、僕が行ったあの報復の後、現場に倒れていた僕達三人は病院に搬送されたらしい、それで馬場と蒲生は意識不明の重体、僕は軽症という事で治療後、警察から軽い取り調べを受けてから迎えに来ていた母さんと帰宅したらしい


「貴方は誰で、ウチの子は何処かしら…」帰宅後、始めから違和感を感じていたらし母さんがそう僕の格好をした誰かを問い詰めると、その誰かはちょっとびっくりした顔をしたあと眼の前で、母さん曰く呪印みたいな模様がバランスよく身体に配置された厨二感溢れる灰色の長髪の美少年、に変化する

すると、その少年は「フフッよく解ったッスね、でも、その説明は家族が揃ってからッス」と言って勝手にリビングで寛ぎ始めたらしい


事故の連絡を受けていた父さんが早く帰宅すると、シモンと名乗ったその少年が「では始めるッスよ」と口頭で経緯の説明をしていくに従い、父さんは「そんな事が本当にあるのか」と訝しげに、夢愛はシモンさんの姿に目を輝かせていたらしい


「おっ、丁度第一弾の編集が終わったみたいッスね……よッ……言葉だけじゃいまいち納得いかないと思うッスから…ちょっと全員スマホを見るッス」シモンさんに言われる儘みんながスマホを見るといきなり頭の中に動画のサムネイルの様なものが在るのが解ったらしく「目を閉じてクリックして見るッス」との言葉通りにやってみると、僕が黒猫から説明を受けて職業やらを選んでいる処やあの異世界に興奮してヒャッハーしている様が動画で見えたらしい…


「ウフフ…あの姿を見たらさすがにお母さんも、息子を返してとは言えなかったわ……それに殺るんなら最後まで自分で責任持って殺って欲しかったのもあるしねぇ…」


そう言って微笑んでいた母さんが言うには、取り敢えず息子が元気過ぎる程に生きて居るのを確認した家族は、話し合いの結果、相手に協力する事にし、代わりとして定期的な僕の動画の提供と、自分達にも同じ様に力を授ける事など幾つかの要望を飲んで貰えたらしい事と、あと父さんが忙しそうにしていて、自分が出来ない訓練に明け暮れて楽しそうな母さんを、羨ましそうに見ていた事ぐらいだった


ちなみにシモンさんは、前日までそのまま家族の面倒を見るついでに僕として生活していたらしく、高校にも通ってくれていたので僕としとも出席日数や単位のどうこうが無くて助かりました。

でも、馬場達と一緒に僕にちょっかいを出していた残りの二人が僕を見て怯えるのは、シモンさんが絶対何かしたのだろう


「そろそろ……かな」


「ヒッ」


回想を止めて時間を確認するために顔を上げると、さっき疑問に思っていた二人の片割れ吉田と目が合うが、やはり彼は顔を引き攣らせて慌て目を反らしてしまう


「ほんと…いったい何したんだよ……っと、あと一分かぁ…今度は何する気なんだろ?」


昨日ひと通り話し合ったあと落ち着いた処で、父さんから「明日、正午丁度からあの方達が何かやるらしい……」そう父さんから告げられた、

何があるのか僕達が聞いても父さんもに何が起こるのかは分らないらしく、挙句には何かを思い出したのか


「相手は神だぞ……何とかしろ?出来るかっ…あの議員達がどうなったか見ただろっ!……好き勝手言いやがって……いっそ辞めてやるか…紛争地帯にでも行って拓真みたくヒャッハーするのも……うおっ、す…すまん、私としたことが……」


母さんに嗜められる迄、ブツブツと独り言を呟く父さんを僕が思い出していると


“ガーガーピー”“ピピッピピッ”


いきなり放送用のスピーカーや各々の持ってるスマートフォンから音が響き出した


「何だ?放送か…オイッ!お前達、学校では携帯の電源は…」

「何でっ!切ってあるのに!」

「嗚呼っもう少しだったのに!何だよコレ!」

「オイッ、黒板になんか映ってるぞ!何だ?宇宙…映画か?」


皆が騒ぐ中、誰かの黒板、という言葉に全員がそちらに目を向けると、其処には宇宙の様な場所を流れて行く隕石から高速で移動している様が映し出されていた


[いつの世も戦争は続いている、いつの世も………]


「な…何だこれは……っ!銀英伝…だと…」


黒板へ振り返った先生が、スピーカーも無いのに聞こえ出したクラシックとナレーションに固まっている間も映像は続いて行き、とある惑星が画面の中央に見えだす頃には音楽とナレーションも終わりカメラの移動スピードもそれまでに比べてゆっくりになる


すると今度は、見た事は無いけど聴いた事はある有名な映画の曲っぽく聞こえる音楽と共に字幕が流れ出した


「今度はスターウォーズかよ……」


またしても呆然と呟く先生はいいとして


「これ…スクロール速過ぎて、普通の人は全然読めないと思うんですけど…」


結構な速さで流れていく字幕を読みながら僕はそんな事を思った


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