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1日目

こんなの書きます~って事前予告みたいな物です。

基本ギャグ?コメディ?になります。したいです。


1日目


色々面倒な説明を省いて、目が覚めたら俺はゴキブリだった。

ゴキブリ目ゴキブリ科 クロゴキブリ である。

・・・ちょっと待って欲しい、いや、誰に待てというのかと言われても困るが、そんな心情なのだ、前世の俺は特にそこまでこれといった大罪を犯した訳でもクロゴキブリの駆除業者だった訳でもないはずだ。

思い当たる節も無いのに突然衛生害虫へと転生したのだ、少しの待ったもかけたくなる。

日本にいた頃の記憶はあるにはある。年は25歳くらいのどこにでもいるサラリーマンだった。祖国に思いを馳せてもどうにもならないけど、ここから一体どうしようもないので内心でため息。


そんな俺の今はどんな状況か?気になるよね。ビンの中だよ。何かの薬物を作るようなビーカーみたいなガラス瓶の中。そこに映り込む自分の姿を見て、こんなとりとめもない思考を垂れ流すしかないんだ、今のところ。


なんで瓶の中か?思い出して説明するのは簡単だ、つい2分前の出来事だからね。


目を覚ます。

目の前には俺を見て硬直する赤髪ツインテールの女の子。

5秒後に悲鳴と共に振り下ろされる箒やた杖やらの嵐。なんとか掻い潜り逃げ去ろうとしたところ、死角からかぶされた瓶によって囚われの身となった。


はい、回想終了!。


とにかく、身の安全を保証?されているようなので、まあそろそろ意識を自分の内から外に向けましょうかね。


「師匠!それをどけてください!。」


「ふぇっふぇっふぇっ、まあ落ち着きな。何も喚び出してすぐに殺さなくてもいいじゃないか。」


ありがたい事に言葉を理解する事はできるようだ。

まあご都合主義という物だし、こんな状況に追い込んだ奴の罪滅ぼしだと思うことにしよう。


・・・いやマジで誰だ、呪ってやるからな。眠ってる時に顔の上で這いずり回るか?這いずり回って、鼻の中に突っ込んで目覚めさせて消えないトラウマを埋め込んでやろうか?。復讐についてはしっかり後で煮詰めて置こう。

さて、喚び出す?会話の内容的に結構重要そうなので耳を傾ける。


「ダメなの!そいつはここで消さないといけないって!内なる私が叫んでるの!」


「折角使い魔として召喚したのに勿体無いじゃあないか、見たこともない珍しい虫だしのう。」


ゴキブリを見たことない?使い魔?・・・はは~ん、これはつまり異世界に人外転生って奴だな?

・・・嬢さん、いっそひと思いに殺してくれ。


「そうじゃならばこうしようか、儂がこいつの主となろう。」


おい!この小説書いてるやつ!ヒロインババアになりそうだぞ!お前頭くるってんのか!


「師匠の枠を使うなら・・・まあいいですけど・・・。ぜっっっったいに私から見えない所に置いて下さいね!。」


「ふぇっふぇっふぇっ、あい分かったよ。」


・・・マジかよ・・・。


婆さんは器用に瓶をひっくり返して俺を瓶の底に落とすと、自室であろう部屋へと移動した。



さて、移動先の机に下ろされると、婆さんが瓶越しに俺を見つめてくる。


「さて、お前さんは・・・って何食ってんだい?」


ゴキブリになって、主人はババアとなった俺は、もう怒りのあまりに腹いせとして、逃げていた際についたであろう赤髪ツインテの髪の毛を食べていた。

婆さんは白髪だし、間違いなくあの子のだ。向こうの俺への心象は最悪だろうが、俺から見たら文句無しの美少女だったのでそれが腹いせになるのだ。

モシャモシャ美少女の髪の毛ウメエ。


俺、ゴキブリ向いてるのかもしれん。知りたくなかった。


「まっまあいいかい。とにかく、契約をしようかねえ。」


気を取り直した婆さんは、自らの指をナイフで浅く切ると、瓶の口から2滴の血を垂らした。

不健康そうな色してんなあ。


「さあお飲み」


美少女の髪を食べるという罪に対して下る天罰のレスポンスが早すぎる件について。


(でも美味そうな匂いはするんだよなあ。)


まるで芳醇な香りのするワインのような匂い。ワインそんな飲んだことないけど。

抗いきれずに一口。

(うっま!!??)

あまりの旨さにあっと言う間にその2滴をあまさず呑み切ってしまった。

くそぅあなどれんなババア。


「ふぇっふぇっ、お気に召したかい?これなら問題なく契約できそうじゃな。」


(一人言多いなこの婆さん。ゴキブリに語りかけるとか日本だったら即施設行きだぞ。)


そんな事を考えていると、婆さんがブツブツと何か唱えて俺の足元が光って何かが終わった。重要なイベントを逃したような気がするけど、時すでに遅し。


「うむ、問題ないのう。どれ、ステータスオープン」


まさかの横文字に面くらっていると、目の前に半透明の板が出現した。

それは俺サイズの物と、婆さんサイズの二枚出現しているようで、婆さんはそれを興味深気に覗いている。

俺の分は日本語で書かれているようだが、婆さんからは俺分の板は見えないようだ。見えたら多分騒ぎたてる、賭けてもいい。


ステータスって能力を数値化されている物ってのが俺のイメージなんだけど・・・そもそも基準値とかわからんし。みえたとしても俺ゴキブリなんだよね・・・。

俺!ゴキブリなんだよね!!!!!


という事で、そんな数値群は無いのと一緒だ!さらっと無視して、そう、希望があるとしたらスキル欄だ!

俺の人権・・・じゃないか、虫権はそこにあるはずだ!。

結果から言うと、スキルは一個だけだった。


【眷属召喚】


(まだだ、まだ焦る段階じゃない・・・きっとこの眷属がめちゃくちゃ強い筈なんだ・・・)


いてもたってもいられず、藁にもすがる想いで反射的にスキルを使用するつもりで(眷属召喚!)

と内心で唱える。


すると俺の入った瓶の横に眩い光が収束することもなく、パッと光ったと思ったらそこには見覚えのある虫が居た。


ゴキブリ目チャバネゴキブリ科

チャバネゴキブリ


俺は異世界で活躍するという夢想をその場で諦めた。


「あんた・・・何もできないんだねえ。」


婆さんはステータスを見終えて、そんな一連の動作を見ていたのか、憐れみの篭った目で俺を見つめている。


(おう、婆さん、もういっそのこと薬品とか何かのエサにしてくれていいぞ)


ゴキブリだしステータスゴミだし、召喚したチャバネは勝手にどっかいったし、自棄になった俺は自らひっくり返り、ふて寝した。


お試し版はここまで、いずれ更新する予定です。

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