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失敗勇者の邪神転生  作者: 杜邪 悠久
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俺のお腹は芋畑

端折りすぎた、二人がキョトンとしている。


「ああ、すまんすまん。色々略し過ぎた。

俺の能力は知ってるよな?」

成長する収納グローアップクローゼット?」

「そうそう。それを使って二人が寝てる間に植物と土を大量に飲み込みまくった」

「え?土?」

「え…何故土なんスか?」


そう、二人には言ってなかった。

言うと多分欲で色々注文されそうだったから。

そして俺が甘いのも問題だ。


まあいい、置いとこう。

植物は本体が薬になるのは解ってる。

だが、前に考えた事があるが、砂漠等では素材が揃えられず薬を補充出来ない。

そんな所に今後行くとは思いたくないが、ゲームだと砂漠と雪山は絶対行く運命なのだ。

俺の無駄にゲーマーな所も悪い癖だな。

これはゲームじゃない現実だというのに。


だが第2の箱生(じんせい)。文字通りの第2の箱生。

面白可笑しく生きたいものだ。

だから準備は常に万端にしておきたい。

教訓は得た。


そして導き出したのは、自分の中に畑を作る事。


まずは種を集めた。

これは簡単で植物を集めた際、種だけを別場所に一括整理で固めておく。

そして次に土。

土は魔力を込めると魔壌土に、能力素を込めると能壌土になる。


魔壌土 魔力118

魔素を多く含んだ土。


能壌土 能力素123

能力素を多い含んだ土。


で、先程集めた種の中に芋の種を発見。

名前はパー。

頭行っちゃってるような名前の植物だが、これはかなりいい植物だ。


魔石ですり潰すと上位回復薬が出来るのだ。

自生地も疎らなのであまり数は取れなかったが。

就寝中にコッソリ森に入る時は魔物に警戒しながらだったし。



そしてミミックさんの体内クッキング!

まず土を一括整理します!

その上で魔石を転がして形を整えます!

そしたら種を撒きましょう!

水は最初だけ与えれば適当に育ちます!

何故かって?ある固有能力のお陰でね!


で、この”パー”という名前の芋の種を魔壌土、能壌土それぞれに埋めた結果、


パーラ 魔力1000

魔壌土から作られた芋。魔力を持たない者が食べると死に至る。美味しい。


パーレ 能力素1000

能壌土から作られた芋。能力素を持たない者が食べると死に至る。美味しい。


今迄に見た事無い魔力と能力素量だった。

多分、土にも種にも水にも魔素と能力素それぞれに込めたせいで、全てが集約してしまったんだと思うけど。


だがまあ、最初の実験でまさかこんなのが出来るとは。

もう少し調整が必要だな。


で簡単に言ってしまえば、素材が無いなら自給自足すればいいじゃん、という結論に至った。

幸い農業をするのに必要な土地は俺の体内にある。

能力素も魔素も研究意欲もある。


そうして俺は、俺の中に畑を作ったのだった。


「要は身体の中で薬作った要領で畑作っただけだよ」

「成程っス」


オードが感心してる。

その隣で唖然としているユキ。

驚かない宣言はどうした。


「そんでとりあえずだけど、村人集めて芋パーティーでもやろうぜ」


ノリノリで準備を進める俺とオード。

村人には飯にするから一緒にどう?みたいな感じで誘って。


「ねぇミスト」

「ん?どうした?魔法薬か?」

「ここの村人にご飯を振舞ったとしても、結局何の解決にもならない。

無駄な事してないで早く王都のギルド目指そ」

「やっぱりそういう感じなんだな」

「え?」

「この国が何か問題を抱えてるのは分かる。

辺境の村、だったか。

辺境って言っても検問所とは目と鼻の先にあるような距離なのに、検問所の奴等は割と身なりは良かった。

あいつらはお役所仕事みたいなもんだろう。

そういう奴等は何かしらズルしてるもんだ。

つまり、国が住民を苦しめてる何かをしている。

元々ここも人が結構居たんだろ?

出稼ぎにしても少し内情を聞きたい。


ま、簡潔に言えば一緒の釜の飯食ってたら、何か情報くれるかも、ってのが狙いだ。解ったか?ユキ」

「そっか。そうだよね。

簡単に善意を振り撒かないよね」

「そりゃ勇者様のお役目だろ?俺もなるはずだったのになぁ」


だがその言葉にユキは固まる。

オードは……うん、向こうで芋煮てるわ。


「ミスト、それってどういう」

「ん?ああ、言ってなかったか。

俺転生者なのは知ってるだろ?

んで転生する前に女神さんに勇者になるはずでしたがふふふ、みたいな感じでこの姿だ。

まあ不便だったけど、慣れるとこれはこれで面白い」


ユキは真剣な表情のまま、何か考え事をしている。

あれ?何か変な事言ったか?


いや、確かに体内に芋作ってる奴が勇者目指してましたなんて言ったら、あれコイツ頭おかしいんじゃね?

って思うかも知れない。

いや、俺なら思うな。

今思うと何やってんだろう、俺。


「ミスト」

「な、なんだ?」


身構える俺にユキは予想と違う言葉を口にする。


「今後、その話は誰にも言わないで。

特に勇者になりたいとかは絶対に」

「?」

「お願い」

「…分かった」


それだけを言うと、オードの方へと歩き出す。

しかし何故だ?

勇者はこの世界の魔王を倒した英雄だろ?

あれか?

魔物如きが勇者を語るな!って事か?


うーーん。何か違う気がする。

まあいい。

とりあえず村人達と芋パしてから考えよ。

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