第四幕 出会い㊂
パチパチパチーーーー
僕が目を覚ますと目の前には焚き火が焚かれていた。
体を起こすもまだ体は重く少し頭痛がする。
「ーっつ、いってぇ〜、あれ?君は…」
隣を見るとあの時倒れていた白髪の少女が顎に手を置き火を見ながら座っていた。彼女は白い瞳を持っており白いワンピースを着ていた。物凄い白づくしだと思った。僕が起きたことに気づくと、彼女は優しく笑った。僕は彼女が気になり誰か聞こうとした。
「君は、だれなーーー」「あー先輩!!」
聞こうとしたところで、たくさんの小枝を持った鞘花が目の前に現れた。すると鞘花は、枝を放り投げ走って僕に抱きついてきた。
「よかった、よかったです。死んじゃったと思ったじゃないですか!」少し泣きながら言っていた。
「ごめんごめん、心配かけた。もういいから離せよ」
「えっ?わわわわ、ごめんなさーい!」
鞘花は我に戻ったのか僕を突き飛ばした。
まだ起きたばっかだというのに。普通に痛い。
「あーそれより先輩、この方は誰なんでしょうか。先程から全く喋らないんです。」
鞘花が起きた時にはすでに起きていて、僕と鞘花を近くに移動させてくれたらしい。
「あのー先程は大丈夫でしたか?どこか近くの街の方でしたらお送りしますが」
僕はこの近くの街の子だと思い聞いてみた。
すると彼女は僕達を見ながら言った。
「何を言ってるんですか?私は貴方達と旅をするんです!」
ん?この子は何を言ってるんだろうか。最初は僕もなんとなくゼウスのお孫さんかと思っていたが、あきらかに気配が無いため神様ではないと思った。だとするとこの子は。
「あのー先輩、これはどーゆー」
「んー僕にもさっぱりだ」
僕と鞘花がピンときてない会話をしていると
「あれ?おかしいですね、爺様から聞いてないですか?いいですか、私はですね!」
すると彼女は立ち上がり左手を腰に当て右手を上げ一番のポーズをとって言った。
「私はアイリス、ゼウスの孫であり、神様です!」
このポーズは!!明らかにあの爺さんと同じポーズ。僕がこれがゼウスの孫だ!と確信を持った瞬間であった。
「じゃあ君が、お孫さんなんだね」
「はい!よろしくお願いしますね!」
彼女は後ろで手を組みながら笑顔で言った。
「あの先輩。私は何一つ理解できないのですが」
確かにそうだろうと思い僕は鞘花に説明することにした。僕達が助かったのはゼウスに助けられたこと。気を失ってる間はゼウスのもとにいて、助けた代わりに孫と旅をし契りを交わすことになったこと。
「なるほど、ではこのアイリス様は神様で我々は契りを交わすのですね。」
「やけに理解が早いな」
正直驚くと思っていたし、契りを交わすのにも抵抗はないのか心配でもあった。
「正直そこまでついていけてませんが…ですが契りを交わすのは賛成です。これから先、神の力が無ければ戦っていけないと思いますので。」
鞘花も契りを交わすことに関しては同じ意見で良かった。
「お二人方とも理解してくださりありがとうございます。私のことはアイリスと呼んでください。」
「うん。わかったよアイリス。それで契りはどうやってやるんだい?」
「はい!私の神紋にさわっていただければ済みます。」そういうとアイリスは髪の毛を上にあげた。すると確かに右おでこに正三角形二つを逆にして重ねた物の中心に点があるマークがあった。
僕と鞘花はそのマークに手を伸ばし触れた。すると手から光が漏れ出し僕たち2人を包み込んだ。全身を纏ったと思えばその光はすぐに離れアイリスのおでこの神紋に戻っていった。
「これで終了です。」アイリスが言った。
「割と簡単だな〜」
「ですね」
僕と鞘花は、あまり実感が湧かないため変化がないか2人で向き合った。
「あ!先輩、瞳の色が変わってます!水色に」
「え、ほんとに?あ、鞘花も変わってる」
僕の瞳は青から水色に、鞘花は濃い紫から薄紫のラベンダーのような色に変わっていた。
「そういえば、神様と契りを交わすと、神特有の力も貰えるため目の色相も変化すると聞いたことが」
なるほど、ということは僕らからの変化から見るにアイリスの特性は白ということになる。どのような特性で属性になるのか。
「アイリス、白色はどんな力なんだ?」
「ですね、聞きたいです。先輩、ゼウスのお孫さんということは…」
「だな、かなり期待だ」
僕達はゼウスの孫ということもありかなり期待を膨らませていた。
「はい、私の能力はーー無しです!
つまり、無特性、無属性なんです!」アイリスは人差し指を顔の横に立てながら言った。
「え…」
「特性…無し?…」
「はい!これから大事な仲間として、よろしくお願いしますね!」
「「えーーーーー!!!!!!」」
僕と鞘花の絶叫が森に響き渡り、
僕達はゼウスの孫は最弱だということを知った。
まあ二日目セーフよね
(現在深夜12時…)