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部屋の神  作者: CLLK
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19

❲業務連絡、あと半日程で、本船は物資の集積地であるポイントf-06に到着します❳


「んっ、やっとか…」


貨物部まで含む船内の全てに響くシキの声に、コンテナごとストレージに物資を回収した為、だだっ広くなった貨物部の一部を改造した工房で、カチャカチャと作業していた俺は顔を上げると、幾つか設置しているモニターの一つを見る


「まだ見えないか…、シモンの方の準備はもう出来たって話だし、できれば拠点として使えそうな所だと嬉しいんだが…」


二人と合流してからあの後、シキの予測どおりたいした妨害もなくメインのシステムを掌握したのだが、それによってこの船が、約10年間かけて各惑星から物資を回収しながら周回していて、その回収した物資の集積地であるポイントf-06まで辿り着く時間がおよそ二年と解ると


❲二年ならシモンの準備も終わるので丁度いいですね、それに今回は部屋と直接的な繋がりのある二人が居たので転送できましたが、本来この程度の大きさだと領域化しないとマーカーだと転送もままならないので、このまま集積地まで行き、領域化なりマーカーを置くなりした方が何かと都合がいいでしょう❳


そうシキが提案してきた、


「まぁ言ってる事は解るし、物資を漁るほかに用事も無ぇからいんじゃね、あ〜それと、あの二人のことはよろしく〜」


そんな感じのやり取りの結果、二年をこの船で過ごす事にした


「ん〜、しかし義体も悪く無いけど、やっぱ自分の体の方がええな」


半年ほどが経った頃


❲設備が足りません、仕方ないので一度戻って必要な召喚のあとストレージを閉じて、こちらで再度ストレージを開いてくれますか?、というかしてください❳


結構な勢いでシキが言って来たので「お、おう」と、つい返してしまい、その勢いのまま部屋に戻されると


❲……という訳です❳ 


『えっ、其れじゃあゲームとかアニメとかお菓子とか無くなるじゃないッスか!』❲ニャニャ!❳


❲それは大丈夫です、部屋の方に機材ひと通り用意しますし、左門の所の物はアイテムボックスに入れて渡しますから、お菓子などのあと必要な物は左門に言って分けて貰ってください❳


『それならまぁいいッス…』 ❲ナア〜❳


そんな一思念と一柱と一匹のやり取りがあり

もろもろの準備をし、ついでに製作メインならと、本体で戻る事にし、ストレージを閉めそのまま宇宙船にとんぼ返りする


宇宙船に戻ると、最初に転送してきた場所だったので今度はゲートとは反対方向に向い、最後尾あたりでシキが適当にコンテナを収納し空いたスペースに、ストレージをドッグとして使用している部分に設定して開いて設置する


❲これで貨物部も改装出来ます❳ 


そんな訳で、今、俺は自前の体な訳だが、二人に説明するのを忘れていた事で、訓練中の二人から襲われたり

訳を説明すると、ユウからは


「へ〜、背は高くなりましたけど、前の方が格好良ったです」


と、残念そうにいわれたり


そう言われた俺が「ブサイクじゃね〜し、だいたいゲームのキャラがモデルで顔も日本人とは…」等とぶつぶつ言っていると、

「いいんじゃないですか」

さらっと紅子に言われ、ちょっと落ち込んだ


そんな事を思い返してると


[了解しました、3型改、いったん帰還します]


[はいっ、では1型改戻りますね]


哨戒という名の訓練に出ていた二体の機体が戻って来る様子が、それぞれ別のモニターに映し出される


「う〜ん、格好良い…」


ドラグーンの1型と3型をベースに、それぞれおよそ12mに大型化し、胸部にコックピットを配し、搭乗者が鎧を着用時は思考操作も出来る様になっている、外装と兵装は二人の鎧に合わせている


それを見て、やはりロボはいいなと思っていると


❲それで、自分の機体はどうするのですか?、いろいろ作っていたようですが、❲私❳まで使って❳


いつの間にか工房にやって来ていたシキに言われ


「…今回は普通の1型でえぇわ」


そう答えると


「あぁなるほど、魔力の放出に機体が持たないんですか」


「…」そうシキが言うように、義体で扱える魔力なら機体もそれなりに持つのだが、本体でだとかなり気を使って魔力を出さないと機体が持たないのだ


「そうだよ、だったらコスト度外視の召喚素材で作った事で、通常の放出なら耐えられる1型を使う方が、強いし楽だからな…クソっ」


「そこまでの素材なんてここにはねぇし…はぁ」


1型みたいに纏う的なのも嫌いじゃないが、やっぱりコックピットに乗り込む系の方が好きなのだろう、動力源と素材の関係上、今は作っても乗れないけど


❲所で、こんなもの持って来たのですが❳


ブツブツ文句を言っていた俺に、シキは工房の空いたスペースに其れを収納から取り出して見せる


「これは…なんていうエルガ…いや、ジュノー…エンゲージ?、黒いけど」


「試作機とか量産機っぽいでしょ、ではなくてですね、これはこの船の動力機関を小型化したものを、動力として用いているので魔力を必要としません」


「確かに…格好良いんだけどな、って、魔力がいらない?」


❲えぇ、どうやらこの船、部屋とは繋がりの無い星と言うか文明の物なのでしょう、魔力的な物はいっさい使われていませんから…❳


それからシキによる動力に対する説明が始まったのだが、知能を下げているせいもありよく解らい所も多々あったが、どうやらこの船の一番の目的でもあるようだが、この船の周回上にある何処ぞの星のある生物から抽出される物と、また別の星で取れる鉱石との混合物がいわゆる燃料らしく、それを特殊な方法で反応させると、まぁ結構えげつないエネルギーを発するのでそれを利用した動力らしい


長い説明が終わり


❲それでどうしますか?乗ります「乗る!」か…❳


「そりゃあ乗るでしょ」俺は食い気味にシキに答え


❲…では、マニュアルを渡しておきます❳


取り出した分厚いマニュアルを俺に渡しながら


❲完全マニュアル操作になるので、到着まで余り時間も無いですが、しっかり覚えてくださいね❳


そう言いつつ、機体を置いてシキは去っていく

その姿を見送り、自分の手にあるマニュアルを見て


「マジか…読むだけでも相当時間がかかりそうなんじゃけど」


モニターを見ると、二人の機体が丁度帰還した所だった


「あの二人には負けられん…」


俺は、少しでも早く機体操作を習得する為、シキの残した機体に乗り込んだ



「もうすぐだねっ!」


待ち切れないとばかりに、紅子が言う


「でも、呼び掛けても何の反応も無いんですよね?それに、私も見ましたけど、廃墟みたいでしたよ」


目的地の映像を確認した際の様子から、ユウはそう答える


「え〜、でも、廃墟とか残骸の陰に光跡が幾つか見えたから、無人ってことは無いんじゃないかなぁ」


紅子は、左の篭手から浮き上がったコンソールを操作し、その上にディスプレイを表示すると


「ほら、ここっ」


ユウに見える位置まで移動し、ディスプレイを指差す


「そんな事出来たんですね、視界に送れるのは知ってましたけど…」


知らなかった…と思いながら、ディスプレイに指差された部分に注目する


「視界に送るのもいいんだけどね〜、一つの画面を二人で一緒に見たほうが良いときもあるかも?って言って、シキさんに機能追加してもらったんだよ」


「そう言われると、なんとなくそれっぽく見えますけど…っ!」


そう言いながらディスプレイを凝視していたユウは、何かに気付いのか、何やら考え込む


「二人で一緒に…二人で…って、まさか!」


ガバッと、紅子へ振り向く、その様子に紅子は内心(あちゃ~、でも今、気にするのは其処じゃないでしょっ)そう思っていると


「そんなっ!ズルイです!」


そんなユウの言葉に、「ハッハ〜」と苦笑いしていた紅子は「んっ?」と首を傾げ


(この娘はあの人に興味ない筈だよね?、私もそうなる様に誘導してたし…まさか効いてないのっ!)


驚愕しつつそんな事を思っていると


「私もシキさんと一緒に、訓練の様子を見ながらアドバイス貰いたいです」


「できたら人型の時に…」なんて言うユウに


「そっ、そう、頼んで見たらいいんじゃないかなぁ〜」


ちょっとほっとしつつ、適当に返し

(はぁ、びっくりしたぁ、でも、思ったよりシキさんに依存してるのかな?誘導しすぎ?)

ユウが、紅子の思っているよりも、シキに依存していることにやりすぎたかぁと、考えているとそこへ


❲そろそろ出撃ですよ、準備出来てますか?❳


「あっ、はい!」とシキの声がした方に、二人は振り向く


「ひっ」「…プッ」


そこには何時もの小竜ではなく、紫の外套を纏った鉄仮面の子供がいた


「様式美です」シキは、わざわざくぐもった声に変えそう言い、二人に近づいて


「通信を傍受し言語を解析した結果、相手はいわゆるクズです、一人残らず抹殺して下さい」


平然とそう言うシキに


「一人残らずですか?…あのっ」


何かに逡巡するようにユウが問う


「あなた達は、敵の機体や戦艦への対応をお願いします、決して逃さないように、残りは私が殺りますから…」


シキがユウの問いにそう返すと


「誰の良心も傷まないいい作戦、ですか」


私は知ってますよと、紅子が突っ込む


❲……フッ、まぁそういう事です、せっかく作ったのなら、やはり実戦で使わなければ意味が無いですからね、後は在庫処分の意味合いが強いですけどね

……どうやら左門の方も準備が整ったみたいですね、では、出撃しますよ❳


そう言って、きみの悪い、てるてる坊主の様なシキが、フヨフヨと漂う様に移動を始める


その様子を「可愛いかも…」と言っているユウを横目に、(思ったより重症だったよ)そう紅子は思うのだが


今は、それどころじゃないと「私たちも行こう!」そうユウを促し、自身の機体に向うのだった


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