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『フッ…さぁ!見るッス、このバージョンアップされたボデーを!』
❲ハァ~…っ!ナァ〜……ニァオ❳
転移によって俺の部屋に戻った俺達は、事前にシキに言って新たに用意しておいたドアを開け、これまた新たに設置したダミー用の部屋に入る
そこでは、ブーメランパンツ一丁でJOJO立ちをし、今迄より筋肉質になった身体をクロに見せつけるシモンと、それをヤレヤレとリアクションして呆れてみせる、何故か猫人という様な姿のクロがいた
❲ンッ、ナァ!❳
俺とタケヒコを挟む形で最後に部屋に入ったはずの紅子が、いきなりクロの背後に現れクロに抱きつく
「はあ〜モフモ…フは…、あまりしないけど、かわいいね〜、ん〜…うわっ」
紅子が抱きついた状態で、クロの耳あたりに鼻を押し付けグリグリとしていると、クロは、ドロッと液状化して紅子の拘束から抜けだすと
❲フーッ❳
猫モードになり紅子を威嚇する、その様を見ていたシモンが紅子を確認して呟く
『んっ?、ん〜、はっ!出たッスね…2次元のエロを3次元に体現する女…』
「フッ…」その呟きが聞こえたのか、紅子は服装を整えながら立ち上がり
「秘技…どれだけ動いてもバンツを見せないスカート術」
そう呟くとその場で演舞を始める、多種多彩な蹴り技や宙返りなどの動きと共にロングのスカートも派手に動くが
「なるほど…全く見えんっ」
秘技と聞いては、俺も見ない訳にはいかないからなと、注視していたが本当に見えない…シモンもしゃがんだりしながら、なんとか見てやろうとしているが『グヌヌ…』などと言う事は、見えないのだろう…が、その時
「っ!」『見えたッス!』
紅子が上段への回し蹴りを放った瞬間、今迄だと絶妙に隠れていた部分がほんの一瞬だが見えた、声を上げたと言う事はシモンにも見えたのだろう
「えっ、うそ!」と紅子は、演舞を止めスカートを押えて恥ずかしそうに顔を赤らめる
『フフン、このシモン様にかかれば、こんなもんッスよ、しかしなんッスか、あれじゃあバンツじゃなくてスパッツッスよ!か〜、期待し……』
シモンがバンツじゃなくてスパッツだった事に、あれこれ文句を言ってるが、俺が見たのは紛れもないバンツだった、しかも結構攻めた感じのやつだ
俺はシモンに教えようと話し掛けようとして、ふと、紅子を見る、すると俺に対し恥ずかしそうにしながらも、意味ありげな笑みを浮かべるのを見て、教えるのをやめた
『ハハッ、何だよっこの場所…力が…力が溢れてくるよ!』
俺達の寸劇の間、黙っていたタケヒコが急に元気になる
『これなら…』タケヒコが呟くとボワッと霊力を溢れさせる
『ククッ、今迄の我に対する所業…後悔させてやろう…』
オオ……と、タケヒコが溢れる霊力を再度吸収するように取り込むと、それに合わせて成長するように大人台の大きさになると髭を傭えた中年の姿にかわる
成長が終わると最後に、はぁ!と気合を入れると半袖、半ズボンの格好の上から具足を纏い剣を履く
『ふう、んっ?どうしたぁ、このタケヒコノミコトの本来の姿をみて声も出ぬかぁ、はぁっはっはっは…』
「「『❲くっ(ナっ)…………❳』」」俺達全員が、半袖半ズボンのおっさんへの笑いを堪えているのを、己の威圧に怯んでいると勘違いしたタケヒコは、満足気に高笑いを始める
『どぉれ、女ぁ先ずは貴様から痛ぶってやろう…』
紅子の方に向かいそう言って、タケヒコが剣にてを掛けようとすると
ガチャ、っとドアの開く音が響き
❲いや、お待たせし……なんですか?、この愉快な変態は❳
おそらく新しい義体なのだろう、インテリっぽい眼鏡を掛けスーツを着た、キザったらしい長身の男に扮したシキが、部屋に入って来たなり眼の前のタケヒコを見て毒を吐く
『…貴様!我はっ…』
新たな者の登場に、一瞬警戒していたタケヒコだが、シキの言い様に激昂しかけるが、シキが、スッと、待てとばかりに掌をタケヒコに向け黙らせると
❲あぁ、そういうのはいいです、どうせこの部屋の異能の仕様の違いに勘違いでもしたのでしょう?…❳
そう言って、クイッと眼鏡を上げる、インテリといえばとこれっという仕草で語るシキに
『死ねぇぃ!』タケヒコは鞘から剣抜き振りかぶると、シキに向けて振り下ろす
『ぬぅっ、何者だっ!』
ギンッとシキとタケヒコの間に、剣を装備した夕が割り込み攻撃を受ける『ぐっ』が、全力では無いだろうが、それなりに力を入れたタケヒコの攻撃は、自前の身体強化だけでは夕には予想外に威力があったのか、押し返せずにいる
『我の一撃を受けるとはっ、よかろう、先ずはオヌシから殺ることにしよう、ぬんっ!』
「ぐぅ」タケヒコの圧が増し、夕は徐々に押し込まれだす
「調子に乗るな!このへんた❲ふむ…ユウ、フル装備でやりなさい❳っい…えっ」
いまだ押し込まれている夕に、シキから指示が出るが
「いやっ、あれはその…ぐっ…このっ」
❲ほらっ、ユウこのままでは負けてしまいますよ?❳
『クヒヒィ』と笑みを歪ませ、剣を押し込むタケヒコに複雑なものを感じつつ、状況を見守っていると、夕は観念したのか
「う〜わかりましたぁ…」とシキに答え「お前せいだぁ!」と最大まで高めた身体強化で剣を振り抜きタケヒコを弾き返す
『なにっ!』とたたらを踏みながら体制を立て直すタケヒコを無視して夕は
「こうなったら速攻で…」などと呟きながら装備を展開していく、
「わぁドレスアーマーみたいになってる〜」
夕が、いままでの装備と変わったメカっぽい雰囲気のドレスアーマーを装備する
「おいっ、貴様の様な変態が、我が敬愛するシキ様に手を上げるなど万死に値すると知れ、私自らの手で貴様の行いを必ず後悔させてやる」
髪も銀色になり耳もエルフの様になり明らかにキャラの変わった夕が、タケヒコ向けて新たに装備した短槍を持ち、顔を覆う女性っぽい雰囲気のフェイスマスク越しに言う
❲くぅ、これは…結構くるものがありますね…しかし此処で辞めさせても意味がありませんからね…ふぅ、さぁ、ユウ…魅せてみなさい❳
その夕の言動に羞恥心的なものをかんじるのか、シキは顔を押え苦々しく呟くが、意を決したように夕に命じる
「はっ、仰せのままに!」
『遅いわっ!』シキの言葉に夕が短槍を構えようとする前に、タケヒコが剣にオーラの様なもの纏わせ斬り掛かってくるが、
『なにっ、ぬおっ!』不可視にして待機させていたであろう、持って使うには小さい浮遊する2枚の盾と2本の剣が、タケヒコの攻撃を防ぐと同時に反撃すると、その姿を現す
「フッ変態が…身の程を知れ…」
夕は、穂先を魔力で強化して、体制の崩れたタケヒコの胴へ突きを放つ
『ぐあっ』鳩尾あたりを押さえて片膝をつくタケヒコに
、装備によって引き上げられた自身の能力を、更に解放することで装備の各種ギミックが作動し、解放モードとでも言うような姿になると、追撃の姿勢にはいる夕だが
「次で終わり……っ、はっ、ではそのように…」
シキから何か指示があったのか、解放を止め通常モードに戻るとタケヒコに攻撃を始める
「そらっ!このまま手も足も出ずやられるつもりか?、まぁ貴様のような変態には、まったくお似合いだがなぁ!」
弄ぶようにタケヒコが反応出来るぎりぎりの速度で、夕は攻撃を続け、タケヒコは防戦一方になる
それでもなんとか力を溜めたタケヒコは
『調子にのるなぁ!』
タケヒコから霊力が溢れると、細かく分裂し夕に向かうと、各々がいろいろな術?に変化し襲いかかる
しかしその術は、夕の周りを浮遊する盾がビームシールドの様に障壁を展開するとオートで防いでしまう
❲…なるほど、なかなか良いデータが集まってますよ…正直、霊力についてはいまいち定義が定まってないですからね、ユウ…解ってますね?❳
その攻防からデータを取っているらしいシキが、さらなるデータの為、夕に念押しすると、「解りました」夕がそう答え、戦闘を長びかせる為、防御に徹していると
『『イィィィアァァァ…』』タケヒコと、その背後に霊力が人型に集まったものが同時に叫ぶと、人型が憑依するようにタケヒコを融合していく…
『ゆるさぬ…ウラァ〜』融合の終わったタケヒコは一回り大きくなり、ひざ丈だった半ズボンが女が履くショートパンツみたいになり、半袖シャツは胸辺りが裂ける
「うわぁ〜、某フレディみたい…」
顔もハーフっぽくなり、体毛も濃くなったタケヒコを見て、紅子がぼそりと呟く
タケヒコは床に手をつき何やら唱えるが
『ぬぅ、口寄せが出来ぬ…ウラ』
何かを呼び出そうとして、それが出来ないとわかると
『ならば…ウラ』自らの胸毛を掴んでブチブチと引き千切ると、フゥ〜と胸毛を吹き飛ばす
「この、変態セクハラ野郎がぁ……」自分の近くにまで飛んで来た胸毛を、短槍に過剰ともいえる魔力を込め振り払う夕、余程不快なのだろうアーマーのギミックが展開しかかっている
それ以外の毛が、10体近いタケヒコの姿に変化した、何故が分身は剣ではなく金棒を持っているので、本体との見分けがつけやすい
『ゆくぞっ…ウラァ!』そう言うと、タケヒコ達は一斉に夕に襲い掛かる
短槍と浮遊する剣と盾を使い、タケヒコ達を凌ぐ夕は、時折「はい」とか「了解しました」など言うと、金棒を持つ分身をさまざまな方法で攻撃する
それ以外は、基本、防御に徹するようだ
そんな攻防が暫く続き、分身の数も半数を切った頃
『おのれ〜、舐めおって!…ウガ〜』
己が弄ばれいる事に気づいたのか、悔しげにそう言うと、分身含め夕から距離を取ると、分身の姿が某フレディからパンイチの最後の戦いの某市長にビルドアップすると、自分は元の中年の姿になる
『喰らえぃ』タケヒコの霊力が怨念の様に変わり、和弓を形取ると、剣をつがえ夕に向ける
残った5体の分身は、各々に霊力で作り上げた、怨念渦巻く岩を振り上げ夕に向けて投げつける
『鬼岩の陣』
霊力で作られた岩を夕が迎え撃とうとした時、タケヒコの弓から剣が矢の様に放たれる、放たれた剣はその場で消え、ハ×ー達がの放った岩に刺さる形で現れると、岩がキューブ状にばらけると剣に追随して夕を囲う
「お〜ちょっと格好良いかも」
剣を頂点にピラミッド状にキューブが展開すると、紅子がそんなこと言う
『ハッ』
タケヒコが印を結ぶと、バリバリバリッと雷撃が陣の中に発生し続ける
そして『ぬぅ〜ん』新たな剣を構え、更に霊力を高め剣に注いでいく
力を注がれた剣が、雷を切り取った様な形に変化すると
『こん…のぉぉぉぉ!』
タケヒコは、手に持ったそれを陣の頭頂部にあたる剣に飛ばす
ズガンッ、それが剣に当たると、今迄の雷撃よりも更に強い雷撃が陣の中に発生すると、中心に向かい陣が縮小していく
『やっちゃえ……』
キィィィン、帯電し、高速振動したキューブが甲高い音を発し出すと
カッ!…ズゥゥゥン…
激しく発光した後、結構な威力の爆発がおきる
『ほぇ〜、これはびっくりッス』❲ニャ〜❳
❲まぁ、こんなものでしょう…ご苦労様でした、ユウ❳
「はっ、ありがとうございます」爆発が収まったあとには、戦闘モードに変化した無傷の夕と、力を使い果し、子どもの姿に戻り白目を向いてぶっ倒れているタケヒコがいた




