断罪してください
先輩は悲しそうな、困ったような顔をしていた。かわいそうなくらいに情けない表情だ。どうしてそんな顔をするのだろう? 今かわいそうなのは間違いなく私のはずなのに。 私は怒りとも、悲しみとも言えない感情をどこにぶつけたら良いのか分からなかった。大声を出して泣いたり、ものを投げたりすればすっきりするのかも知れないが、そんなことはしなかった。ただ、右手でセーラー服のスカートを強く握っただけだった。 「倉田さん」 そのとき先輩の静かな声が響いた。同時に再び腕を捕まれる感覚。先ほどとは全く異なる強い力で引っ張られる。 気が付くと私は山辺先輩に抱き寄せられる格好になっていた。今までで確実に一番山辺先輩に近い位置だ。耳元で聞こえる呼吸や、心臓の鼓動がひどく現実離れしているように感じた。
一章 青の春(1)
2011/01/09 01:32
(改)
一章 青の春(2)
2011/01/09 01:42
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二章 朱の夏(1)
2011/01/09 01:51
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二章 朱の夏(2)
2011/01/09 02:02
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二章 朱の夏(3)
2011/01/09 02:08
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三章 白の秋(1)
2011/01/09 02:22
(改)
三章 白の秋(2)
2011/01/09 02:31
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三章 白の秋(3)
2011/01/09 03:04
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四章 玄の冬(1)
2011/01/09 17:46
(改)
四章 玄の冬(2)
2011/01/09 17:58
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四章 玄の冬(3)
2011/01/09 18:13
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四章 玄の冬(4)
2011/01/09 18:24
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四章 玄の冬(5)
2011/01/09 18:32
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