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総合魔導学習指導要領マギノ・ゲーム ~Next Generation~  作者: 天川守
第4章後編『ドキドキが止まらない』
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第89話『涙の意味』

 周囲に激しく魔力が飛び散る。

 黒と白が入り混じり、キラキラと光を反射させるのは健輔の魔力であろう。

 渾身の一撃、原点に立ち返った男の意地の1発が残した光景がこれであった。


「っあ、はぁ、はぁ……危なかった……」


 そんな爆心地から1人の女性が姿を現す。

 赤い頬は直前の出来事を引き摺っているのであろう。

 荒い息に、激しく呼吸を繰り返す様子は中々に珍しい姿であった。

 ――九条桜香、健在。

 残りライフは20%とかつてないほどに追い詰められているが、それでも彼女はまだこの戦場に残っていた。


「け、健輔さんが、は、破廉恥なことをしなかったら、落ちてたかも……」


 最後の瞬間を振り返る桜香の脳裏に過るのは、健輔の抱擁である。

 あれで感情が高ぶり、出力が振り切れなければ間違いなく相討ちに持ち込まれていただろう。

 仮にあれがなくても生存する確率はあったが、最大の要因は肉体接触だったのは間違いない。

 最大効率を求めての全面接触が逆に仇となった。


「うぅ……は、恥ずかしいし、嬉しいけど……動かないと」


 戦闘中ゆえにそれなりに汗などを掻いているため、変な匂いがしなかったかなどと必死に思考を巡らせる。

 1人で悶えている主を、魔導機だけが見つめる状況。

 最強の魔導師が微妙に再始動に時間が掛かっている間に戦いは次のステージへと移っていた。

 クォークオブフェイトの事実上の壊滅は他のチームに影響を与える。

 ヴァルキュリア、シューティングスターズという戦力的な問題を抱えていない両者が一気にクォークオブフェイト残存を殲滅するために動き出す。

 1つの節目を迎えても、まだ戦いの熱は冷めないのであった。






 ヴァルキュリアの動きは別段悪くはなかった。

 戦術から考えても4つ巴の戦い、すなわちどこかが弱れば集中攻撃されるというのは自明のことだろう。

 既に戦場から退場しているが、健輔辺りは絶賛するに違いない。

 しかし、同時に彼はこうも言ったであろう。

 クォークオブフェイトは個性の強いチームである。

 確かに連携などに問題があるにはあるが、あくまでも弱点を探すのならばという前提が付く。

 アマテラスが実質的に桜香のワンマンチームである以上は、世界最強のチームは彼らなのだ。

 前衛が壊滅した、後衛も朔夜のみ、おまけに最後には頼りになる男も大きな花火となって天に還った。

 端的に言って危地であるが、忘れてはならない。

 この場には、まだ『夢幻の蒼』がいるのだ。


「イリーネ!」

「わかってます!」


 リタの指示よりも早くイリーネが動く。

 返答した時には既に突撃していたのは彼女の危機感の表れだろう。

 確かにイリーネも強くなったが、優香はそれ以上に強くなっている。

 対峙しただけでわかるぐらいには、イリーネの感覚も研ぎ澄まされていた。


「イリーネ、援護するよ!」

「水よ、猛りなさい!」


 号令と共に創造されるのは水の魔弾。

 全てを物質化した物理攻撃で優香の魔素固有化に対抗しようという意図が見えてくる。

 真っ直ぐに白兵戦を挑んでも未だに付け焼刃のイリーネと戦闘技術では、世界大会の時から生粋の前衛だった優香には届かない。

 自らの実力を驕ることなく冷静に評価しているからこそ、勝敗の分岐を見極められるのだ。

 確率が0に近くても挑まねばならない時があり、それは間違いなく今であった。


「九条優香ッ!」


 気迫は十分、タイミングも悪くない。

 断言できるが、ヴァルキュリア側に失点はなかった。

 いや、もしかしたらたった1つの失点こそがこの状況なのかもしれない。


「――申し訳ありませんが」

「くっ!?」


 剣を一振りして、イリーネを弾き飛ばす。

 冷たく響く声は優香の機嫌が非常に悪いことを示していた。

 やりたくもない蹂躙をやって、戻ってくればチームは壊滅。

 大切な相棒は姉を相手に散っていった。

 愉快な状況のはずがない。

 わかりやすい怒り、瞳に携えた熱は優香の怒りの深度を表している。

 彼女のような場合は表に出ない怒りの方が大したことがないのだ。

 温厚だからこそ、1度火がついてしまえば誰よりも苛烈。

 九条優香は、人生で初めてと言ってよいレベルで真剣に怒っていた。


「私、あまり機嫌がよろしくないです。何か失礼があるかもしれませんが、ご容赦を」

「その物言い! 舐めてんじゃないッ!」

 

 カルラが属性を象徴するかのように気炎を吐く。

 気圧されていては勝負にならない。

 未熟な面が多かった彼女も意地の張り方を理解していた。

 無意味に突っかかることを意地とは呼ばない。

 ここぞ、と言う場面で誇りを賭けることを意地を張るというのだ。


「あんたが強くても! 私も負けられないのよッ!」

「――そうですか。では、力で語ってください」

「な――!?」


 炎を纏った拳を双剣で弾き飛ばし、事象を変換する力を噴出する魔力で無効化する。

 カルラの力は彼女の性質たる伝播というものを基礎としていた。

 火は伝わり、広がる。

 当たり前のことを魔力で再現しているだけなのだが、真に迫っていても彼女の炎はまだ未完成であった。

 格上に通じるような技ではない。

 優香も抱えている問題だが、他者への干渉は余程の強者か多様な手段を持っていないと通用しないのだ。

 魔素を炎で染め上げる力と魔素を己で染め上げる力。

 奇しくもよく似た2人だが、似ているからこそ勝敗は明確であった。


「この程度で、私は止まれない」

「く、くそぅ!!」


 雪風に魔力が集い、カルラを仕留めに掛かる。

 攻撃速度で優香が優り、攻撃力でも優香、おまけとばかりに防御力もカルラを超えていた。

 ここまで圧倒的では話にならない。


「させないわよ!」


 無論、1人であればと注釈が付く。

 リタ・アーレンスという女性はカルラの苦境を黙って見ているよう女性ではない。

 当たらないとわかっていても全力での攻撃を放つ。

 

「リタさん!」

「下がって、早く!!」


 カルラへ素早く飛ばす指示。

 リタの攻撃を見れば優香が離脱するものとしての指示だったが、九条優香をまだ見誤っているとしか言いようがない。

 彼女は世界ランク第2位。

 いつまでも高速戦闘特化の低火力ではないのだ。


「その程度では、避ける必要もない」

「えっ……!?」

「嘘、カルラ!」

「待ちなさい! 水よ!」

 

 リタの攻撃を噴出した魔力で砕いて、そのまま追撃に移る。

 無情にもカルラの撃墜は僅かに時間が伸びただけであった。

 今の優香は総合値では健輔に敗北する前の桜香は凌駕している。

 虹色、つまりは統一系を出す前の桜香とならば勝負は出来るのだ。

 この事の意味を些か甘く考えている。

 多少の細工では粉砕するからこその上位ランカー。

 強くとも理不尽さがないからこそ、ハンナは昨年度3位に名を連ねることが出来なかった。

 毎年全てがそうなるとは限らないが上位3名に求められる強さにはそう言った要素があるのは、暗黙の了解として知られている。

 フィーネという理不尽があまりにも近くにいたからこそ、敵に回った彼らの本当の怖さを理解していない、と言われればイリーネたちは否定できなかった。

 

「あなたたちの失策を言いましょう。私は、去年のフィーネさんよりもランクでは上です。この事を、もう少し真剣に考えるべきでしょう?」


 3強は特別で、今年は去年のほどのスターはいない。

 1つの事実だが、同時に誤ってもいる。

 イリーネたちが戦わないといけない理不尽とは桜香であり、優香であり、皇太子なのだ。

 学園が認定したこの意味を真剣に捉えているのならば、優香に僅か3名で当たる無謀は理解出来たはずだった。

 イリーネたちがランカーに入れず、クラウディアがランカーとなったのは背負う覚悟の差なのだから。

 レオナがそうであるようにまだフィーネから完全に脱却出来ていないのだ。

 あまりにも頼もしかったゆえに依存の領域にまで行ってしまうのは、フィーネたちの強さの象徴でもあった。

 真由美は良いところまで改善していたが、まだあと一押し足りていない。

 改善のための場がこの合宿である以上、イリーネたちはその先にいる優香には勝てなかった。

 ましてや、彼女は怒っている。


「終わりです。――『蒼い閃光』!」

 

 術式が発動して、魔導砲撃を凌駕する閃光として全てを吹き飛ばす。


「ま、まだよ!」


 リタが海から大地を隆起させて防御しようと試みる。

 物理的に圧倒的な質量は十分に強力だが、ここでも優香の出力が問題になってしまう。

 ランカーにはランカー用の対策をしておかないと通用しない。

 和哉がどんな相手でも、それこそ桜香のような怪物にも通用するように五感に作用するものを選んだように、事前に準備をしておかないと何も出来ずに粉砕されてしまう。

 自らを貫き通して上位に傷をつけるのは健輔のような手段を備えた極限のアホだけである。

 賢いからこそ、戦乙女たちには渡れない道であった。


「無為ですね」

「あっ……」

 

 ただ圧倒的な力で進撃する。

 姉とよく似た戦法は桜香の影響を受けているからであろう。

 鍛錬という名の敗北から優香は強さを体現する、ということを理解し始めていた。

 萎縮など必要ないのだ。

 圧倒的に敵を潰す。

 求められていることを理解し、必要な技能を組み合わせていけば、必然として優香は強者の戦い方になる。

 挑戦者としての形、足りない者が何かを補おうとするのとは真逆、如何にして自分を使い切るかを考える戦い方がそこにはあった。


「これで――」

「――終わり、ですか? まだ早いように思えますよ、優香」


 優香の声に被さるように何者かの声が放たれる。

 眼前の敵に集中し過ぎたゆえに起きた事態。

 優香もまだ1対多の状況に成れていない。

 常にそうであることが状態の女性とは比較にもならないほどの経験値の差があった。

 普通ならば美咲たちのバックアップがあるゆえに迅速な警告があるが、本陣がピンチであるのだ。

 優香のように余裕がある者に割ける力は多くなかった。

 意図せず生まれた空白地帯。

 健輔によって疲弊した状態だからこそ、この隠密行動が生きる。


「……なるほど、次は私ということですか? 姉さん」


 頭上には太陽と重なる黒点が見えた。

 人型の黒点――九条桜香がどこか締まりのない妙な雰囲気で優香たちを見下ろしている。

 構図は王者と挑戦者。

 上に位置する姉に思うところはないのだが、優香は何かを敏感に察知する。

 もう1度言おう。

 現在、優香は非常に不機嫌である。

 浮ついた様子の姉から、あることを嗅ぎ取ってその機嫌は爆発しようとしていた。


「……姉さん」

「い、イリーネ……何か、ここ寒くない?」

「そ、そうね。どうしてかしら」


 地獄の底から響くような冷たい声。

 顔を伏せた優香は、物凄いオーラを纏いつつ姉に問いかける。

 向こうから割り込んだのにどこか別の場所を見ているような雰囲気。

 普段ならばなんてことはないが、今の優香には怒りに火を注ぐだけだった。


「え、ああ……そのごめんなさいね? 少し、良い事があったから」


 花が綻ぶような満面の笑み。

 満身創痍のはずの太陽は、傷つくどころか何故か回復している。

 理由は彼女ぐらいにしかわからないだろうが、この場には数少ない例外がいた。

 ただでさえ余裕のなかった状態に最後のダメ押しをされて、優香の中で何かが弾けてしまう。

 姉の答えを引き金として、優香は顔を伏せた状態でプルプルと震え始める。


「……もん」

「……優香? その、どうかしたの?」


 戦闘するような空気ではないが、優香の直ぐ傍にいるヴァルキュリアは呑気な桜香へ必死のアピールをしていた。

 普段温厚で、怒りを見せることがない人物。

 では、彼女が怒るとしたらどうなるのだろうか。

 言い方は悪いが頭が固く自分の限界を定めてしまうのが賢い優香の弱点である。

 それが怒りという燃料で、枷が吹き飛ぶのだ。

 結果はこのようになってしまう。


「いいもん! 姉さんなんか、私が倒すんだから!」


 感情値が振り切って、瞳に涙を溜めた少女がキレた。

 幼児退行した様子を見せながら、優香は掛かるプレッシャーや諸々を投げ捨てて、姉に戦いを挑む。


「あ、あれ? ゆ、優香ちゃん?」


 桜香の笑みが今度は別の意味を持つようになる。

 これは、マズイ。

 姉であるがゆえに怒った優香が厄介なのを知っていた。

 事態は急変する。

 健輔渾身の自爆でも微妙に喜んでいた女性の顔が明らかに引き攣っていた。


「ご、ごめんなさい! 謝るから!?」

「お姉ちゃんは、いつもいつも、口だけなんだからッ!」


 聞き耳を持たない暴走特急がとんでもない魔力を噴き上がらせる。

 桜香を出力で凌駕するというとんでもない力を前に戦乙女たちの顔も引き攣った。

 見境のない怒りを見せる優香と、緩んでいても最強の魔導師たる桜香。

 彼女たちに背中を見せるなど出来る訳もなく、否応なくイリーネたちも巻き込まれてしまう。

 史上最大の姉妹喧嘩。

 2人の人生においても数えるほどしかない虚飾の剥がれた決戦の幕が開けるのだった。






「美咲さん、大丈夫ですか!」

「およよ、その様子だとダメだった感じかい?」


 クォークオブフェイトのバックス陣。

 頭脳たるこの本陣で主力である少女が頭を抱えている。

 健輔との合一によるフィードバック。

 覚悟はしていたが、自爆の感覚を共有するのは美咲には辛かった。


「なんとか、消耗はさせたと思いますけど……」

「出力不足かぁ。こればっかりはねぇ」

「さ、佐藤先輩でも……ダメだったんですか」


 海斗の嘆きに先輩2人は反応を示さない。

 こればっかりは事実を在るがままに受け入れる必要がある。

 健輔は強いが最強でも、無敵でもないのだ。

 負ける時は負けるし、何も出来ないこともまた存在している。

 先輩に依存などされて、撃墜された時に崩れるようでは困るのだ。

 その点、嘉人たちは全員が見事だったと言える。

 たった1人でも残った点を鑑みても、彼の冷静な判断のおかげで即死だったレベルが重傷にまでは落ち着いていた。


「嘉人くんは褒めてあげないとね」

「いやー、褒めると調子に乗るかもよ? まあ、大丈夫だとは思うけどねん」

「……っ、す、すいません。まだ終わってなかったんですよね」

「いいのよ。海斗くん、覚えておいて、私たちは誰かを扱う立場なの。依存はしちゃダメだよ」

「は、はい!」


 冷静に戦力を観察して、勝利のためには捨て駒にする。

 参謀にそういう側面があるのは事実だった。


「戦況は悪い、か」

「葵と朔夜ちゃん、優香ちゃんに私たち。ま、ぶっちゃけるとこれだけしか残ってないからね」


 アマテラスの総勢を撃墜したことでポイントはトップだが、それも桜香に肉薄されている。

 フィーネの再投入で消費したことを考えると些か以上に厳しい面があった。


「肝要なのは、葵さんの戦場」

「シューティングスターズがほぼ無傷で残っているのが問題かな。ヴァルキュリアはこのまま主力が壊滅しそうだけど、あっちはまだまだ元気だね」

「ヴィオラ・ラッセルは流石に試合運びが上手いですね。積極攻勢を演出しておいて、チーム自体は温存している」

「私たちが早めに攻めに走るのも予測してたんだろうね。温存を考えるには私たちはちょっと打撃力があり過ぎるからね」


 クォークオブフェイトの本陣は本来ならばかなりの防御力がある。

 容易く突破されたのは相手が悪いとしか言いようがない。

 桜香の単騎特攻など、予想していても被害を最小に抑えられるか怪しい代物だった。


「主導権、か」

「的確に遠距離で援護できないのが響いてるね。アリスちゃんがいるから向こうは1人だけで攻撃していても存在感がある。温存している感じがしないよね」

「真由美さんがいた時はそうでしたけど、まさか、ここまで違うとは」

「わかっていても、直接打撃の集団は戦力の移動があるのがね。転移は解決策だけど……」

「不安定な戦場で連発は難しい」


 美咲の言葉に香奈が頷き、改めて状況の厳しさを感じていた。

 負けてはいないがこの状況から能動的に動くのは難しい。

 単騎で優秀な葵と優香は残っているが、彼女たちも相応の消耗がある。

 一切の疲労を感じない桜香とは違うのだ。

 また葵も優香も白兵戦型なのに対して、残った敵チームのエースは遠距離型だった。

 距離を取られている間の不利は否めない。

 優香と桜香の決戦も優香が勝利できるとは限らないのだ。

 美咲にもこの戦いの結末はわからない。


「厳しい戦いに、なりますね」

「そうだね。でも……」


 海斗に同意するが、美咲には別の感想も浮かんでいた。

 世界第2位のチーム。

 アマテラス以外には無敵であろうと思っていたが、その優位もあっさりと崩れることがある。

 直接的な原因は桜香であるが、上手く誘導された気配があるのだ。

 敵チームの動きを褒めるべきだろう。


「この逆境を乗り越えるからこそ、きっと魔導競技は楽しいんだと思うよ」

「うわ、美咲ちゃんが健輔みたいなことを言ってる。ま、お姉さんは同意見だけどね!」


 参謀たちにも諦めはない。

 まだやれることが残っているのだから最後まで戦うのだ。

 健輔が自爆した意味を知る者として、美咲は最後まで全力を賭けることに否はなかった。

 後を託してくれたのだ。

 応えるためにも、美咲がやるべきことがある。


「香奈さん、私も出ます」


 決意と共に戦場へ。

 親友のいつもと違う様子での戦い方を見ながら、美咲は僅かな勝機を見出した。

 健輔以外に桜香へ刃を届かせるだけの領域にいこうとしている。

 ここでやらねば、美咲は健輔の相棒も優香の親友も名乗れないだろう。


「うん、お願いね」


 香奈も美咲の決意に共鳴する。

 ここが最後の勝負所だと感じていた。

 桜香を仕留め、ヴァルキュリアの主力を壊滅させる。

 これが出来るのは、美咲と優香のコンビしかいないだろう。 


「任せてください。――私も、健輔の相棒ですから。エースを打倒して見せますよ」

「頼もしいね!」


 託された勝利のために美咲は己を賭ける。

 潰えそうな希望を燃え上がらせるために、健輔に代わり不滅を討つ。

 友人が待つ戦場へと転移の光を翳して、クォークオブフェイト最高の頭脳が羽ばたくのであった。


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