第一幕 始まり
ーある森ー
「鞘花!そっちに行ったぞ!気をつけろ!」
「わかってますよ!足止めするので早く倒してください」
目の前にいる少女が自分より2倍はあるであろう邪神と対峙し動きを止めている。僕は一旦剣を鞘に戻し間合いに入る。すると鞘から少し出ている刃の部分から滴が漏れ出し剣を包み込み始める。
「雨流殺型一雨太刀」という言葉とともに僕は邪神に向かい剣を振るった。
邪神の肉体は二つになり飛び散った水が綺麗に濡らしている。その後灰になって空へ帰っていった。
「ふ〜なんとかなったな〜だいじょーぶかー?」
「大丈夫かーじゃないですよもう!危なかったじゃないですか!」
「まあまあ、倒したからいいじゃないか」
今僕に怒っているのは、紫前鞘花といい、一緒に邪神狩りをしている仲間、綺麗な黒髪を後ろに一つに束ねてお綺麗な紫の瞳を持っている格好は道着のみで二つの剣を使う二刀流だ。昔の道場仲間でもある。僕が一人立ちする時になぜかついてきたのだ。そんな僕は雨水志音といい白髪の髪に青色の目をしている。
「ん〜これもまた下級神、使徒かもしれないですね〜」と鞘花は灰を見ながら言った。
「まあ、とりあえず採取しておこう。」
そう言いながら僕は灰を袋に詰めた。
「それじゃあ、次の町に行こうか」
「はい」
ーーーーこの世には多くの神が存在する
元より神は僕達を助けるため空から降りてきて力を与えてくださったが、そんな良い神ばかりでなく邪神と言われる神も僕達の世界にやってきた。そんな邪神達は世界を乗っ取ろうと暴れまわった。それをみた良い神様達は10の部族に力を与えて邪神に立ち向かった。
今ではその部族から色々と派生し神の力を使える剣技の種類は100を超えるという。
「それにしても主神とはなかなか会えませんね〜」
「そうだな、主神を倒さないと俺らも強くならないからそろそろ倒しておきたいとこだけど」
さっき倒したのが使徒だとしたら主神はそれの主人である僕たち神狩りは倒した神から取る灰を使い強くなるのだが使徒や下級神ばかりでは強くなれないのだ。
それに下級神の灰は売っても金にならない。
「あいつらを倒すにはこのままじゃ駄目だしな」
「そうですね〜そういえば次の街はどこなーーー」
鞘花が僕に聞くのをやめて立ち止まった。僕も立ち止まり、多分考えてることは一緒だ。
「聞こえましたか?先輩」鞘花は俺の方を向かず言った。
「うん、小さかったけど女の人の悲鳴だ。」
僕たちは何も言わずに走り出した。悲鳴が聞こえた方向へ。走ってる途中鞘花は僕の方向を向きながら言った。
「先輩、感じる気配が大きいです。もしかしたら主神かもしれません。」
鞘花の言葉からは緊張が伝わってくる。初めての主神かもしれないため気を引き締めなくては。
感じる気配が大きいほど強いです。
二日目突入