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「さて、コイツをどうするか?…」
あの後、ロボによる攻撃もなく、ゲートに着いた俺たちは、その巨大なゲートをどうするか考えていた
「一通りチェックしてもゲートを操作するような物もないし別の出入口もなしと、そうなると破壊するのが一番てっとり早いが、問題は…」
俺がそう呟くと、いろいろと装備の仕様をゲートよりもと確認していた二人が反応する
「相手に発見される事ですか?、でも、それはシキさんが居れば問題ないんじゃ…」
「違うよユウちゃん、門題なのはこの向こうが外だった場合だよっ」
ユウのその言葉を、紅子がそう否定すると、
「外って、宇宙だったらって事ですよね?、それくらい私も分かってますよっ、でも仮にそうだとしても、今の私達の装備なら別に問題なく無いですか?」
そう言ってユウは、紅子に返す
まぁ、ユウの言う通り、二人の装備は設定上は宇宙空間でも、問題なく活動出来る筈…だ
「はあ〜、ユウちゃん、シキさんはともかく、左門さんは私達の事なんかいっさい気にしてないよっ、たぶんゲートを破壊することで、この宇宙船じたいが壊れないか?とか、ここの物資をどうするかって事ぐらいしか考えてないと思う…」
こちらに聞こえるように、俺をチラ見しながら紅子がユウに説明する、「なるほど…」俺を見たあと納得したようにユウも頷く
「うぜぇ…、だいたいその装備一式を渡した段階で、こっちがみる面倒の八割は終わってんだっつうの…」
俺は、二人のやり取りに思わずそう呟く
余程の事がない限り生命の危険がない奴の事より、比べる迄もなくこの船と物資の方が優先だろうが…
だいたい
「はぁ」ヤレヤレと思わず態度にでたが、説明するのも面倒なので無視して、このあとどうするか考える…
「なんか呆れられたんですけど…」「…あはは」
二人がそんなやり取りをしていると
❲少し手間取りました❳
シキが武装した方のロボを連れ現れる
「ッ!」いきなり現れたロボに、二人は咄嗟に武器を構え身構えるが、シキを確認するとほっとしたように構えを解く
❲どうしました?、あぁコレですか❳
シキは、二人がシキの連れているロボを見ているのを見て
❲鹵獲していた物を修復して、私がシステムを掌握したロボットです❳
シキがそう説明すると「へ、へぇ〜…」「お〜凄いです!」と二人が反応を返す
「それで、其れを使えばどうにかなりそうか?」
俺は、❲まぁ私にかかれば…❳とか二人に言ってるシキに問う
❲…の部分は、なかなか…っと、すいません、何でしたか?…そうです、システムを掌握した事で、この船のデータベースにアクセスして、船体の構造とマップも把握できましたから…そしてこのロボット経由からなら…❳
シキがそう言うと、”シュッ“、”フィィン“と頭上から小さな音がするので、そちらを見ると更に”シュッ“、”フィィン“との音と共に、頭上の5メートル四方ほどの部分が、真ん中から自動ドアの様に開く
❲このように、この船のそこそこの設備を使用する事が出来ます、割合で言うとおよそ8割という所でしょうか…❳
シキは、そう言うと俺たちの視界に、この船の構造図を表示する、俺たちがいる貨物部と、その貨物部の上部に被さる様に、平らな船体が立体的に映し出されるが
「某同盟の空母みたい…」
船体に対し俺が思っていたのと同じことを、紅子が言う
❲その図の点灯している部分が、現時点で操作可能な、設備です
幸い、このゲートは船首側なので、先ほど開放した隔壁から進入して、船首にある司令部でメインシステムを掌握してしまいましょう❳
シキの言う通り、此処からなら、司令部までそう離れてないし、図にある隔壁らしき場所も点灯しているので、このロボなら開放も可能だとすれば、たいした時間も掛からず到着できるだろう
問題は、そこに至るまでの相手の妨害なのだろうが
❲まぁ多少の抵抗は予想されますが、問題ないでしょう、それよりも時間を掛けすぎて自爆でもされると、目も当てられないのでさっそく行きますよ、二人ともしっかり付いてきてください❳
そう言うとロボを連れ飛び立つ様に、シキは移動を始める
「行きます!」とシキに遅れること僅かで、紅子も飛び出し鎧に組み込まれた無重力下の移動の為の術式を展開させシキの後を追う
「使いこなしてんな…」その様子を見ながら呟くと、後で
「アッ」っと、仰向けの状態で射出される様に、頭上へは飛んで行くユウがいた
おそらく焦って、術式へ注ぐ魔力量を間違えたのだろう
今にも天井部分に達しそうなユウを見上げ「こりゃ、ぶつかるわ」ご愁傷様っと思っていると
「こんっのおぉぉ…」と叫んだと思うと、術式が目まぐるしく発動し、天井に衝突する既で体制を変え、なおかつ相対速度も零にし足から天井に着地して見せる
「あ〜、怖かったぁ〜」
装備のせいで顔は見えないが、夕の声からは若干、楽しそうな雰囲気が感じられる
「えっ、はっ、はい!、直ぐいきます!」
シキから通信でも来たのか、ユウは、慌てて開いた隔壁の奥に消えて行った
「さてと」
三人を見送った俺は、これからどうしようかと思案する
「システムとかそっち系はシキが何とかするだろうし、なら俺は…」
そう言ってこの広大な貨物部を見渡し
「物色でもしてるか…用があれば連絡あるだろうし」
「何か良い物ありますように」そう言いつつ近くのコンテナを調べる為に移動するのだった…




