煙突の家
「さあ、今夜はこの家で最後だ」
立派な白ひげに赤い服を着たサンタクロースは、煙突のある家の上空にトナカイの引くソリを停止させると、布袋を背負い煙突に入っていった。
それからしばらくして、サンタクロースの悲鳴が聞こえ、二度とサンタクロースが煙突から姿を現す事はなかった。
そんな様子をレンガの外壁によじ登りながら窺っていたオオカミは感慨深く呟いた。
「変な爺さんが煙突から入っていったので様子を窺っていたが、どうやら正解だったようだ。さては子ブタ共、暖炉の火で湯でも沸かしていたのだろう」