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「それで、どんな感じなん?」
自分の恥ずかしさを誤魔化すため、シモンに結果を促す
『結構やばい状況ッスね』
余りいい状況では無いらしい
『取り敢えず解ったのは、この部屋には最低6柱の神が関わっていたらしいって事と、何故かはわからないッスけど、おそらく全ての神が、今はこの部屋と関わってないって事、あと1番重要なのが…』
シモンは、この部屋の後ろの壁を見ながら
『多分あと15年もしない内に、この部屋、消滅するッス』
「まぁそうだろうとは思っていたけどな、けどこの大きさの部屋になってからそこそこ経つけど、多分1ミリも変わってないよな、それで15年か…」
❲徐々にとかそういうタイプでは無いのでしょう、それに300年以上経っているので、15年と言われても不思議ではないでしょう❳
あぁそういえばと、シキの言葉で最初の起動時に300年たっていたのを思い出した
「しかし、シモンは最下級とはいえ神になったんだから、この部屋ぐらい自分の領域にするなりなんなりして、保護とか隔離とかできんのか?」
どうなんだと、シモンの方を見る
『そおッスねぇ、………え〜っとッスね、出来そうッスけど時間が掛かるッスねぇ、大体30年』
駄目じゃんと言いかけたとき、シキから
❲仮に、私がサポートしたらどうですか?❳
と、シモンに問いかける
「其れができるなら、20年はかからないと思うッス」
❲なるほど、なら其れに加えて部屋の広さを半分にしたら?❳
『んっ⁉其れなら10年切れそうッス!、でもそもそもの問題としてシキ先輩とは直接の繋がりがないので、サポートは難しいと思うッス』
「駄目じゃん」
思わず突っ込んでしまったが
❲フフッその事については考えてありますから大丈夫でしょう❳
珍しく嬉しそうなシキがそう答える
「なら其れはシキに任せるから、後はおそらくだけどこの部屋の空間はcpに変換することが出きるはずだから、其れを出来るようにすれば今の半分の空間でも結構なcpが得られると思う」
最初の起動の時のログに、空間からリソースをとかあったから間違い無いはずだ
「ちなみにシモンはどうやってこの部屋の支配?を得るんだ?」
『其れは、吸収スキルの内の1つ幻想吸収ッスね!』
「それで?」
『えっとッスねぇ、幻想吸収は吸収したい物とかまぁ世界的?な物の、(理)とか(ルール)とか(概念)的なものを吸収して、無効化したり書き換えりできる能力ッス』
「ナニソレ、強よすぎない?」
『でもコレ、能力値依存なんでこの部屋の場合、関わってる神が全て格上ッスから吸収自体にも時間が掛かるし、多分ッスけど内容の書き換えとかは無理ッスから全力で支配権?的なものを奪いに行く感じッスね、それでもおそらくッスけど、神の全てがこの空間との繋がりを断ってるんで、抵抗が無いだけましッス』
「繋がりを断ってる?全ての神が?」
❲それはそうでしょう、これだけいろいろやってるのに何の反応も無いですし、まぁ廃棄されたのでしょう❳
『その可能性が高いッスね』
消滅するという事実が在る以上否定はできない、というかシモンがこの空間を自らの領域にしてしまえば、他の神からの干渉も無く、安心して過ごせる場所になる
それに、システムを使えば色んな事が出来るだろう
「俄然やる気が出てきたな、取り敢えずスキルでそれをするならcpでスキルをブーストさせられる様にしよう」
なら先ずは、システムのバージョンアップからだなと考えていると
❲これでいいでしょう、さぁシモン貴方の体の一部を下さい❳
『嫌ッスよ!てか怖いッス』
いつの間にかシキの操るリッチが、真っ赤なメスの様な刃物を掲げ近づいていた
❲大丈夫です、神鋼と星竜の爪(欠片)の合金製のメスに神力を纏わせてますので、神の体も斬れるはずです❳
ジリジリとシモンを追い詰めるリッチ(シキ)に
「髪でも良いんじゃないか、さすがに長過ぎるだろ」
『えぇ格好いいのに……』
❲仕方ないですね、では髪で手を打ちましょう❳
そう言うシキに容赦なく髪を切られて行くシモン
『痛いッスよ!』
❲流石、神ですね、このメスでもぎりぎりですか❳
肩ぐらいの長さまで髪切られたというより削がれたシモンを放置して、リッチを操作し髪を持って工房に向いなにやら作業を始めるリッチ(シキ)
『酷い目にあったッス』
「でも意外と格好えぇで」
シモンを慰めていると「出来ましたよっ」と言いながら黒い何かを抱えてリッチ(シキ)がやって来る
❲シモン、この子に神力を纏わせて下さい❳
黒い何かをシモンに向けながら言う
『わっ分かったッス』
黒い何かをシモンの神力が覆い纏っていく、すると黒い何かが蠢きドロリと液化する、更に今度は体長10センチ尻尾まで入れると30センチぐらいの、全身黒で白いシモンと似た様な模様のある猫に変化する
❲ニャ!❳
小さな黒猫が右の前脚を上げ挨拶する
❲良いですよ!s.kシリーズ a.ab 005-2 神(nano)ニャァ 完成です❳
凄く満足しているというシキの珍しい感情を感じながら、名付けって難しいよねと思うのだ