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失敗勇者の邪神転生  作者: 杜邪 悠久
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閑話 ある日の何でも無い一日

ストーリー上、本編に一切全く何にも全然これっぽっちも関係ありません。

飛ばして読んで貰っても差し支えありません。

オイラの一日は早い。

朝起きると既に起きているミストくん。実際は寝てないらしいっス。

伸びをして顔を洗い、その後はミストくんとの軽い訓練。

主にミストくんは能力よりも回転率を上げたり、能力無しでの戦闘を研究したりしているようっス。

流石に新しい能力や魔法を覚えると、そっちを練習してるっスけどね。

オイラはと言えば、最近は『不幸せな踊り』ばかり踊っていたせいか、日常生活でもそれが現れて困ったものっス。


今日も焚き火をしようと『火弾(ファイアーボール)』を撃ち込もうとしたら、うっかりブリッジを決めて後ろの木に直撃させてしまったっス。踊りの中にブリッジがあって、よくやっているからつい…。

あ、今後ろに誰も居なかったっスよね!?居ない…良かった。

もし誰か居たら全力で怒られるとこだったっス。

ミストくんも怒ると怖いっスけれど、ユキちゃんに当てちゃったら目も当てられないっス。ギャグじゃないっスからね?ね?


さて、とりあえず二人が帰って来るまでスープでも作ってるっスかね。






私は朝起きるとミストに挨拶する。オードはまだ起きてないようだけど。

程なくしてオードが起きてきてミストと鍛錬を始めた辺りで、私は一人川へ向かう。

一応、ミストが水を、オードが火を起こし穴を掘って石で囲み、即席のお風呂を作れるのだけど、やはり朝は水がいい。

冷たさで目が冴えると、次に全身を洗う。

二人はどっちも紳士で、私がお風呂に入っている時はなるべく近付かないようにしてくれるけれど、それでもこうしてゆっくり水浴び出来る時間は少ない。

今なら二人は鍛錬してるはずだから、少しぐらいのんびりしててもいいよね?

そうして私は目を瞑り、水にぷかぷかと浮く。

浮遊感と水の冷たさが心地いい。

途中、目に光がチカチカと差し込んできたけれど、川岸に木でも生えてたっけな。まあいいか…。


水浴びを終え、枝に掛けていた服を探すが、あるはずの服が見当たらない。それどころか、何故か煤けていたり、突風でも通ったのかと思う穴が、ぽっかりと一直線に空いている。

またあの二人のどちらが何かしたのだろう。とりあえず、『簡易収納』から予備の服を出し、穴の先に向かうのだった。





ふむ。今起こった出来事を簡潔に説明しよう。

あの山見晴らし良さそうだな、よし登ろう。

ほほう、ここは絶景だな。おっ、あんなところに見た事無い花がっ!

ふっふっふ、我の家庭菜園(かて)にしてくれるわー!

後ろの方で謎の爆発、爆発オチは処すべし!

巨大な岩が瓦礫となって降り注ぐ、しかし華麗にターンを決めて回避。10点10点10点10点10点…パーフェクッ!

割れた岩から生まれた女の子の服太郎。


うん、何言ってんだバカなのか俺。バカなんだなー全く。

いや、とりあえず何で服が降ってくるんだ?晴れ時々服か?流石ファンタジー。いやいや。

多分さっきの爆発か爆風で一緒に服が飛んできて、タイミングよく岩が割れた瞬間に出てきたように見えた、この線が濃厚と見た。

つまり爆発の方はオードだな。多分敵が居たのか、普通に何かしたんだろ。

で、こっちの服は…まあ、一応だ一応。


詳細鑑定(ミサダメルヒトミ)!』


個体名:ユキの着ていた服

味:個人差があります

栄養:個人差があります

腹持ち:個人差があります

種族:服

属性:無

能力:温もる。


……………………。


なんだよ!個人差があります、って!

くっそ、だからこの鑑定微妙に嫌いなんだよ!なんで普段辛辣なのにこんな時だけ曖昧なの!?しかもアイテム扱いの鑑定かよ!いやそこはどうでもいいよ!バカなの?バカなの俺!?ゼェゼェ…。



返そう。



「オード、ただいま」

「あ、ユキちゃんお帰りっス。あれ?服着替えたんスね」

「うん、ちょっとね」

「おーい、ただいまー」

「お帰り」

「ミストくん。お帰りっス。スープ出来てるっスよ」

「おー、サンキュー。ところでユキ、ちょいちょい」

「?」


俺は口を開くとユキを中に入れた。


「これ…」

「えっ」


明らかに困惑している。しかし犯人は俺じゃない、断じて。


「いや、実は」

「いい、大丈夫」

「いやいやいやいや」

「犯人は多分」


微妙な顔になるユキを見て、ああ、うん、と納得すると服を収納した後、外に出るユキ。その手には短剣を持ち、ゆっくりと無音でオードへと忍び寄る。


「あれ?ユキちゃんいつの間に──」



『その後、オードが焚き火をする際には必ず誰かが近くで見張るようになった。何故か数日、ユキに対して身体を震わせていたのは、きっと愛故だろう、うん。

めでたし、めでたし。』


「ちょっ、ミストくん!変なナレーション入れてないで助け…ぎゃああああ」

「オード、こっちおいでよ」

「ユキちゃん!?ユキちゃんの後ろに鬼が見えるっスぅぅぅぅ」

「鬼はお前だろ」


その後、焚き火の成功率が100%になったのは言うまでもない。

何か、最近暗いなって思って。

まあ、100部記念という事で。

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