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部屋の神  作者: CLLK
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3

「なんと言うか…はぁ…こういうオチは現実には要らないんじゃけど…」


思わず握り潰してしまった肘掛けを、なんとかしようとして諦めた俺は、そう呟きながらスマホの画面を見返す…


地方都市に住む俺は、目的地の東京に向う為、新幹線に乗り移動していた

なんと言うか、全てが懐かしく、いろいろと感慨に浸っていたのだが…さすがに暇になり、そういえばと、充電はしたが電源を入れてなかったスマホを思い出した


「ゲームでもして時間潰すか…げっなんだ?この着信とメッセージの数、…しかも全部あの女だし…」


電源を入れて起動したスマホの画面を確認すると、見るのも億劫なほどの、娘の母親からの着信とメッセージの受信の通知がきていた

どうせろくな用じゃないと、名前だけ確認して中身は見ないことにし、

先ずはニュースサイトを開き、不在だった期間のニュースをチェックすることにするが…


「集団失踪に、神隠しねぇ……すっかり忘れとったわ、日付は…11月18日から19日に掛けてかぁ…」


ニュースは、18日に全国で起きた失踪事件の事ばかりで、正確な数は分からないが、被害者は一万人近くにのぼるらしい


それらのニュースを見て俺は、シモンが部屋を領域化した後、シキとシモンが予測として言っていた事を思い出した、

あの二人の予測だと、俺が召喚された場所はリソースの回収だけが目的なのでは無く、その設定等のいい加減さなどから、あの部屋はあくまで本番前のテストであり、近いうちに本番を行うだろうと言っていた

その事を思い出した俺は、この失踪事件はおそらくあの神達が起こした本番なのだろうと思った


「んっ、通知は19日に集中してたよな……まさかねぇ」


ニュースを見て嫌な予感のした俺は、見るつもりの無かったあの女からのショートメールを確認する

その内容は9割以上が、電話にでない俺への罵詈雑言だったが…


「チッ、詩乃が眼の前で消えただぁ…ふざけんなよ…」


よほど焦っていたのか、いちばん最初の誤字だらけのメールにはそう書いてあった…


「…ふぅ、落ち着け、俺…」


俺はそのメールを見たとき激昂しかけたが、おもわず肘掛けを握り潰したおかげで、少し冷静になることが出来た

心を落ち着けた俺は、その後に続くメールを確認していくと、徐々に詩乃が消えた状況が見えてくる


「まとめると、家近くのコンビニに四人で歩いて向かってると、前を歩く詩乃の足もとに変な模様が現れたと思ったら、詩乃が消えたと…これだけの内容に何通かけとんなっ」


そう言いながら、徐々に無駄な内容の多くなるメールに、イライラしながら全てのメールの確認が終わった俺は、気になった事があったので、再度ニュースを細く確認していく


「なるほど、いちばん多いのが、魔法陣が発生した後、人数関係なくその上にいた者は、胸辺りを抑えて倒れながら消えるパターンで…後は、魔法陣も消える迄の時間をまちまちと…」


改めてニュースを詳しく見ていくと、召喚される際の状況の違いが見えてきた


「動画やら画像があって助かったな、魔法陣も映ってるし…とりあえずなんとなくヤバイのは、あの胸辺りを抑えて苦しそうな奴じゃな…」


ニュースには動画等の映像が添付されていて、中には魔法陣が映っている物もあったが


「今の俺だと、見ても直感による予測しか無理か…仕方ねぇあいつを使うか…ッ!」


俺は、あいつこと❲私❳を使う為の準備をした後、能力値を上げ❲私❳を呼び出す


「状況は解ってるな」


「えぇ、理解しています、許せませんね…」


呼び出した❲私❳に、俺が確認を取ると、❲私❳がそう答える

それと同時に、❲私❳の感情なのだろうが俺は怒りがこみ上げてくる


「…クッ、ちょ、ちょ、ちょっと落ち着けっ…」


俺は、なんとか怒りを抑えながら、周りから怪しまれないよう小声で❲私❳に感情を抑えるよう伝える


「ふぅ、まぁ気持ちは分かるけど、とりあえず我慢して画像見て解析してくれ」


怒りを抑えた❲私❳にニュースを見せ、俺ではなんとなくしか解らない魔法陣の解析を頼む


「……ほほぅ」


そう動画と画像の確認を終えた❲私❳が


「この、いちばん多い魔法陣は❲俺❳の予測通りリソース変換用ですね、次に多いのが…」


そう言ってから、幾つかのニュース画像を順番に表示しながら


「この辺までが、似た特徴を持った魔法陣ですね…これは変換用のワードが刻まれて無いので、何処へかはさすがに解析出来ないので不明ですが、純粋に召喚用の魔法陣だと解りますので、これらの魔法陣で召喚された者は存在が消滅しているという事は無いでしょうが…問題はその特徴を持った魔法陣が6種類以上あることなんですよね…」


魔法陣の解析結果と問題点を述べる


「なるほど、部屋に関わっていた神が6柱だからか…」


❲私❳の意見に俺はそう答える


「そういう事です、最後に…あぁこれです、この魔法陣は簡単でした、これは神によるものではなく超級スキルの召喚(異世界)によるものですね、この程度ならシモンに見せれば召喚主の特定も可能でしょう…っと、そろそろ時間ですか…❲俺❳もなんとなく理解していると思いますが、詩乃がまだ生きているのは解る筈です、頼みますよ…」


最後にそう言い、❲私❳は消え能力値も元に戻る


「はぁ…、ふぅ、❲私❳は詩乃が生きていると断言した…」


❲私❳を使った事で起る副作用的なものを耐えながら、俺の直感だけでは心許なかった詩乃の生存に、確証を得た事にとりあえずの安堵を得る事が出来た………



そんな事があった俺は、スマホの画面を見返しながらこれからの事について考える


「とりあえず直接確認できる訳じゃないが、神に匹敵する能力の❲私❳が生きていると断言したんだから、そのつもりで動くか、まずは……駄目か…」


そう決めた俺は、シキに連絡を取ろうと念話を試みるが、地球の特性に邪魔されシキに繋ぐ事が出来なかった


「今から引き返すより、東京まで行ってから何処かにドアを設置したほうがいいか…それに、今は繋がりが切れているはずだから時間的な問題は無い、生きてはいるんだ、なら焦らず当初の予定通り行動してそれから、詩乃を助ける準備をするか…」


あちらとは時間的な繋がりも切れているので、此方で俺が幾ら過ごそうが、詩乃の時間が進む事が無いと思うと、幾分か冷静に考えられる様になり、それならば、宛も無く動くよりも、此方で出来るだけの事をしてからの方がマシだろうと考えをまとめた


「しかし…5いや、6年か…そんだけ無事ならいきなり死んだりしないだろうが…アイツどんな事になってんだろうな…」


自分の娘ながら、詩乃がまともに異世界で過ごしているのが、想像できず一抹の不安を感じるのだった…



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