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部屋の神  作者: CLLK
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「ぬぅおぉぉ……マジかぁ……くそぉ無駄にcpを使っちまった……誤算だったぁ、まさかポイントとcpの互換性が無くなるとは……」


左門がメインシステムの画面を弄りながら、終わったばかりのバージョンアップの確認もそこそこに目的の項目を選んだ処、今まで出来ていた自身のキャラクターポイントとシステムのクリエイティブポイントとの相互の互換性が無くなっている事に気づいた


正確にはpからcpにはタップする矢印さえ消えていて、逆の場合には矢印は残っているのでタップは出来るが、試しに1万程cpを消費してもpは増えなかった


「チッ…交換率を気にして先延ばしにするじゃ無かった……」


何回かのバージョンアップの末、バージョンアップ毎にポイント同士の交換率の差が徐々に縮まっている事から、ポイントに関して苦労して来た左門達は「❲『どうせやるなら等価になってから』❳」と全会一致で決定し、現状、必要に駆られる事も無いので、自身やシモンの能力向上の為にcpに依るポイントの増加を控えていたのだった


それが、彼等の予測では今回のバージョンアップで、ようやく交換率が等価になるという事で、前日から

「取り敢えず身体関係は全部マックス迄上げてぇ…」

『あっ、それなら此方もコイツをッスねぇ……』

「では、私はナノマシン経由で……」

等と三人で盛り上がり、本日さっそく行動に移した訳だったのだが結果はお察しの通りだった


「はぁ………取り敢えず、他チェックするか」


名残り惜しそうに画面を操作する左門は、目的の画面で今度はログのチェックを始める


「えぇぇと……サブルームとシモンネットワークとの接続も大丈夫……信仰システムの構築も……問題無さそうっと、各種リンクなどなど……あっ、最後にあるじゃん、なになに……能力が規定のポイントを超えた為、以降はメインシステムの保護の観点からポイントの変換への制限が発生しますぅぅ!なんじゃっそりゃ……えげつねぇな…」


以降にはpからcpへの変換が消滅したことや、cpからpへの変換には1pにつき最低1億cpが必要と表示されていた


「詩乃達が集めたcpがだいたい5億だろ、これは諸々で消えるから……」


座っていた椅子の背もたれにもたれながら、左門があれこれ考えている処にシキとシモンがやって来る


『どうッスか?振り分け終わったんなら代わって欲しいッス』


「何やら考え込んで……その感じだと上手くいかなかったのですか?」


「あぁ…実は……………」


事情を知らない二人に左門は、自身が確認した事実を説明する


「それは……また、想定より早かったですね」


『そうっスね…』


「え?予想しとったわけ?」


左門から説明を受けた二人が、残念そうにしながらも仕方が無いと諦めの雰囲気を出している事に、この事態を二人が予測していたことが伺える。しかしそれは、今、この時ではない


「えぇ、と言っても私達の予測では、今回大量に手に入るポイントで能力を上げれば、何処かで上限を迎えるだろうというで、今の段階でそういう制限が掛かるのは想定外ですね」


『そうッスね、これは…やっぱり自分らが想定していたより能力値自体は大分低そうッスね』


「…………つまりどういう事だってばよ」


話の流れから左門自体なんとなく予測は出来ていたが、自分の考えを話すのが面倒くさいのと、二人が説明したそうなので話を促す事にする


「はぁ……いいですか、1つ聞きますが神(最下級)のスキルを得るのに必要な条件は?」


「そんなの、知能(真)を200以上で神力の有無だから、魔力、霊力、気力がそれぞれ100以上だろ、あぁ…そこはアイテムなんかに頼ってもいいのか……後は何らかのイベントで獲得すんじゃねぇの?俺等はcpで取得出来たけど」


シキに問われた左門は、当時の❲私❳としての記憶から推察した条件を答えるが


『そうッス、自分も先輩もずっとそう思ってたんスけど…』


「実は其れ、特に知能の能力値に関しては、最下級では無く下級の取得条件なのでは無いかと、向こうで自称神のシモンの残り滓とやり合った時に思いまして」


シキとシモンは、サウドという存在からその条件に違和感を感じたようで


「あぁ、あの散々お前におちょくられた、シモンの残り滓な」


『グッ……』


「拙いながら神力を使い、堕ちた後にパワーアップして神力を使わなくなった事から神なのは間違い無いのでしょうけど…」


『あの条件を前提にするッスなら、最下級にしても弱過ぎるッス!オマケに自分の一部を取り込んでた癖にまったく持って不甲斐ないッス!お陰で此方は残り滓、残り滓、言われて迷惑ッス!』


所々に含まれるディスりに言い返せ無いほど、シモンから見ても弱過ぎたサウドが、三人が前提にする条件を満たしているとはとても言えなかった


「つまり?」


「つまり勘違いしていた我々は、せめて下級の神に対抗出来る様に能力を鍛えた結果…」


『能力的に、いつの間にか中級の神の領域に迄、達してしまっていたって事ッスね…』


「と言う事はあれか、最下級だと思ってたが、実は結構初期から能力的に俺たちは下級の神並みだったって事?でもって、頑張り過ぎた俺等はいつの間にか中級並みの能力値に至っていたと……ついでに此処のシステムは中級未満の範囲ならスペック的にローコストで能力の上昇が行えて、それ以上だとシステムへの負荷の影響でコストが跳ね上がるって事か?……なんじゃそら……」


勘違いとはいえ鍛えた能力は中級の神に達し、しかもcpは使用目的に事欠か無いとはいえ、楽しみの一つ…尚且つ一番長く我慢していた事のオチに何とも言えないものを左門は感じて嘆く


「ほらっ、何時までも嘆いていても仕方ありません。それより本題に入りましょう。左門、バージョンアップはどうですか?」


ポイントの事が衝撃的過ぎて、本来の目的を忘れている左門に対し、シキは肩を叩く事で促す


「あぁ…一番問題だった信仰システムも大丈夫そうだし、他も概ね予定通りだろ」


『自分も諸々の接続準備は出来てるッスよ、予定cpは、約……3億ッスね』


「私の方も、アルファからガンマまでの各惑星のゲートへ、順次接続を開始してます」


厨二っぽいやり取りに、先程までの鬱蒼とした雰囲気を消し、三人はニヤリとほくそ笑む


「では、我々はこれから次のフェーズに進む……すまんが、皆の命をくれ」


『「ハッ」』


そう言って、敬礼した三人は暫くの間、ニヤニヤと同じ様なやり取りを続けるのだった……



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