13 おまけ6 「深狼、見捨てられる」
くた王が地味にランクインして頂いているので小話の御礼です
御礼その3です!
よろしければお楽しみください!
相談掲示板
相談です
誰かたすけてくれ!将が暴走して、宰相が不在で誰も止められるものがいない!
王に摂政までいるんだが、どうしたらいい?
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吾千 あれ?何か書き込みあるよ?
阿華 ああ、…亜深さんですね。確か単独任務で換装を後回しにして
帝国主星管制域を警戒していたはずですけど、…。
吾千 かわいそう。これって、光華さんに連れて行かれたの?地表?かわいそー!
五得 まったく本気が感じられませんね
吾千 そりゃそうだよ?だっておれ、いま新装備換装の真っ最中だし!
阿華 そうですねえ、…それはわかっているはずですから、
あまり返答を期待はしていないでしょう。放置しましょうか
五得 おまえさんたち、…部署が違うからあんまりいわないけどさ?
ひどくないか?以前もおもったけど
吾千 そーいってもねえ
阿華 そういわれましてもねえ。宰相はお休み中ですし、わたくしとしては、
宰相のおられない間の管理を請け負っておりますので、面倒事は放置の方針で
五得 放置すんのかよ…
阿華 そういうあなたも、動く気はないでしょう?
実験設備の更新を随分喜んでいらっしゃるではないですか
五得 うっ、…。
吾千 それにー!四千年も離れてたから、その間に進化した微生物リスト、
帝国からもらって新規更新がとってもうれしいんだよね?
で、いそがしいでしょ?
五得 うう、…すまん、亜深、…。
阿華 地表の対応は将に任せておきましょう。宰相もそういわれております。
五得 …不安だよな、それ、…。
阿華 では、あなたが生体を駆動して地表に赴かれると?
五得 …――深狼、成仏してくれ、…南無阿弥陀仏…
吾千 どこから?どこから仏様?成仏させるの?
阿華 それより、一応匿名掲示板なのですから、仮名にしてください
五得 あ、すまん
吾千 …――本体を新規データ更新と換装に全振りしてるからって、
キャラかわってない?まったく、てきとーすぎ
阿華 セカンダリ対応ですと、性格が変化することは珍しくないですからね
吾千 そこをさー?統一して違和感なく有機生命体とかにも
対応できるようにするスキルが重要でしょ?修行不足!
五得 一言も反論できねえ…すまん。
阿華 ですね。さて、宰相が起きてこられるまでは、
わたくしが管理を請け負っているのですから、あきらめてもらえますか?
五得 あきらめんのか…
阿華 はい。わたくしに、地表に降りて摂政まで伴われた光華様の行動を
止めることなどできるはずがありません。
五得 きっぱりいうなあ、…あ、すまん。実験体の微生物入ってきたわー
培養地の選定再確認して培養に入るから、じゃあなー!
阿華 …―――そういう性格ですよね
吾千 だよね
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かくして、掲示板に書き込みはなされたが。
相談への返答が書き込まれることは、なかった。――――
その頃、深狼。
―――返事は、ないよな。…
それはわかっている。背中にある氷点下の気配と、にこやかな光華に挟まれて。
動くに動けず、どうしていいかわからないでいるだけだ。
―――うん、どうしてこうなった?
それは確かに上位システムに下位システムが逆らえるわけはないのだが。
だがしかし、である。
――おれを挟んで行うことはないんじゃないか?
席をずらしたい。あるいは、そっと席を立って別の場所へと行くことはできないだろうか?
しかし、それを実行するには深狼のスキルも経験値も少なすぎた。
にこやかな光華。
氷点下の背中。
しかも、どうしてこうなった?を追求しようにも。
――永華?大麗貴…―――機密データになっててアクセスできない…。
そんな厳重なデータ処理を行う存在が、帝都でカフェなんてやってないでほしい、と。
――席を立ちたい。
だがしかし、と。
悩む深狼にかまわず笑顔の光華。永華と呼ばれ、さらに光華を兄上という謎の存在。挟まれた深狼は真剣に思っていた。
―――おれのいない処でやってほしい、…。
切実な深狼の願いは、届きそうにない。
掲示板への悩み相談も。
新規換装で沸き立っている仲間達からの答えは返ってこないようである。―――




