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部屋の神  作者: CLLK
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7

「静かになった……おっ、声がでる…なら」


声が出せる事に気づいた拓真は、ならばと自身の感触を確かめてから目を開く


「う〜ん………あっ…すいません…なんか不味いですか…」


目が開くのならと、腕を挙げて上半身を伸ばすと、コチラを伺う黒猫と目があった


「別に構わないニャ、そのままちょっと待っとくニャ」


そう言うと黒猫は前列に残っていた老人の方に向く


「シロちゃん」 ❲ミッ❳


黒猫がシロちゃんと呼んだ白猫が虚空を見上げると、中空に何処かの風景が映しだされる


「あっ…」


「ニャ、やっぱりそうなったかニャア…まったく、節操が無いニャ…」


そこは、日本では見たことも無いような広大な草原で、よく見ると見覚えのある制服を着た女が蹲っているのが拓真には分る


[ほら、xxxくんとどめを刺してあげて…ね…]


[うわぁぁぁぁ!]


画面外から聞き覚えのある女の声がすると、男の叫び声と共に蹲る女の身体が小さな竜巻の様な物に巻き込まれると、全身をバラバラに切り裂かれた


[おえぇぇ][うっ…おえっ]


「あ〜…なるほど…」


カメラ?が切り替わったのか、今度は、制服の娘に其れを為したであろうゲームキャラの様な格好をした男女が、ボトボトと散らばる人体を見て嘔吐しているのが映し出される


その後、何やら会話をすると唐突に抱き合いキス迄した二人は、バラバラにした死体をそのままに何処かへ向けて歩き出して画面から消えた


「女の人って怖いね…」


拓真は去り際に女の方が見せた、嘲笑を含んだ様な蔑んだ眼を思い出して独り言ちる


「アレって影じゃ無かったのかな、ん?………ワオッ」


暫くして、身体がバラバラに散乱しているのに、その場に残る影の様なものが気になり見ていると、影の中からバラバラにされた筈の娘が裸で這い出して来た、拓真は一瞬、眼を反らすべきか考えたが、肝心な所が映らない絶妙なアングルに構わず見続ける事にする


❲うむ、なかなか見事な桜色ニャ❳


「及第点…といったところかの」


「えっ!見えてるの!?あっ……」


黒猫の言葉に思わず口に出してしまった拓真が気まずそうにする


❲なんニャ、見たいのかニャ?そんなに見たいのニャら、ほら、隣の娘ニャんかもう少しで見えそうニャよ❳


拓真の方を見た黒猫にそんな事を言われた拓真が、思わず隣へ視線を向けてしまうと、其処には確かに裂かれた服の隙間から形の良い胸が覗いていた……のだが


「……ひっ、すす、すいません!さっ先は見えてませんから!」


身体と重なるように居た半透明の女性が、氷の様な冷たい視線を自分に向けているのが目に入った拓真は、焦ったのかよく分からい事を言って頭を下げる


(死ね……それで、そろそろ説明して欲しいのだけど?)


半透明の女性からキツイことを言われ「うぐっ」と項垂れていた拓真は、女性が黒猫に問いかけるのを聞くと頭を上げる


❲まぁ、待つニャ、では刀夜氏、アレ頼めるかニャ?❳


女性にそう返し、老人に対し画面を指差す黒猫に釣られて画面を見ると、さっきまで裸だった娘が黒っぽいライダースーツを着てカーキ色の外套を羽織る処だった


「そういう事なら…まぁ愚息には向くまいて、うむ、では報酬分の仕事はしようかの」


❲助かるニャ、それと、こっちである程度魔力を馴染ませたニャから、その辺は省ける筈ニャ❳


「承知した、では、行くかの」


❲了解ニャ、得物はどうするかニャ?❳


「なに、此れが有れば十分じゃ」


立ち上がった老人が、黒猫に向けて持っていた杖で地面をコツコツと鳴らすと、足元に魔法陣が現れ老人の姿は消えて行った


❲ズレは無いみたいニャね❳


その言葉で、魔法陣を見るのに夢中だった拓真が画面を見ると、二人が消えた方に歩き出していた娘の近くに老人が現れる処だった


「あ……なんか女の娘の方が、老人に襲い掛かった様に見えたけどいいの?」


❲待たせたニャ❳と、拓真達の方へ向き直った黒猫に合わせる様に画面も消えるが、拓真は最後にチラっと見えた光景が気になり尋ねた


❲ニャ?あの爺ニャら問題ニャいニャよ、シロちゃん頼むニャ❳  ❲ミ〜❳


(何をっ……)


白猫が鳴くと自分の眼の前に現れた、ゲームのステータス画面の様なものに気を取られていた拓真は、隣から聞こえた声にチラリとそちらを伺うと、それまで其処に存在していた身体が消えて半透明の女性だけが残されているのを確認する


❲動かせる身体がニャいとニャにかと不便ニャから、その準備ニャ、生き返るニャら自分の身体の方がいいニャ❳


(……そんな事よりこの男をどうにかさせてもらう方が嬉しいのだけど……それで、私は何をしたらいいの?)


背筋の氷そうな声で話す女性に、恐々しつつも画面から目が離せない拓真を置いて話は進む


❲お前たち二人にやって貰うのは生存競争ニャ❳


(はあ?そもそも私、死んでるんだけど、何を言っているの?)


❲ニャ?そんなの蘇生するから問題ニャいニャ、ちゃんと聞いてたかニャ❳


(……確かに、生き返るとか言ってたわね…でも、そんな簡単に…)


❲話を進めるニャ、簡単に言うと、二人はそれぞれ此方が用意するフィールド内でお互いの相手と殺し合いをして貰うニャ❳


「殺し合いって、もしかして……」


聞き捨てならないキーワードが耳に入った拓真が、画面から顔を上げ黒猫に問う


❲そうニャ、相手はそこで固まっている三人ニャ!それぞれ誰が相手かは、解かるニャよ?❳


拓真は空を仰ぎ「やっぱり…」と嘆くと、隣から(フフッ…フフフ…)と暗い笑い声が聞こえてくる


❲ニャニャ、相手も解った処で細い説明をしていくニャ、敗北条件は簡単ニャ、死ぬか半年間の間に一回も相手を殺せニャい場合は、残念ゲームオーバーニャ❳


(フフフ……一回も?)


同じ様に拓真も気になった事を、半透明の女性は黒猫に問う


❲そうニャ、言葉からも解かるように相手側は殺されても復活…とは違うニャ、進化または強化された後、再配置されるのニャ!❳


「それ、相手が有利過ぎない?」


元の強さや強化のされ具合で話は変わってくるが、殺されても復活出来るだけでも有利なのに、しかもその度に強く成るのならいつか必ず此方が負けるだろうと、拓真は思い黒猫を非難する


❲チッチッチ、ニャッ、その辺りのバランスはちゃんと考えているニャ、まぁ…取り敢えずは説明を最後まで聞くニャ❳


そして、その後は黒猫の説明を基に、拓真と半透明の女性は、生存競争に勝つ為、そして復讐する為に入念に準備を整えると旅立って行った……………


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