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第一話 小猿の入隊

「この少年と、狂わせた。」

ーー時は現代日本。バトルロワイヤルの流行にともない、法規制やSNSも過激になっている。その世界をいきる主人公仁宮 甲。彼が加入したバトルロワイヤルチームの全貌とは…!?

ーー20XX年、現代日本。


数多くの少年、青年がバトルロワイヤルに狂わされた。


エアガンやゴム製のナイフ。専用の銃弾は飛ぶように売れ、店頭に並ぶのは神出鬼没。


…ついには改造に手を出すものまで現れた。


社会現象になったことでSNSのトレンドはバトロワで埋まり、政府の動くきっかけとなった。




ーーそこに、また一人バトロワに憧れた少年もいた。










仁宮 甲(じんみや こう/13歳)


(本当にここであってるのか…?でも、他にあてがあるわけでもない。少し緊張するな。人と会うのも何年振りだろう。)




俺は何度もスマホを見返した。


最近持ったばかりで操作のなれないただの石だと思ってたんだけどな。




…おじいちゃんが13歳の誕生日に買ってくれたんだ。これがなければ、不便だ。






それで、俺がなんでここにいるかって?そりゃあ…バトルロワイヤルのチームに入隊するためだ。




「おーい!」


とても明るく、張った声が響く。




火ノ宮 仁(ひのみや じん/14歳)


「君が応募してくれた仁宮か!よろしく。僕、火ノ宮!」


彼は笑顔で歓迎してくれた。


「はい、よろしくお願いします…!」




一通り挨拶を終えて、彼について行くことにした。


…少し敬語が不自然だっただろうか。






火ノ宮さんについて行くとやがて、町外れの藪にたどり着いた。土と葉っぱの混じった匂いの先に




…古い校舎が見えた。




「仁宮君!ここが基地だよ!今から仲間紹介するね!」


正面の入り口から入ると、いろんな人が見える。奇抜な髪型、大きな武器を背負った人に…アサルトライフルの手入れをする人までいる。金属音の響く教室には、少し硝煙の匂いが漂っている気がした。




そこに、火ノ宮先輩が二人を連れてきた。


「仁宮君!紹介するよ!ほら、秋暮くんと朱崎くん挨拶して。甲君だよ!」




秋暮カイト(あきぐれ かいと/13歳)


「うす。俺カイトです」




朱崎蓮(しゅざき れん/13歳)


「初めまして、僕は蓮。」




カイトは気だるげに答え、髪をいじり始める。


蓮は笑顔で迎え入れた。




カイトは右目を髪で隠したボサボサ頭。蓮の方はオールバックだった。


はっきり言って奇抜だ。ここには癖の強いメンバーしかいないのか…?






カイト「俺はナイフ2本。蓮はダブルガンっていう拳銃2本持ってるよ。」


…二人に武器を聞いてみた。カイトは照れ臭そうにそっぽ向きながら答えてくれた。そこに火ノ宮先輩が顔を出す。




「じゃあ仁宮君、後は任せた!」


廊下に消えていく火ノ宮先輩の背中を俺はにらみ続けた。


(………無責任なやつ。)




一瞬静まり返った時、誰かが口を開く。


「あ、あと仁宮君!入隊手続き頑張って!」


蓮は言った。


「てつづき…?」


俺は意味が分からずそこに立ち尽くした。


「あとで校長室においでよ。3人でね。」




二時間後…




「…失礼します。」


校長室にはなんとも言えない空気が漂っていた…というよりかは埃と古い木材のにおいが漂っていた。ふと、壁の方に目を向ける。ゴミ箱だ。左には少し埃の被ったスコープ、そのとなりにはほとんど使われた形跡のないビニール傘。その下には…ボロボロのバットが転がっていた。


…まるで、未来でも暗示しているかのように不気味だった。




正面には、椅子に座っている青年がいた。青いパーカーを着た長髪の…たぶん年上だろう。




尾我利 龍(おがり りゅう/15歳)


「初めましてだね、仁宮君。」


彼は口角を上げ、不気味に笑った。




そして続ける。


「入隊手続きのやり方はわかるかな。一応説明はここに書いてあるんだけど…」


「…漢字読めません。」


俺は遮る。




尾我利は続ける。


「…そっか。一緒に頑張ろう、それとまだ班は決まってないよね。」




…俺の頭はもうすでに混乱していた。


「うーん…チーム分けだね。大久保さんがこのチーム全体のリーダー、そこから8個の小隊、小さなチームがあるんだ。射撃特化チームのリーダーは僕だから、朱崎君の師匠は僕だね。それと…」




尾我利先輩の話にうんざりし始めた頃…


「やぁ尾我利、失礼するね。」


石田 兼(いしだ けん/15歳)


糸目の高身長な青年が入ってきた。グレーの上着、腰には長い鞘がついていた。


「遅れてすまない。その子が仁宮か?」




尾我利が答える。


「こいつが兼、ありとあらゆる剣を操る刀使い。秋暮君の師匠だね。まだ鈍器を扱える人はいないから…仁宮君の師匠はまだいないね。」




「そうですか…」


兼「じゃあ仁宮君、詳しい手続きはこっちで済ましておくから、明日また来るように。」




(なんなんだよ、ここ……)


尾我利は相変わらず不気味な笑顔で答えた。笑っているのに、笑ってない。その表情に、俺は怯えるしかなかった。

読んでいただきありがとうございます。初の一話です。次の話もお楽しみください。

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