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失敗勇者の邪神転生  作者: 杜邪 悠久
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ゴブリンはロリコン

「うおおおおおお!!爆裂道具弾(バーストキャノン)!!」

地面に大穴が空く。焦げた臭いが辺りに立ち込める。



あれからオードと魔法と能力、そして詳細鑑定(ミサダメルヒトミ)の強化が出来ないか実験を繰り返していた。

オード曰く、街に鑑定師なる職業がおり、ソイツに鑑定してもらうか、自身で鑑定魔法を取得すれば、能力や魔法にレベルが出現するとの事。

オードも師匠にその辺は全て任せていた様で、肝心な事は後から補足してくれる。

いや、むしろ聞くまで言わない。

秘匿主義か?まあいい。


で、あの紫ゴブリン力強い、が帰った後からもう一週間近く研鑽を積んでいた。

その間実験以外の事も聞いている。


「なあ」

「んー?」

「あのゴブリン、まるでお前の事知っているみたいだったけど、知り合いなのか?」

「…ああ。あのゴブリンはオイラを育ててくれた親、つまりはゴブリンの村のそのリーダーっス」

「ゴブリンリーダーか!道理で強そうだと思った。

でもあの程度なら余裕そうじゃね?」

「ゴブリンを甘く見ない方がいいっス。

奴等は群れで行動し、それをリーダーが統率してるっス。

ゴブリンは仲間意識が強くて頭も切れるし、奇襲も得意っス」

「仲間意識って割には敵対してんだな」

「魔物堕ちだからっスよ」

「…そう言えばさっきも言ってたな。

何で魔物堕ちって解ったんだ?

それに魔物同士もそうだけど、俺達言葉理解出来てる?」


そう、気になっていた1つをぶつけてみる。

オードやゴブリンリーダーに対してもだが、言葉を理解するスキルなんて物は習得していない。

ましてや、一番最初に遭遇していたあの人間達の言葉も理解していた。

つまり、何らかの不思議な力が作用してるのかと思っていた。

魔法がある世界だし。

で、その答えが、


「ミストくんは能力素を持ってるっスよね?」

「……あ、うん」

そうだ。そう言えばミストに改名したんだった。

速攻で忘れてた。気を付けろ俺。

「念話、というスキルがあるんスけど、それを擬似的にこの世界の生き物達は使えるんス」

「すまん、いきなり話が飛んでよく解らん」

「…人間達は能力素を持ってるっス。

そして魔物は魔素を持ってるっス。

ここまでは解るっスね?」

「うん」

「で、この魔素なり能力素なりは、身体を巡ってはいるものの、極々微量、体外に放出されているんス。

その放出されている能力素を、言葉による空気振動を受けると相手にそれが飛ぶんス。

受け取った相手は、魔素なら魔素を、能力素なら能力素を持つ物ならそれを理解出来る範囲で翻訳されるんス」


何だろう、念話ってスキル要らないんじゃってぐらいのチートだと思う。

つまり人間同士、例えばアメリカ人とロシア人が能力素を持って会話をした場合、翻訳者を付けずとも会話が可能になると。

前提は互いに同じ力、能力素か魔素を持ってる事が必須になるみたいだけど、俺は両方何故か持ってる。

つまり、人間の言葉も魔物の言葉も理解出来るのはそういう事だろう。


「因みに魔物堕ちっていうのは、魂がその能力素を持ってる状態で大量に魔素を取り込ませて絶命させる事っス。

魔術を使う場合、能力素を捨てるっていうのは使えなくなるだけで、魂の中には存在しているんス。

で、魔物堕ちなんてしてる奴の魂は、かなり魔素を吸って歪な形してるんスけど、その状態だと魔素の流れが普通の魔物と全然違うんスよね。

そのせいか、転生しても人間と魔物の会話がどちらとも可能になるのが特徴っス。

まあ、オイラはただ単に賢者の時に読み書きで覚えただけっスけどね。

この方法で会話は聞けても、文字とかは読めないっスから」


な、成程…。

じゃあ本当にここで生活するならば、読み書きも覚えた方が良さそうだ。

不本意だが、道具屋という目標もやりたい事リストに入っている。

お金を数えるにもやはり言葉は重要だ。

今度オードに習っとこう。



ついでに念話というスキルについても聞いてみた結果、念話はそれが更にスキル化され、言葉を発さずとも会話が出来るというものだった。

習得には魔法陣が書かれた書、《スクロール》と呼ばれる物を使って取るのが一般的な方法らしい。

しかし、効果の割には高価な品で後悔する者も多いのだとか。

親父ギャグ?ふふふ、知らんな。


なので気合いで習得出来ないか試していたら、アッサリ出来てしまった。

というのも、実は俺はオードを飲み込んだ際、口を動かさずに会話していたのだが、それを認識した途端、



───能力(スキル)《念話》を獲得しました。


この声は何回聞いてもびっくりする。

だがまあ、つまりはそういう事だ。


まあ色々あったが、本題に入ろう。

あの襲ってきたゴブリンリーダーから、盗まれたアイテムを取り返そう!

ってのが現在の目標だ。

何でも、オードの転生前の師匠の形見の杖を盗られていたらしく、それを取り返すのが主な目的だが、俺は違う。

俺の目的はズバリ、魔物とちゃんと戦えるのか、を重点に置いている。

というのも、俺が生まれた場所では魔物が近付かないせいで、生まれて此の方、戦闘をまともにしていないのである。

え?トカゲ?あれは狩りよ。


なので俺は回転頭突き(ローリングバッシュ)に続く新しい技、道具弾(キャノン)を開発し、その成果が冒頭の…


──魔法道具弾(キャノン)の進化を確認。

爆裂道具弾(バーストキャノン)を獲得しました。

更に能力(スキル)《命中補正》を会得しました。


この爆裂道具弾(バーストキャノン)だが、効果を詳細鑑定(ミサダメルヒトミ)で鑑定した結果、


爆裂道具弾(バーストキャノン)

対象に無属性の魔法を射出、着弾時に爆散する。


元々、自分をアイテム欄の物なら、例え一時的に収納された物、生き物であるオードですらも飛ばせるという謎魔法。

それが更に、着弾時爆風を起こすという進化を果たしたのだった。


そして、実験で幾つかレベルの事で解った事がある。

一つは、魔法について。

魔法はレベルを上げても威力が変わらない。

その変わり、同じ系統の魔法の種類が増え、使える数に幅が出来て行くんだと思う。


後、固有能力。

こっちはレベルがおそらく存在しない。

魔法は今現在爆裂道具弾(バーストキャノン)だが、その過程である道具弾(キャノン)も使えるが、固有能力はそれが無いのである。

固有能力は完全に前の能力を上書きして進化する。

勿論、前の能力を強化したものだから、前のを使える必要は無いのだろうけど。



まあ、推測の域は出ないけど、今の認識では大体こんな感じだろうな。

で、今は俺達はゴブリンリーダーの根城である廃坑へと向っている。

因みに俺の普段の移動は回転頭突き(ローリングバッシュ)をしているのだが、音が大きすぎてバレてしまう為、オードに持ち上げられて移動している。

視線が高くなって少し楽しい。


ゴブリン達は元々オードが産まれた頃は森を棲家としていたそうだが、集団で人間を襲い廃坑へと棲家を移したのだとか。


「しかし悪いな、担がせて」

「いや大丈夫っスよ、むしろあれだけ物入ってるのに重さが変わらないって凄いっスね」

「もっと褒めていいんだよキミィ」

「じゃこのまま沼に沈めるっス」

「ヒィィィ」


なんてバカ言い合ってるそんな時、遠い前方から金属音が聞こえる。

すぐさま俺達は岩陰に身を隠し、オードが魔力感知を最大にまで引き上げる。


「どうやら、ゴブリン達に人間の女の子が襲われてるみたいっスね」

「どうする?」

「うーん…出来るなら助けてあげたいっスけど…」

「何か不安があるのか?」

「この辺り一帯の国々は勇者教っていう宗教なんス」

「なにその宗教」

「要は、勇者を生き神として崇拝せよ、そして魔を持つ全ては敵である、って教えの危ない宗教っスね。

魔物を完全に敵視してるっスから、もしあの女の子がそんな国の…」

「でも襲われてるんだろ!?そんなの後で考えればいい。

敵の数は何体だ?」

「……女の子の前に2体、その後ろに1体っス」

「良し、じゃフォーメーション3で行くぞ」

「もー…ミストくんもなかなか強情っスね」


そう言いつつも構えを取るオード。

そしてオードから火弾(ファイアーボール)が手前のゴブリン達に放たれる。

当然ゴブリン達は避けるが、狙いはそっちじゃないのさ!

遅い遅い!


俺は得意技回転頭突き(ローリングバッシュ)で女の子に一気に詰め寄り、口を開いて収納。

そしてそのまま一番後ろの奴に直撃する。

そのゴブリンはそのまま吹っ飛び、後ろの木々にぶつかり気絶する。


初めて魔物に対して能力(スキル)を使ったが、意外と戦えそうで一安心である。

そして振り向くとオードが地弾(アースショット)で拳大の大きさの石をゴブリン達の頭に直撃させていた。

…ちょっとゴブリン達に同情してしまう。南無南無。



そして辺りに敵が居ないのを確認して、女の子を外へ出す。

よく見ると女の子には狐の亜人だった。

狐耳と尻尾がその存在を主張しており、全体的に白銀で美しい。

身長はオードの倍くらい、130、140cmぐらいだろうか。

前世ならロリコンに覚醒していただろうな、と思う程の可愛らしさである。

現にオードは釘付けのようだ。


「大丈夫だった?…おや、怪我してるね」

よく見ると足を怪我している。

この程度なら下位回復薬でも治るだろうが、その全てが中位に変化していた。

そう言えば成長する収納グローアップクローゼットの効果で、収納していた下位回復薬が中位に、上位に至っては幾つか超位回復薬になっている。


因みに超位の鑑定結果は、


超位回復薬

臓器破裂を治せる程度。精神状態も安定させられる。


という、道具だけ見たら俺チートじゃね?と思える状態である。

まあ、道具だけ強くてもね…。


そんな訳で中位回復薬を女の子に掛けてやる。

あっという間に怪我が回復していく。


「ありがとう」


とても可愛らしい声で言う。

そう言えば女の子と話すの、見習い女神さん以来だな。


「まあ、怪我が無くて良かったよ」

「この辺はゴブリンが徘徊してるっスからね!気を付けなきゃダメっスよ!」


おまいう。


「私…ギルドで初めてクエストを受けて…それで…」


聞けばギルドでゴブリン討伐というクエストを受け、この辺りに来たという女の子。

こんな小さい子でもギルドメンバーになれるんだな。


「じゃ丁度オイラ達もゴブリン達を倒しに行くっスから、一緒に行くっスか!」

「おいおい、いいのか?さっき勇者教とか何とか」

「勇者教?」


女の子が首を傾げる。どうやら知らないっぽい。


「ほら、何も問題無いっス!それに目的も同じなら仲間は多いに越した事は無いっスよ」

「まあ…」

「いいんですか?」

「いいっスいいっス!あ、オイラはオードっス!」

「俺はミストだ、よろしく。君は?」


「私はユキって言います。宜しく御願いします、カッコいいゴブリンさんとミミックさん」

「カッコいいだなんてそんな〜デヘヘ」

「…………」


そんな感じで急遽3人で廃坑へと向かう事になった。

オードのタイプはロリか。覚えとこう。

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