仲間の鑑定と黒い?影
一夜明け、日の出。
俺はぶっちゃけ寝る必要は無いが動きを止めないと精神的には休めない。
決してそういう理由を作らないと仲間がアイテム寄越せとうるさいからじゃあない。うんうん。
で、俺は昨日の夜からグラちゃんの仕事をボーっと眺めていた。
ほぼ机の上の書類と戦うだけの簡単なお仕事。いやいや。
明らかにめんどくさい仕事だと思う。
ある程度は部下が目を通しているから判子をポンポン押すだけだが、押してる枚数がおかしい。
天井に届く様な紙束が机の上を何束も占拠している。
その中には回復薬の納期とかもあったらしいが、文字は分からん。
気を休めると言っても映像が変わり映えしないのも暇なので、体内では回復薬の調合や薬草の栽培が既に始まっている。
中位までなら量産体制が出来ている。
なので目の前のギルマスにも差し入れ感覚で、鑑定屋で貰ったお茶に回復薬を混ぜた『リ茶ージ』by俺命名やパーレをオードの火で焼いた焼きパーレの残り物を差し出す。
「ほら、これでも食って頑張って」
「いやキミねぇ。こんなもの出されたところで仕事が減る訳じゃな……ハッ、何だこの美味い芋は!?」
喜んでくれて何よりだ。
今朝方には机の上にあった書類が全て片付いており、部下達が「あのサボり魔が一夜で?バカな!?」みたいな事を囁かれていて、サボり魔のギルマスが仕事全てをやりきるという都市伝説が後に噂されていたという。
いやいや、どこまで普段やらなかったんだ。
というのは余談だろう。
「いや〜世話になったな」
「久しぶりのベッドはふかふかだったっス!」
「途中寝ぼけてユキの尻尾に寝ようとしてたよな」
「…オードくんのエッチ」
「ち、違うっス!寝ぼけてっス」
「きゃーオードくんのエッチー」
「ミストくんも違うっスー!」
「もーキミ達朝から元気だよね。全く。あとミストさん、ちょっと」
手招きして俺を呼ぶグラちゃん。
「良ければまたあのお茶と焼き芋食べさせてくれないか?な?」
「いいけど有料な」
「くっ、今度はギルドの依頼で出してやるっ」
「卑怯だぞそれ!」
「ミストくん、それにグランさんも悪ふざけはその辺で」
「いや〜スマンスマン」
「ユキさん?!私何もしてないよ?」
そんないつもの感じでギルドを出た。
また道中スキルやらの説明があってげんなりするが、戦力把握は大切だ。
それに固定称号の効果も見てみたいしな。
オードの能力
種族:ゴブリン
弱い。ひたすら弱い。
知能が低く、集団で生活している。
リーダー格が存在する集団は少し賢い。
主なランクはF。
進化するに連れて繁殖力が落ちていく。
まあ、オード見てたら繁殖力高いのはよく分かるな。
主にユキへの視線がな。
固定称号:ゴブリン族の若
ゴブリンリーダーから認められた存在。
ゴブリン族の次代のリーダーに成り得る。
ゴブリンを率いる事が出来る様になる。
自身を含めたゴブリンの能力を上げる。
自身を含めたゴブリン種全ての状態異常を半減させる。
なんだコイツどこまでチートになるんだ。
職業:魔法戦士
魔法を使い自身の能力を向上させる事で、前衛後衛を使い分けるトリッキーな職業。
魔法の威力が上がる。
近接戦闘の技術が身に付く。
器用貧乏になる。
固有能力:魔力感知
周囲に魔力を放ち、空間把握を行う。
技量開示と併用する事で、対象のレベルが薄ら解る。
前提条件『魔力を扱える』
固有能力:幸運
発動中、因果律が変わり攻撃や防御において、自身に良いように働きやすくなる。
ただし発動時間は一時間。
前提条件『自身が不運である事』
能力:
バッシュ
体当たり。衝撃で相手を怯ませる事が出来る。
壁ドンに使える。
初級防御
初心者が最初に覚える防御スキル。
自身の周りに防御力を上げるバリアを生み出す。
バリア自体は能力素又は魔素の塊なので、使用者によってスキルに強かったり魔法に強かったりする。
壁ドンの壁にも使える。
不幸せな踊り
不運な者が扱えるスキル。
自身を中心に、魔素の流れを乱れさせる事で魔物に襲われやすくする。
ドレイン
魔素又は能力素を吸い取り、対象の力を弱める。
生物の場合、全て吸い尽せば死に至らせる事も出来る。
逃走補正
逃げられる確率が上がる。
出会いたくない何かに出くわしたくない時に便利。
感知補正
感知系スキルの能力が上がる。
オードの場合、これで把握出来る対象の数が増えているらしい。
魔力上昇補正
魔素を吸収した際の魔力の質が上がる。
単純に魔法の威力も上がるようだ。
技量開示
割愛。
状態異常は洪水とかなってたけど気にしちゃいけない。
怖い夢でも見たのさ、きっと。
魔法:
火属性
火弾
火の玉を作り出す。
自身の魔力量で、作り出せる大きさと攻撃距離が変わる。
また滞留させる事も可能。
魔力消費が少ないのか、何故か一番よく使っている。
因みに料理はオード担当。風呂も。
火壁
地面から吹き上がる火の壁を作り出す。
物理的な壁では無いので、突破する事が可能。
自身の周りにも発動させる事が出来る。
火籠
対象の頭上で停止した後、ドーム状に火の壁を作り出す。
火壁と違って魔素を固めた柱が周りに形成される為、多少の物理的防御力がある。
主に捕獲用。
火劍
杖に火を滞留後、長く伸ばす事で剣の形状に留める魔法。
切り口から発火する。
杖以外にも手に滞留させられる。
道中、頭に滞留させてカッコイイっスー!とか言ってたりする。
見た感じリーチがかなり長い。
風属性
風弾
圧縮した風を解き放つ魔法。
実は火弾より強いが、本人が相性悪いらしくあまり使われない。
着弾点に小規模の乱気流が発生する。
風壁
圧縮した顔で壁を作り出す。
受け止めるより逸らす事に重きを置いた魔法。
水属性
水弾
水の玉を作り出す魔法。
攻撃よりも動きを鈍らせる事に重きを置いている。
泥沼を作り出す等、汎用性が高い。
飲料水にもなるが、術者の魔素が多量に含まれるので、人間種には毒物。
オードの手汗。
水壁
水流で壁を作り出す魔法。
防御力は皆無に等しい。壁とは?
相手の周りに発生させる事で動きの制限が出来るが、オードが使うと…
地属性
地弾
石塊を作り出し投げ飛ばす魔法。
重いせいなのか、あまり遠くに飛ばない。
魔力次第で大きさが変わる。
また水弾と併用する事で、泥の塊を生み出せる。
風弾と併用する事で、砂の塊を生み出せる。
火弾と併用する事で、硝子や溶岩を生み出せる。
他の魔法と組み合わせて使われる事が多い。
地璧
四角錐の壁を生み出し、対象を閉じ込める魔法。
壁の厚みは注ぐ魔力量で決まる。
対象を閉じ込め、封殺するのが目的らしいが俺には効かなかったなフハハハハハハ!
「ミストくんちゃんと説明して欲しいっス!」
闇属性
毒弾
毒の塊を生み出し射出する魔法。
毒の強さは注ぐ魔力量で決まるが、物凄く弱い。
一番強くした状態でグラちゃんに去り際放ったところ、トイレで神頼みするレベルだと判明。
折角仕事したのに…やめてやれよ。
酸弾
酸の塊を生み出し射出する魔法。
酸の強さは注ぐ魔力量で決まるが、オードが使った時の酸がヤバイ。
魔力200の魔鉄が溶けた。ドン引きである。
因みに魔力200の魔鉄だと野生のワームでは、完全に溶けたと判断出来るまでに4分掛かる。
どんだけ強いんだよお前は。羨ましい過ぎる。
「ふふふ、まあ自分、天才っスから」
「あ、あのお婆さんが背後に」
「ヒィィィィ」
全力で逃げてった。
あれで戦闘以外でも勇敢だったらユキも振り向くだろうに。
なんて残念なんだ。
と、後はユキか。
オードを気合いで呼び戻し話していく。
種族:狐亜人
とても速く走る事が出来、跳躍力が凄まじい種族。
殴るよりも蹴る方が得意。
また目利きがよく、野性の勘が働く。
主なランクはC〜D。
この説明だけで分かる強種族感。
俺とオードの説明おかしいだろ!
固定称号:疾風
全ての速さに補正が掛かる。
《疾風迅雷》と《風の加護》をLv.10で獲得する。
固有能力に《風帝》を追加する。
攻撃や回避時に他者からは視認不可の風を纏う様になり、飛び道具に当たりにくくなる。
変動称号:哀れな傀儡
…これは見ないでおくか。予想は出来るが。
職業:ローグ
盗賊が政府等からの許可を得た職業。
アイテムを盗んだり、移動速度、回避に補正が掛かる。
お金儲けの匂いがする。
悪い評判が立ちやすくなる。
この職業の時の説明は何で皆辛辣なのが混ざってんだよ。
嫌がらせなの?全く。
固有能力:風帝
風属性のスキルと魔法の能力が上がり、回避、速度が上がる。
風を読む事が出来、攻撃予測、感知が大雑把に出来る。
ただし若干運が落ち、防御力が低くなる。
前提条件『称号:疾風の取得』
固有能力:千里眼
自身が最後に居た地点を中心に、半径30メートルのドーム状全てを認識する事が出来る。
この時、魔素又は能力素を注ぐ事で認識距離を増幅させられる。
最後に居た地点は、自身が地面に触れていた時のみの為、空中で発動させても、認識出来るのは最後に地面に居た地点になる。
前提条件『地面に触れていた記憶』
予想外に微妙な能力だな。
窃盗鑑定
対象の持ってるアイテムと効果を把握出来る。
但し魔素又は能力素が高いと抵抗出来る。
前提条件『対象に一度触れる』
能力:
疾風迅雷
称号:疾風で取得。
対象に高速で攻撃を仕掛ける。
あまりにも速く動く為、自身の筋肉に大きな負担が掛かる。
その分威力が上がる。
何だこれ。本当に大丈夫何だろうか。
風の加護
称号:疾風で取得。
状態異常へ若干の耐性が上がる。
あらゆる飛び道具の軌道が逸れる。
但し爆発による爆炎等は無効化出来ない。
常に風を纏った状態になる為、暑さに耐性がある。
寒いのはダメ。
こりゃ称号と能力合わせれば俺の魔法全く効かないんだろうな。
ま、レベル的にはまだ通りそうだが。
このスキルとかに付いてるレベルだが、レベルが高ければ当然効果が高くなる。
逆にユキの加護みたいな飛び道具に耐性って効果でも、レベルが加護より高いと普通に当たる。
それにあくまで飛び道具耐性であって飛び道具無効でも魔法耐性でも無い。なので攻略法は意外とある。
俺の魔法が魔法なのか怪しいだけだ。くっ。
空中跳躍
空中で跳躍出来る。
おい、説明これだけかよ!
空中ジャンプですね解ります。
強奪
対象に掛かっている状態異常効果、又は強化効果を自身に移す。
移す際、回避力が高いとそのまま霧散する。
速度補正
速度が上がる。
ユキの場合、種族的な能力に加え称号、補正、更に疾風迅雷で恐ろしい速さが実現出来ると。
回避補正
回避力が上がる。
実は回避力の中に状態異常回避なんていうのがある。
簡潔に言えば状態異常に掛かる確率らしいが。
ユキは称号と能力の併用で大体の状態異常に掛からない。
ホントかなぁ。
奪取補正
盗み系の成功率が上がる。
簡易収納
異空間を作り出し、そこにアイテム等を仕舞える。
レベルにより容量増加。
これは俺の成長する収納の劣化版だな。
縮地
一瞬で離れた位置へ移動する転移系のスキル。
転移とは違い、自身の筋力に依存する。
連続使用する場合、方向感覚を失う可能性がある。
毒耐性
毒への耐性が上がる。
オードの食欲に付き合ってたらレベルが上がった産物。
かと思っていたが、上位魔法薬飲んだら上がったらしい。
毒レベルの魔力あるんだから控えなさい。
「大丈夫、耐性付いて飲める様になったから」
ウチの子が魔法薬にハマってるヤバイ。
投擲
物を投げ飛ばす。投げる対象は自身の筋力に依存。
可能なら人も飛ばせる。
「ヒィィィィユキちゃん。もうつまみ食いはしないっスー!」
「えい」
「キャアアアアア」
「そこ、実践しないしない」
技量開示
割愛。
魔法:
持ってなくてもレベル表示されるのは、亜人だかららしい。
人間だとこの欄が存在しない。
まあ魔法使いと魔物、それと半魔の亜人であれば使える。
例外が居るみたいだが…。
と、こんな話をしている間にもオードが魔法の効果範囲を試してみたり、連携が取れるかを見たりしていた。
最初の村まで戻って来た時にはちょうど芋収穫祭なんてやってたな。
あれから一週間も経ってないはずだが。
まあ適当に弄った上に能壌土も渡しておいたからな。
お礼を言ってきたが安定して取れるか見てからだと言って通り過ぎた。
別に急いでもいないが、何となく悪寒がしたんだよな。
何でだろ?
ようやく検問所まで着いた俺達の前に、一人の男が立ちはだかる。
「やーん、ミストちゃん久しぶり〜」
悪寒の原因はコイツか。
そこに居たのはフェリエ、商館の主その人だった。
説明回長いですね。
書き終わったと思って目が覚めると真っ白の画面。
ミスト「もう一回書けるドン」




