葉桜
うたた寝の春の日に
今日も思い出してしまうあの日のこと
ちょうど盛りを迎えた桜が
雪の舞うように散っていく
その様を
あの日の君と重ねて眺めていた
死にたくないはずなのに
生きていたいはずなのに
泣くべきは君の方であるはずなのに
最後まで笑っていた君は
散り様まで人を嗜ませる
この桜とよく似ていた
今にも散りかけた声で
「大丈夫だよ」って励まされて
ただただ泣いていた
君がいなくなってから
何度も後悔が訪れる
あのとき励ましてやるべきだったのは
桜の方だったのに