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部屋の神  作者: CLLK
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6

『ハ〜、ハッハッ〜あの妖狐めっ!、なぁにがぁ、「オヌシは我に吸収され新たな力の糧になるのだ」だ!、逆に自身の方が殺られてやんのっ、ザマァ乙!……まぁ、今迄の供物、賽銭にして、千年分以上の力を手にした今の僕ならあんな狐なんか瞬殺だけどねっ…』


俺の神力を吸って、本来の藍色に戻り、一部を抉られた様な球体に変化した石は、ふわりと浮き上がり、おそらくだが霊力と気力を混合したもので、心臓の位置にその石を配した人型の霊体っぽい姿になる

最初、薄いモヤの様な感じだった其れは、徐々に詳細に造形が出来て行き、口が形作られると先の様に狐に悪態をつきだす

1分ほどで、造形と色付けが終わると、最終的に幽霊というよりホログラムっぽい感じの印象になる


「うわぁ〜、かわええ…」


120cm程度の子供の姿になったを見た紅子が言う


「…あっ!思い出した!、タケ…、タケヒコかっ?」


その姿を見た時から、俺は何かを忘れている気がしてしょうが無くなり、思い出す為に記憶を漁りようやく思い出した


「えっ、キミマロじゃあないんですかっ!?」 


『誰がっキミマロだ!、僕は体から骨なんか出さないぞっ!』


紅子の言ったキミマロの意味を、正確に理解しているのか、そう言って突っ込む


『確かに多少似てはいるが……あっ、左門!、君あれで良く生きてたね、絶対消滅してると思ったのに…本物だよね?』


「やっぱりタケヒコか、存在してたんだな、何回来ても居なかったし…半分俺の妄想かと思ってたわ…」


このタケヒコは、俺があの石を拾う前の数年の間、偶にこの場所で遊んで?いた友達だったのだが、石を拾った日を境に居なくなった

当時の俺は、心配になり子供なりにタケヒコを探したが、見つけられなかった事と、そもそも俺以外、誰もタケヒコの事を見たことも聞いたことも無いという事実に、タケヒコは俺が作り出した妄想なのかもと思っていた


『いや〜、そこの忌々しい菅原某の社のせいで、民からは存在を忘れられるは、僕に集まっていた供物も無くなるはで、もともとダンディなイケオジだったのに、力は減る一方で果てはこんな子供の姿になっちゃうし…』


タケヒコが言うには、そろそろ自我も虚ろになり始めたそんな時に、俺が(しかも此方を認識出来る存在)現れたらしい、そんな俺に自身を認識させる事で、存在を再固定し、一緒に過ごす事で俺からの感謝等の陽の生気みたいなものを吸収して力を貯めていたらしい


『…で、僕は思ったんだ、左門も大きくなったらもう此処に来なくなるだろう?だから僕の方が、左門に付いて行こうと、それでずっと力を分けて貰おうとねっ』


まったくあざとくないウインクをするタケヒコ

数年で、そうするのに最低限の力を貯めたタケヒコは、横穴に埋まってしまったという自身の社から、御神体を分けて片方をあの石にして俺に拾わせたらしい


『捨てられない様するのと、普段から持ち歩く様にする為に、精神に干渉するのに多少の力を使ったけど、充分プラスだったね、でも…、あの日いきなりせっかく貯めた力の三分の二を吸われちゃって、焦って接続を切ったんだ、そのままだと本体も吸われそうだったから…』


はぁ、と一息入れるタケヒコを見て、俺も今更だが酷い言われ様に自身の感情を落ち着ける為、一服する為に煙草を取り出す


「なんつーか、いろいろと思う所があるが…ふぅ〜、予想通りか…」


『んっ、なにが?、あっ僕にも供物として一本ちょうだい』


そう言われ一瞬、その絵面の酷さに迷うが


「…まぁえぇか」


実際、千歳は確実に越えているだろうし、だいたい人じゃあないしな、そういう事で本人の意向通り煙草を差し出す、その際


「二礼二拍手一礼でもした方がえぇの?」


『別に要らないよ、お願い聞く訳でもないしね

それに、今更でしょ』


そんなやり取りがあり


『じゃあ頂くね』


タケヒコの言葉と共に、ケースから一本の煙草が消える


「……吸わんのかい!」


微妙な顔をしてやり取りを見ていた紅子が、一向に吸う気配のないタケヒコに突っ込む


『供物だからね、吸収するときにそういう感覚は味わったけど…僕は受肉してる訳じゃ無いからねっ、できない訳じゃ無いけどやる意味ないし…

そんなことより、詩乃ちゃんは元気?彼女が持ってた僕の一部がいきなり何かスッゴイ遠くに飛ばされてんだけど、遠すぎて念も通じないし…理が違うのかなぁ口寄せも弾かれちゃうんたよねぇ、まったく…えっ、ぐえっ「目が〜目〜が〜」ちょっ…』


「おい…詩乃の居場所が解るみたいに言ったが?…本当か?」


さも、詩乃の居場所を知ってますけど?、みたいなタケヒコの言葉に、俺は思わず神力を纏いタケヒコの襟首を掴み上げる


『ぎゃ〜、ほっ、本当だからっ、落ち着いてよっ!消えるっ!消えちゃうってぇ〜』


「…ふぅ」タケヒコの必死な様子に、嘘は言ってないと思い神力を霧散させると、幽体?であるタケヒコは、するりと俺の手から抜け出すと「眼鏡、眼鏡」と、わざとらしく膝立ちで眼鏡を探す紅子を盾にするように避難する


「…俺は突っ込まんぞ……というか、お前もお兄ちゃんの事があるんだから気にならんのか」


『ひっ』俺が、紅子へと顔を向けるとタケヒコが怯えるが、無視して紅子に問いかける


「コホン、お兄ちゃんだなんてあの愚兄には勿体無いです、まぁ生きている事は良かったと思いますけど心配とかはないです、どうせ右眼が疼くとか言って満喫してますから…強いて言うなら…もし、娘さん詩乃ちゃんと…もしも、一緒だったらある意味ご迷惑を掛けてるんじゃ…どうしよっ!」


紅子いわく、割と重度の厨二病らしい兄が、詩乃に悪影響を与える可能性を考えアワアワと慌てだす、が…


『ひぃっ!』


「タケヒコさんでしたっけ?、さっさと吐いた方が身の為ですよ…ねぇ…フフッ…おごっ!」


一瞬で、メイド服が損なわれない程度の範囲での装備を展開すると、以前より禍々しさのました小太刀の切っ先をスッとタケヒコの核の位置に合わせる

それから、紅子は虚ろになった瞳をタケヒコに向け、小太刀に徐々に神力を纏わせていくと脅し始めた

タケヒコがガタガタ震え始めたので、やり過ぎだと、俺は魔力でしっかり強化した拳で紅子の頭に拳骨を落とす


『ぼぼっぼ、僕はっこれでも八百万の神と、よっ呼ばれる、もっも者の、ひひっ、一人なんだぞっ』


紅子から解放され、恐怖から多少回復したのか、震えながらもタケヒコが言うが


「そうだろうな、でっ?」「いちぃ…何を今さら、それが?」


『えっ…』2人から同じ様な反応をされ、予想外の反応に一瞬タケヒコは固まるが


『いやっ、いやいやいや、神様だよっ、土地神的な!なにかだよっ?、わかる?、敬ったり崇め奉らわないとっ』


己の存在を知っても態度の変わらない二人に、支離滅裂ながらもタケヒコは訴える


「土地神って…俺以外からは存在さえ認識されてねぇし…」「プッ、神力が使えないのに神って…ププッ」


「いやっ、感謝はしてるよ?、あの石持ってなかったら死ぬか、消滅してたし、でもなぁ…それ以外全部お前の利益の為だろ?純粋な子供の想いを利用した…なぁ」


『うっ』痛い所を突かれたのだろう、タケヒコは言葉詰まると目を逸らすと


「俺としては、昔は友達だと思ってたからタケヒコのことは嫌いではないし、偶然とはいえ命も助けられた…だから、詩乃を探すのに協力にしてくれたら、俺を利用していたことは水に流してもいいと思ってるんだ…んっ?」


『嫌っ「ちなみに!、タケヒコが詩乃を探せるってのを知ったからには拒否するなら、知り合いの神にお前を吸収してもらうから、…ん、そっちの方が早いか…」だなぁ…僕と左門の仲だろっ、よ、喜んで協力するよっ!本当だよ?はは…』


そんな感じで、タケヒコの協力を得られる事になったのだが、いざ捜索の為、移動しようという時に、いろいろと吹っ切ったのかタケヒコが


『ちょっと待った!このまま移動すると、また妖狐みたいなのに僕がやられちゃうよ、だから…』


もっともらしい理由をつけて、どうせならこの際、貰える物は貰ってやるとばかりにいろいろ要求してきた

面倒くさいが、このあと有無を言わさずこき使う為に、注文通り魔法で、昔崩れたという横穴の奥を掘り起こし、埋まってボロボロになった社?を回収し、横穴の内側全体を錬成し強度をあげる

更に掘り起こした事で出来たスペースに、紅子がアイテムボックスに持ってた物を新たな社にして無理矢理、御神体を設置する

最後に俺が全体に強めの結界を張って終了した


『酷いよっ!せめてもう少しちゃんとした社にしてよっ!』


ドールハウスっぽい何かを社にされた事で、半袖シャツにネクタイ、サスペンダー付き半ズボンを着て、髪型が七三になったタケヒコが、紅子に文句を言う


「煩いです、お子様にはお似合いの社です、プッ……さすがに耳と尻尾は生えないかぁ…残念…」


何故、彼女がそんなものを、わざわざアイテムボックスに所持していたのかは、考えても答えは出ないだろう…



「……解った、これから帰る…ようやくか…」


部屋に戻るにあたり必要な事をシキに頼み、其れの用意が終わったとの連絡をシキから受けた俺は、部屋に戻る為、紅子に声を掛ける


「そろそろ帰るけど…本当に習得したのか?」


「もちろん!、でもぉ、複数でとか距離とかの問題で、私の神力では足りないかなぁって感じなんで、左門さんの借りてもいいですか?」


「お、おぉ……もうなんでも有りじゃな…」俺は、俺が❲俺❳の状態での習得を諦めた転移を、紅子が習得したという事に驚愕し呆れた


「ほらっ、もっと寄って下さい…チッ、んっ、では……厶フっ」と、タケヒコに指示を出した後、紅子が俺に抱きつき


「す〜、す〜、フヒッ…「おいっ」」『ほぇ〜』


俺の突っ込みに合わせるように展開した魔法陣により俺達は転移するのだった…



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