サンドシャークは噛ませ犬
サンドシャークさん噛ませ犬みたいwww
さて、ここらでこの世界についてもう少し詳しく説明しておこうと思う。
「アーテルブス」は少し特殊な形をしている。
主に三つの大陸と、この世界の七割を占める広大な海によって形成されている。
一つ目の大陸は、北に位置する雪と氷と嵐に包まれている「スノーウィン」
二つ目の大陸は、この世界の中央に位置する平穏と陰謀に苛まされる「デスハート」
三つ目の大陸は、南に位置する海と砂漠と太陽に守られている「ホットガード」
スノーウィンとホットガードはブーメランの様な形をしていて、
広大な海を取り囲むかのように存在している。
そして、その中央にきれいな円形をかたどったデスハートがある。
分かりやすく言えば、水を張った丸い子供用プールの中央にボールがプカプカ浮いているところを想像してもらいたい。それがアーテルブスの世界だ。
ちなみに、スノーウィンとホットガードは陸続きではなく、その端と端が途切れていて、その間を海が通っている。
この三つの大陸の内、最も平和なのがホットガードである。
ホットガードには広大な砂漠がいくつも点在しておりその過酷な環境のせいか、あまり凶暴な魔物が存在していない。住んでいる者は主に人で、中には猫族≪キャッツァー≫や、兎族≪ラビリンス≫などの亜人もそこそこ生息している。
そして、その砂漠の一つ一つには国も存在している。
中でも大きいのが、
「砂漠海」の中央に位置する「アーク」である。
「アーク」は、平和なホットガードには珍しい戦闘と殺戮などを推奨している国で、毎年、コロシアムを開催し大陸中から集まってくる猛者たちによる、激しい戦闘が行われている。
そのためか、国内がちょっとした無法地帯と化している。
道を歩けば、大柄の戦士のようなゴツい方々に決闘を半ば強制的にもうしこまれ、
店で品物を買おうとすれば、売られているのは武器ばかり。
裏路地を通ろうものなら、翌日には臓器売買の所に連れて行かれる始末。
しかし、平和な大陸ホットガードには、娯楽の類が少ないため、意外にもコロシアムを見るために、または参加するために、毎年観光客が押し寄せる。
そのため、国はそこそこに発展し、今ではホットガードの五指に入るほどの大国である。
だが、観光客や猛者共の足取りもだんだんと途絶えてきている。
理由は、最近の魔物の活発化の影響で、砂漠海の主として恐れられているサンドシャークが通る人や亜人をことごとく喰い殺しているからである。
特に、人の肉の旨さを覚えてしまったらしく、好んで人を襲うようになっていた。
そこで国は、国中にお触れを出した。
内容は、
『~~砂漠海の主[サンドシャーク]の討伐依頼~~
内容 最近人を襲うようになってきたサンドシャークの討伐。
期日 次のコロシアム開催までに
報酬 1000000G
成功条件
砂鮫の堅牢な鮫肌 砂鮫の炎の牙 砂鮫の上質な背ビレ
以上の品のどれか一つ入手した者に限り報酬を出す。
~アーク国国王ジェネシス~ 』
というもので、コレを見たものは当然ノリノリでサンドシャーク討伐に向かい、
ボロボロになって帰ってきた。
一方そのころ、本作の主人公こと黒装束着た人は、砂漠海の熱さとダルさを乗り越え、
なんとかアーク国に到着しようとしていた。
次回、主人公の名前という名の偽名が判明。