表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/225

魔導競技新ルール概要

『次世代型魔導師育成に向けての魔導競技の整備計画』

 現在魔導師育成校が存在しているのは3拠点。

 欧州、アメリカ、日本。

 この内、欧州はイギリス校、フランス校、ドイツ校が代表的な学園。分校もあるがこの3校は欧州全域からの志願者を受け入れている。

 アメリカも各地に拠点を持ち、学園として解放している拠点も20を超える。

 日本だけは少しだけ特殊であり本土側にも1校あるのだが、この場所は完全に技術開発専門となっておりポジション的にはバックスの生徒だけとなっている。そのため魔導技術開発のために太平洋側に建設された人工島である『天祥学園』が日本における魔導師養成機関としては唯一の正統となっている。

 魔導師たちは上記の何れかを卒業して、魔導師としての免許を得て就業していく。

 魔導技術の発展と共に、彼ら『魔導師』の需要は徐々に高まりを見せており、人材の獲得競争は加速している。

 しかし、現状の魔導校のカリキュラムでは安定したレベルの魔導師育成に10年近い年月が掛かっており、需要を満たせるペースとはなっていない。

 高レベル魔導師の卒業率を高めるためにも早急な対応が求められている。

 そのため、各学園の上層部は高レベル魔導師排出を加速させている『魔導競技』の大学部や卒業した魔導師たちも含めた範囲の拡大を決定。

 年代を問わない統一リーグの開催を最終目的として現行の競技の整備を決定した。

 下記項目には、既存ルールから大きく改変されるものを纏める。


1.コーチ制度

 現在の魔導競技は特定のチームが台頭すると、以後はそのチームや周辺チームが環境を作り、特定チームで世代交代が発生するまで環境が固定されるパターンが多い。

 この煽りを受けて、下位チームは毎年のように100以上が消滅しており、結果として彼らの魔導師としての意欲を削いでしまっている。

 競争により優秀な人材が出るのは問題ないが、既に競争による負の側面も出てきているため早急な補強として教導者を各チームに派遣する制度――なのだが、大いなる問題を抱えていため、現状は少し特殊な形で運用することになっている。

 大いなる問題とは単純な人員不足。

 全チームに派遣するほどの魔導師の余剰が存在していなかったため、結果としていくつかの制度を前倒しで運用し、大学部の生徒と果てには大人たちまで動員してなんとか定数を補う形に持ち込んだ。

 事実上の学校の部活動に相当するチーム活動はあまり予算がないため、教導人員に払う給与がほぼ存在しない。

 実質的にボランティアに近いため、彼らの希望をいくつか汲む形で現状に落ち着いた。

 派遣されるチームなどは基本的にコーチの希望が優先。

 

2.ポジション制度

 現状では機能しておらず、上記のコーチ制度と混同させる形で運用させている。

 いくつかの特殊なポジションを制定、ルール上で特殊な能力を付与させる予定の制度。

 現状のコーチ制度に用いられている各制限などは様々なポジションで用いられる予定だったもの纏める形で運用している。

 現在の運用がコーチを用いてのものとなっているのは、特殊なポジションという概念を持ち込むための処置であると同時に一部の人員の要望を受けての結果となっている。

 コーチをする代わりに試合に出たい、という要望を叶えるための暫定処置のため、ある程度教導人員の問題が解決できれば2つの制度は分離の予定。

 

3.現行制度下でのコーチの運用について

 現行のコーチについては以下の条件で運用されている。

 ・コーチは特定の条件を満たさないと撃墜不可。

 ・コーチの攻撃には制限が掛かっており、1人辺りには20%ダメージまでしか与えられず、合計で100%までが試合中の上限。

 ・上記の攻撃制限を使い切る(100%分のダメージを与える)とコーチへの防護設定が無くなり、ダメージを与えられるようになる。

 ・制限解除後のコーチへのダメージはチーム全員へのダメージとして計算され、ダメージ量には5倍の係数が与えられる。

 ・コーチとして登録された選手のライフは通常の半分で扱う。(50%スタート)。

 

 上記以外の制限はなし。

 初期の発表では出場時間に制限があったが、攻撃への制限が掛かったことで試合投入への制限は最小限となった。

 

4.現行ルールからの変更点

 スタンダードルールとして今回の大会から変更された部分について記載する。

 ・参加人数の増員。9名から12名が標準となった。今年度に限り、12名以下でも出場は可能。その場合、ライフ回復権を保有することになる。

 ・コーチ制度の追加。試合への投入が行われる。そのため、平均としては実質13名での試合がデフォルトとなる。

 ・フィールド効果の追加。ルール上の特殊な効果が使用可能となった。


5.フィールド効果。

 全部で3つの分類で分けられた特殊な効果。

 ルール上で定められた効果のため、基本的に魔導で防御などは困難な形となっている。

 流動的要因を増やして、戦術的な揺らぎを生むのが目的。

 全体、自陣、敵陣の3種類の中から戦闘前に3つの効果を申請する。

 試合中には申請した3つのみ発動可能。

 相手チームが申請した効果については原則知ることが出来ず、発動されることで確認が可能になる。

 今年度の大会に用意されたのは各5種類の全部で15個の効果。

 発動タイミングは任意。

 複数の効果が同じ陣内で発動していた場合は自陣の効果が優先。

 全体効果で効果が相殺し合うものについては残存チーム人数が少ない方の効果が優先される。(~を弱体化という効果と~を強化という効果で人数が少ないのが後者ならば後者が優先ということ)


★自陣効果

※自陣にいる魔導師に効果を発揮し、自陣を出ると効果を失う。強制転移のみ、相手側の陣への転移も可能。

1『身体保護』―自陣にいる味方選手5名にライフ100%分まで攻撃を無効化する効果を付与する。

2『全体回復』―自陣にいる味方選手のライフポイントを時間経過で回復させていく。発動時間は20分。1分で大体5%の回復率。

3『強制転移』―自陣にいる魔導師を指定のポイントに強制的に転移させる。発動回数は2回。

4『全体統制』―自陣に味方選手が2名以上存在する時に発動可能。攻撃を受けた場合に他の選手のライフで攻撃を受けることが出来る。発動時間は15分間。

5『生命帰還』―自陣で撃墜された選手1名を復活させる。


★敵陣効果

※敵陣に味方の魔導師が4人以上存在している時に発動可能。敵陣に4名未満になるか、敵陣から撤退すると効果を失う。

1『効果無効』―敵陣にいる味方選手1名にフィールド効果、及びコーチの保護などの特殊な効果を突破する能力を付与する。

2『瞬間回復』―敵陣にいる味方選手2名のライフを瞬時に100%まで回復する

3『転移阻害』―敵陣にいる味方選手の中から1人を指名して、その者の視界に映っている選手は転移が出来なくなる。また、本人に対しての転移も無効。

4『集中攻撃』―敵陣にいる味方選手2名が敵に与えたライフダメージを別の対象に変更する。発動してから5分間でライフにヒットした攻撃が対象。

5『生命昇華』―敵陣にいる味方選手を1名を指定する。指定した選手が撃墜した数だけライフが回復する効果を得る。


★全体効果

※敵陣、自陣を問わずに発動可能。

1『防護弱体』―コーチのライフへの防護設定を一定時間無効化する。この効果は発動している場合、コーチがダメージを負った際のペナルティは発動しない。30分間。

2『戦場観察』ー相手チームの配置を一定時間確認できる。総合で10分間。

3『空間跳躍』―自陣、敵陣を問わずに好きな場所を移動可能なゲートを設置できる。ゲートは味方しか使用できないが、破壊されると使用不能となる。ライフポイント換算で200%分の耐久力を出口と入口が持つ。

4『連鎖爆発』―敵、味方を問わず撃墜された選手が出る度に残りの選手全員が5%のダメージを受ける。

5『任務変更』―コーチの制限を全て無効化し1選手として扱う。試合開始から15分後に発動可能。

※この能力で選手になったコーチは5分間行動不能状態となり、下記のペナルティを負う。

・ライフ防護及び、その他の効果は全て無効。仮にフィールド効果を発動している場合もこの選手は対象外になる。

・復帰後の戦闘可能時間は15分。

・撃墜可能選手は2名まで。

・ライフポイントは25%スタート。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ